告白。
楽しくなってたくさん書きました!
「実は、私、万代のことが好きなの。」
聞き間違いかと思った。
夕焼けに照らされた小春の顔が真っ赤に染まっている。
いや違う。緊張して、赤面しているのか。
「ねぇ、どうなの?」
「う~ん。なんで私の事が好きなの?」
小春の顔が更に赤くなった気がした。
それでも小春は微笑みながら言葉を返してくれた。
「え~とね。万代は、よく細かい所を見てくれて安心する!」
「ケガしたとき、いち早く駆けつけてくれたのは、万代だったし.....」
「私が無理して、笑っているときも、万代だけは気づいてくれた。」
「あと、話も合うし一緒にいて、心地いいの!」
「え?見た目とかじゃないの?」
「うん?もちろん見た目も素敵だけど....」
正直、そんなことを言われると思っていなかった。
今まで、綺麗な見た目を褒められることは多かった。
けれど、私の性格や考え方を褒めて貰ったことはなかった。
そう、一度としてなかったんだ。
小春.....
小春は、私のことを認めてくれている。
好意を持ってくれている。
それは、うれしい。
でも、だからこそ、この感情が分からない。
「すぐじゃなくてもいいから、また明日にでも返事をくれたら....」
「私も好きだ。」
反射的にそう答えていた。
心の中のざわめきが、そう答えるように誘導した。
「え?いいの?」
私は、何を言っているのか。
「うん。改めてよろしくね。小春。」
小春は、緊張が取れたのか、
それとも、付き合えた喜びか、私に抱き着いた。
私は、突然のあまり、それに反応することができなく、
つい、二人で倒れこんでしまった。
「ちょっと、重い.....」
「なに?ひどい!」
「早くどいて....」
「やだよ~。もう少しだけこのままでいる!」
重くて、苦しいはずなのに、はずなのに......
「温かい.....」
自然とそう小声で呟いた。
今まで感じたことのない感覚に戸惑っている。
人の温もり、パパとママとは違うなにかを。
「ん?いまなんてい」
寝たままの体制から、体を起こして小春を強く抱き返した。
びっく。っと跳ね上がった小春の仕草がまた魅力的に映った。
あれから何分経っただろうか。
私は抱きかかえた小春をじっと見つめ続けている。
小春から、抱きしめてきたのに、また顔が赤くなっていた。
「ねぇ、もう、離して.....」
ドクン、ドクンと小刻みに脈打つ、心臓。
それはきっと、私も同じだ。
この気持ちが小春に伝わってしまった。
廊下を歩く音がしたとき、小春が慌てて私を突き放そうとする。
それでも、私は離さない。
いや、離せなかった。
天真爛漫な小春も流石に力では私に適わない。
廊下からの足音が教室に近づいてきた。
そこで、私はようやく抱くのをやめた。
「おーい。もう、下校時刻は過ぎているぞ。」
「早く帰宅しろー。」
「はい、すみません先生。」
私は、それまで何事もなかったかのように返事をした。
「帰ろうか。小春。」
「うん....」
校門をでて、帰路につく。
私たちは手を繋いでいた。
「ねぇ、万代」
「なに?小春」
「さっき話そうとしたんだけど、私だけ小春呼びも変じゃない?」
「それは、小春が自己紹介のときに、名前で呼んで欲しいって言ったからでしょ?」
「そうなんだけどさ。もう私たち付き合ったわけじゃん?」
自分で言った癖に恥ずかしくなって、また顔が赤くなっている。
「うん、そうだね。」
「こうして、手も繋いでいるしね。」
小春をからかうのが、いちいち楽しくなってしまった。
「もー。じゃあさ、これからは苗字じゃなくて、名前で呼んでいい?」
「夕日って。」
夕日。
夕日。
そっか私の名前か。
「って、ちょっと聞いてる?」
夕日か。
親からは、美月。
クラスメイトからは、万代って呼ばれていたせいで、
自分の名前に咄嗟に、反応できなかった。
「ちょっと、聞いている?」
「今日、本当になんかあったの?」
「本当に具合とか大丈夫?」
「うん。問題ないよ。」
「ありがとう。小春。」
気が付くと、あの交差点まできていた。
「そうだね。もちろん、いいよ。」
「ここで、お別れだね。」
「また、明日ね。小春。」
「うん、また、明日。夕日。」
夕日。
僕の名前だった。
読んでいただき、ありがとうございます。
全然5話で終わりませんでした。
小説を書くのは、難しいですね。




