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罪過を綴る  作者: asahi
中学生編。

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12/20

残響。


「ぴぴぴ」


朝のアラームが鳴った。


「.......こはる?」


「......」


「小春!」


僕はベッドから飛び起きる。


周りを見ても、小春の姿はない。


「......」


昨日の記憶.....


安心して、そのまま寝てしまったのか。


小春と僕の音が重なった時間......


身支度を整えないといけないのに。


僕は、もう一度ベッドに戻った。


僕は、無意識に胸に手を乗せて、


ずっと、


ずっと、


自分の心音を聞いていた。


自分の音が小春の音のように感じる。




それから、どれくらい時間が経ったのだろうか。


体が重いような軽いような。


そんな曖昧な感覚に溺れている。


「ガチャ。」


玄関の鍵を閉める音がした。


仕事行ったんだね。


うん。分かっていたよ。


もう。


本当に。


僕が「美月」なんて役を演じなくても、


パパとママは普段通りの生活を送る。


嘘だと思いたかった。


大切にされている。


愛されている。


そう、信じていたのに。


「......」


「......」


僕が男に生まれたから?


それとも、僕の頭が良くないから?


僕の......


僕の......






何がダメだったのかな。


分からない......


分からないまま、時間は過ぎていった。








学校を休むのは.....


小春に怒られちゃうか。


気だるい体を起こして、制服に着替えて一階に降りる。


朝ご飯は.....


やっぱり、作ってないか。


まぁ、いいか。


学校に行こう。


空腹感は確かにあった。


でも、そんなことより、


僕は、早く小春に会いたかった。


だって、小春は僕を必要としてくれるから。


ふらふらと教室まで向かい、ドアを開けると小春の姿が目に入った。


いつもは僕が一番に学校に着く。


でも、今日は、小春に先を越されてしまった。


「あ!夕日。おはよう。」


「昨日は、よく寝れた?」


「......」


「ねぇ、夕日?」


「......」


僕は何も言わず小春に抱き着いた。


「暖かい。」


「もう.....朝からそれなわけ?」


「......」


「なんか、体に力が入らなくて。」


「夕日?朝ごはん食べた?」


「体は冷たいし、顔色も良くないよ?」


「ううん。食べてない。」


「それだと、昨日の夜からなにも食べていない感じね。」


「朝礼までは.....あと30分あるわね。」


「コンビニ行ってなにか買ってくるから。」


「ちょっと待ってて。」


「うん。」


「......」


「抱き着かれたままだと、買いに行けないんだけど?」


「.....」


「独りにしないで......」


「......」


「もう!じゃあ、一緒に行くよ。」


「......」


「うん。」


僕は小春に寄りかかりながら、学校を出て、コンビニに向かった。


校則で登校後に、学校の外に出る事はおろか、


コンビニに行くなんて、以ての外だ。


それなのに。


小春はルールを破ってまで僕のことを気遣ってくれる。


「ねぇ、どうして?」


「ん?なに?」


「どうして。小春は、僕にこんなに優しくしてくれるの?」


「......」


「夕日だって、私のこと、気遣ってくれるでしょ?」


「.....そんなことあった?」


「だから、言ったでしょ?」


「よく、私のことを見てくれるのが嬉しいって。」


「私は自分のことを大切にしてくれる人と一緒にいたい。」


「ただ、それだけだよ。」


「......」


「でも最近は小春に迷惑かけてばっかだよ?」


「それに今だって.....」


「別に、これくらい何ともないわよ。」


「......」


「じゃあ、教室でも、抱き着いていい?」


「え~と。それは......」


「ダメ?」


「ほら!コンビニ着いたよ!」


「何か希望は?」


「特に......」


「じゃあ、イートインで待って。」


「......」


「離してもらえるかな??」


「学校遅刻するし、困るんですけど??」


「一緒にいた」


「一緒にいたいなんか、言わないわよね?」


「.....」


「はい。イートインまでは連れてくから。」


「......うん。」


小春は僕を置いて食べ物を買いに行った。


それでも小春は、すぐに買い物を済ませて戻ってきた。


「はい。ツナマヨとプロテインね。」


「ありがとう....」


「でも、なんでプロテイン?」


「ん?栄養あるからだよ。」


「あと、夕日は細いんだから、少しくらい、筋肉とかつけなさい。」


「.....不味い。なんか、粉っぽい。」


「も~。本当わがままね。」


「いや、普通はお茶とか買ってくると思うけど。」


「じゃあ、いいわよ。貸して。」


「え?」


「なに?私が飲むから。」


「.....間接キス。」


「!!!」


小春が飲むのを躊躇した。


「ちょっと、変な事言わないでよ!」


「.....そうだね。ごめん。」


「もともと、小春のものだしね。」


「.......」


「どうしたの?飲まないの?」


「やっぱ、夕日飲みなさい!」


「え!だって、これ不味いじゃん!」


「うるさい!彼女から貰ったもの飲まないわけ?」


「彼女からでも、こんなの貰っても嬉しくないし!」


「はぁ~?」


「これは、流石に小春に非があると思う!」


「ひどい!私は夕日の体を心配して買ってきたのに。」


「いい?タンパク質とらないと体は元気にならないの。」


「分かった?それなら早く飲んで!」


「......」


「......」


そんなことがあって。


僕たちは学校に遅刻した。

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