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【連載版】幸子48歳、異世界転生したら出産中でした!?~後妻だったので産んだ子も連れ子もまとめて可愛がります  作者: よつ葉あき


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21.幸子、布で物語をつむぐ


しばらくして、大きな箱を抱えた侍女が戻ってきた。


「えっ! 全部持ってきてくれたの? 絵本だけで良かったのに……」


……うん、私の指示の出し方が悪かった。


『私が作った“絵本”を持ってきて』

とだけ言えばよかったのに、


『私が“マナミのために作ったもの”を持ってきて』

なんて曖昧に言ってしまったから、侍女はこの半年間で私がマナミに作ったベビーグッズを、全部持ってきてくれたのだ。


こんなに大きな箱を、女の子が一人で運んできたなんて……。


「ごめんね、重かったでしょう?」


そう謝ると、侍女はすぐに笑顔を向けてくれた。


「いえ、ちゃんと確認しなかった私がいけないんです。

必要なものをお持ちするのが私の仕事ですから、気になさらないでください」


うう……子どもたちはもちろんだけど、この世界に来てから、いい子ばかりに出会ってる……!


──いや、一人を除いて、だけどねっ!!


私は箱の中から、小さな本を取り出した。


「それが本、なんですか?」


先生が不思議そうな顔をした。


「はい、本ですよ。ただ、紙じゃなくて“布”でできています」


「布!?」


言葉で説明するより、見てもらったほうが早い。

私は先生に布絵本を手渡した。


先生がページをめくる──。


そこには、私の手作りの、マナミの世界が広がっていた。


布を縫い合わせ、刺繍を施し、ボタンや紐、リボンも使った力作だ。


最初は普通の紙の絵本にしようと思ったのだが……赤ちゃん向けの厚紙がなかなか見つからなかった。


赤ちゃんって、どうしてあんなに紙をビリビリ破るのが好きなんだろうね。


一生懸命描いても、マナミにすぐ破られて、挙句に食べられて──。

ボロボロにされる未来しか見えなかった。


だから、またしても私のオタクスキルを発動!


若きころ、コスプレ衣装づくりで鍛えた裁縫スキルを駆使して、布絵本を作り上げたのだ!


無言で布絵本を見つめていた先生だったが、やがて顔を上げた。


「これ……、すごすぎます……!」


ページをめくるたびに、先生の声が震える。


「あえて文字がないんですね!

普通の絵本と違って、これなら……赤ちゃんは紙を破るのが大好きですし、すぐ口に入れてしまったりしますが、これなら安全で、しかも布だから洗えて衛生的ですっ!

さらに、ボタンを触ったり、リボンや紐を引っ張ったりすることで、五感の刺激にもなります!」


興奮しながら布絵本をめくっていた先生だったが、ふと動きを止めた。


「ところで──その箱の中には、まだ何かありますよね?」


先生の目が、キランッと光った気がした。


「えっ? まあ……入ってはいますけど、教育に役立つようなものは、あまり……。

これはマナミのためというより、私や乳母が子育てを楽にするためのベビーグッズで」


だから、見ても面白くないと思いますよ?

そう続けようとしたが、先生は言った。


「ぜひ見せてください! 全部っ!」


先生の勢いに押されて、私は思わず苦笑した。


「わ、わかりました。でも、本当にたいしたものじゃないですよ?」


そう言いながら、私は箱の中に手を伸ばした──。



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