その1
部屋でまだ寝ていたリアを叩き起こして、コッパの後をついていく。
復興の続く町中を通り、門から外に出ていく。途中町の人々はアサヒたちに呑気に挨拶をしてくるが、それとは裏腹にコッパの様子から何事かが起こっているらしいことは察せられた。
「はぁ、はぁ……まって……」
コッパを先頭に荒野を走っていく四人だったが、サンピが早々に脱落しかけた。
コッパは少し離れたところで足踏みをして早くしろとアピールしているが、体力の尽きたサンピはもはや走ることはかなわず、まるでゾンビのように――ソンビなのだが――よたよたと歩くことしかできない。
「大丈夫ですか?」
たまらずアサヒが声をかけた。
「はぁ、はぁ……。わ、わたしに構わず、先に行って……」
息も絶え絶えにそれだけ言うと、前のめりに倒れそうになったので、アサヒが慌てて受け止める。
「そうもいかないですよ。さあ、つかまって」
アサヒはサンピの前でしゃがんで背中を差し出した。
「ありがとう……ございますぅ……」
ふらふらとよろめきながらアサヒの手にかけたところで――
「ちょ、ちょっと何してるの!」
「え?」
アサヒとサンピの間にリアが割り込んできた。
「何って、サンピさん限界みたいだからおんぶしようかと思って」
「おん……!」
ひっ、と息を吸ってリアがまるでよろけたように数歩後ずさった。
「どうしたの、リア? リアももしかして調子悪い?」
アサヒとしてはこの世界に来る前にリアをおぶっていたのと同じような調子でサンピに背を差し出したというのはリアにもわかっていた。わかっていたのだが……。
「わ、わかったわよ! あたしにつかまりなさい!」
「え?」これはサンピ。
「あたしがおんぶしてあげるって言ってるのよ!」
「いやでも、最初に言い出したのは僕だし」
リアはアサヒをびしっと指さしてまくしたてるように言う。もはやヤケクソだ。
「なんかあった時、前衛はすぐに動けないようにしないと困るでしょ? だからあたしがサンピをおんぶするの!」
そのあまりの勢いにアサヒもサンピも黙って頷くしかなかった。




