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万能回復"薬"に転生しました!? ~ どうしても飲んでもらえないのでこの子(たち)と生きていきます ~  作者: こみやし
07.新婚生活編

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07-64.ダンジョンボス・続




 ディアナとマーレは海水を生み出してボス部屋を水没させた。アウルムは巨大スライムに変じて海水を飲み込みつつ、頭上にパティ乗せて浮いている。


 流石にパティとアウルムのベテランコンビが、ディアナとマーレの素人コンビに負けるとは思えないけれど、一見するとディアナたちの方が優勢だ。あまり舐めて掛かっていると手痛い反撃を食らうやもしれんな。



 コルピス対、ゆーちゃん&サクヤの戦いは相変わらずだ。ゆーちゃんは攻撃もせずに無我夢中でコルピスの下へと辿り着こうとしている。


 コルピスはゆーちゃんの呼びかけに耳を傾けることなく攻撃を繰り出し続けている。こちらはもうすぐ勝敗が決するかもしれんな。



 クルス対、ユーシャ&カグヤは、接戦を繰り広げている。クルスはよく我慢している。ユーシャの挑発に反応は示さず、罠を巧みに駆使してユーシャを追い詰めつつある。


 しかしユーシャも負けていない。相変わらず挑発を交えつつ、クルスの精神を揺さぶりながら隙を探り続けている。これではたとえ勝っても仲直りはできまい。もう少し戦い方というものを教えておくべきだった。困ったものだ。



「どうだ、オトヒメ。敵の戦力は」


『問題ありませんねぇ♪ わたくしと御主人様のお力が揃えば敵ではありませんよぉ♪』


「全員が向こうについてもか?」


『はいぃ♪ クルスとコルピスだけでなくぅ、パティまで含めてですぅ♪』


「ふふ。自信満々だな」


『御主人様のお陰ですぅ♪』


「いやいや。オトヒメのお陰さ。私一人で勝つビジョンは浮かばんさ」


『でしたらぁ~♪ 二人だからこそですねぇ~♪』


「そうだな。うむ♪」




----------------------




「厄介ね!!」


 ディアナとマーレは水中を自在に泳ぎ回っている。下半身を魚、腕をタコに変化させて攻撃を加えてくる。


 こちらは水の上から動けずにいる。ディアナたちの攻撃は大したダメージにはなっていないが、こちらから捉えることも出来ていない。電気でも流してやろうかしら。これって海水だからよく通す筈よね。加減を間違えたら危ないかしら。そもそも対策くらい仕込んでありそうな気もするのよね。最悪自滅することになるかもしれない。ディアナはともかくマーレは油断ならない相手だ。




----------------------




「コルピス!」


「しつこ~い~!」


 コルピスの背後で九本の尾が広がった、その先から九つの火球が放たれた。



「くっ!」


 障壁を展開して炎を受け止める。



「あっつ!?」


 おかしい。今のは完全に防いだ筈だったのに。まさか見た目通りの炎じゃない? あれは幻術の一種なの? だから障壁を貫通した?



「まだまだ~♪」


 今度は翼をはためかせた。そこから生じた風が鋭い刃へと変じて迫ってきた。


 私は障壁で防がず、横に向かって飛び出した。



「ぐっ!?」


 片足に激痛が走る。風の刃が掠っただけで切り裂かれてしまった。


 やはり変だ。あの程度の攻撃でこの身体に傷なんてつく筈がない。これはお母さんが作ってくれた特別製だ。ちょっとやそっとじゃ傷一つ付かない優れモノだ。


 間違いない。コルピスの攻撃は不自然だ。考えてみたら容赦が無さすぎる。本当に命を奪うつもりで繰り出している。


 そんな筈がない。きっとあれは幻だ。ダメージも同じだ。物理的な攻撃ではなく、幻に触れたものにそれと同等の傷を与えたと錯覚させる術なのね。



「コルピス!!」


 私は真正面から駆け出した。痛む足を構うこともなく、まっすぐ一直線に突き進む。どんな攻撃が来たって避けはしない。このままコルピスに抱きついてしまおう。きっとそれで許してくれる筈だ。コルピスは寂しかっただけなのだ。



「あぶないよ~」


「コルっ!!」


 迫ってきたのはコルピスの片腕だ。巨大化し、ライオンのように鋭い爪が生え揃っている。私はつい目を閉じてしまった。その直後、強烈な衝撃が全身を襲った。



「っは!!」


 息が出来ない!? なにが!? おきて!?



『ユウコ!!』


「とどめ~」


『ユウコーーー!!!』




----------------------




 ゆーちゃんは脱落だな。あの直撃をもろに食らったのだ。



「おわった~」


「お疲れ。コルピス」


 コルピスが一人で戻ってきた。倒れたゆーちゃんは見知らぬ巫女風ミニスカ浴衣の少女が助け起こしている。あれがサクヤか。随分と派手な恰好をしているな。ゆーちゃんってああいうのが好みだったんだな。普段私に合わせてるからか、そんな素振りは一切見せたことなかったのに。



「向こうにつかなくていいのだな?」


「うん~。もういい~」


 コルピスは私の中に入ってきた。



『クルスは~?』


「まだ戦闘中だ。もう暫くかかりそうだな」


『そっか~』


 ゆーちゃんは立ち直れるだろうか。傷は浅くない。身体ではなく心の傷が。コルピスは本気だった。それに気付かぬゆーちゃんではあるまい。あそこまで打ちのめされたのだ。もう一度取り戻そうと向かって来れるのだろうか。

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