表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
20/46

説明の少女

荒野。


倒れたサソリ型オートマタ。


その周囲では回収班の車両が到着していた。


車から降りてきたのは若い女性職員だった。


「討伐確認に参りました!」


元気よく頭を下げる。


そのままサソリ型の残骸へ近づく。


そして。


「わぁ……」


思わず声が漏れた。


「本当に倒してる……」


残骸を見上げる。


全長六メートル。


中型オートマタ。


探索者になったばかりの新人ならまず逃げる相手だ。


「三人で倒したんですよね?」


「まぁな」


ウェルトが少しだけ胸を張る。


「すごいですね!」


素直な賞賛だった。


ウェルトも悪い気はしない。


職員はサソリ型の残骸を見る。


「どうやって倒したんですか?」


「サソリ型って正面から攻撃が通らないですよね?」


「まぁな」


ウェルトは頷く。


「ハサミと尻尾にシールド発生装置が付いてる」


「正面から撃っても弾かれる」


職員も頷く。


「そうなんです」


「だから厄介で……」


「だが欠点もある」


ウェルトは残骸の尻尾を指差した。


「ビームを撃つ瞬間だけシールドを張れねぇ」


「えっ?」


職員が目を見開く。


「さらに砲撃後は六十秒の冷却時間」


「だから撃たせた」


「その隙に尻尾を固定した」


「そして鉄塔からセレナが飛び降りて尻尾をズバァっと切断!」


ウェルトが大げさに腕を振る。


「そのまま背中に飛び乗る!」


「まずエーテル弾で装甲を割る!」


「そんで剣を突き刺して――」


ウェルトは両手を広げる。


「ドカーンだ」


拍手をする職員。


その時。


職員の視線が遠くへ向く。


廃棄された通信塔。


「でも」


「最後の攻撃ってあそこからですよね?」


「高さかなりありますよ?」


「大丈夫だったんですか?」


職員の視線がセレナの足元へ向く。


「靴」


「靴?」


「アーティファクト」


軽くジャンプするセレナ。


「衝撃を吸収してくれる」


両手を広げ着地のポーズをする。


「落ちても平気」


職員はその行為に思わず笑いながら。


「便利ですね!」


するとセレナは少し考え。


「壁も登れる」


「え?」


「壁?」


「うん」


通信塔を指差す。


「あれも歩いて登った」


職員は数秒固まった。


「壁を……歩く?」


「うん」


当然のように頷くセレナ。


「すごいですねアーティファクト!」


「便利」


ドヤ顔である。


ゾイが苦笑する。


「本人が一番すごいんだけどね」


「確かにそうですね」


職員も笑った。


そして端末を閉じる。


「確認完了です」


「これから回収班が作業を始めますので」


「皆様はお戻りいただいて大丈夫ですよ」


「助かる」


ウェルトは伸びをする。


すると職員は思い出したように口を開いた。


「あ、そうでした」


「ギルド支部のゼウレンさんから伝言です」


「戻ったら一度顔を出してほしいそうですよ」


「ゼウレンが?」


ウェルトが首を傾げる。


「はい」


「何かお話があるそうです」


ウェルトは肩をすくめた。


「とりあえず帰るか」


――


ギルド支部。


いつもの受付。


探索者達の姿。


依頼を確認する者。


報告をしている者。


相変わらず賑やかだった。


ウェルトは真っ直ぐカウンターへ向かう。


「討伐報告だ」


ギルドカードを差し出す。


受付嬢が受け取り端末へ通した。


「サソリ型オートマタ討伐ですね」


「確認しております」


慣れた手つきで操作していく。


しばらくして。


「確認しました」


「報酬の受け取り方法はどうなさいますか?」


「振込で頼む」


「かしこまりました」


カウンターの下から封筒を取り出した。


「こちら今回の報酬金の額になります」


ウェルトが受け取る。


中身を確認する。


思わず口元が緩んだ。


「悪くねぇな」


するとウェルトは封筒をしまいながら思い出したように口を開く。


「そういや」


「ゼウレンが呼んでるって聞いたんだが」


「あ、はい」


受付嬢はすぐに頷いた。


「少々お待ちください」


そう言うと端末を操作する。


短い通信。


数秒後。


「確認が取れました」


受付嬢が立ち上がる。


「会議室へご案内いたします」


ウェルト達は顔を見合わせる。


「会議室?」


ゾイが首を傾げた。


「また面倒事じゃなきゃいいけど」


受付嬢の後ろについて歩く。


階段を上がる。


二階。


奥の廊下。


そして一つの扉の前で足を止めた。


「こちらになります」


コンコン。


受付嬢がノックする。


「ゼウレン様」


「ウェルト様方をお連れしました」


中から返事が聞こえた。


「どうぞ」


受付嬢が扉を開ける。


「失礼します」


ウェルト達が中へ入る。


そこには。


書類を整理しているゼウレンの姿があった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ