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【連載版】幸子48歳、異世界転生したら出産中でした!?~後妻だったので産んだ子も連れ子もまとめて可愛がります  作者: よつ葉あき


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20.幸子、カブを抜いたそのあとで


「いやぁ、面白かったです! いつの間にか、私まで夢中になってしまいました」


紙芝居のお披露目が終わり、先生はお茶をひと口飲むと、顔を輝かせながら言った。

その表情が、まるでユリカちゃんのようで、思わず笑ってしまった。


「……ふふふ、ありがとうございます」


「子どもたち、みんな本当に楽しそうでしたね。

紙芝居を先に見せてもらったときも面白そうだと思いましたが、実際は想像以上でした!」


先生はそう言って、嬉しそうに笑った。


紙芝居の中の“ゆりかちゃん”になりきって感情移入していたユリカちゃん。

あまり自己主張が得意ではないけれど、一緒に大きな声を出していたシンイチロウくん。


そして、先生が一番驚いていたのは──マナミの反応だった。


「まだ赤ちゃんのマナミちゃんにとっては、この物語は少し難しかったかもしれません。

でも、お姉ちゃんが楽しそうにしているのを見て、お兄ちゃんのお膝の上で体を揺らしながら、マナミちゃんまで楽しそうにしていました」


先生の言葉を聞き、私も先ほどの光景を思い出す──


最後、紙芝居が終わり、余韻に包まれる中、ユリカちゃんがマナミに笑いかけた。


「マナミ、ありがとう! “まなみちゃん”がいっしょにやってくれたから、カブ抜けたよっ!」


そう言って、マナミをぎゅっと抱きしめた。

マナミはお姉ちゃんと、もともと後ろから支えてくれていたお兄ちゃんに挟まれ、声を上げて笑っていた──。


「このお話……大筋は、ただカブを抜くだけの、なんてことのない話ですが、

ひとりでは難しいことも、みんなで力を合わせれば成し遂げられる。

そして、最後にあえて一番力のない“まなみちゃん”を呼んだのは、『小さな力も大切だ』ということを伝えたかったのではないですか?」


先生はそう言って、私に微笑みかけた。


私はにっこりと笑顔を返した。


さすがは先生。この物語の“ねらい”に、すぐ気づくとは。


私の笑顔を見て、先生は拍手をする。


「本当に素晴らしすぎますよ。ただの物語に、こんなにたくさんの“ねらい”を──様々なメッセージを込めるなんてっ!」


「えっ? あー……それほどのことでもないですよー。ははは……」


最初は絶賛されて嬉しかったが、あまりの賞賛に後ろめたくなってきた。


……だって、このお話。ほぼパクリだもん。


元々はたしか、ロシアの民話だ。

オリジナルだと、おじいさんがカブを抜こうとして、おばあさん、孫、何匹かの動物たちと協力するお話……だった気がする。


そして、赤ちゃんの“まなみちゃん”ではなく、最後はネズミの協力によってカブは抜けたのだ。


まあ、いっか。それは、幸子が生きた異世界の話なのだ。

私以外、誰にも分かりはしない。


そう思いながら、湯のみへと手を伸ばした。


「……あの、もしかして」


コソッと内緒話をするように、先生が聞いてくる。

なんだろう? と思っていると、先生が口を開いた。


「紙芝居……もしかして、マナミちゃん用もあるんですか?」


「紙芝居はありませんが、絵本ならありますよ」


「ええ!? 本当にあるんですか?」


先生がキラキラした目で、私を見てきた。

その顔には「見たいなぁ。見せてほしいなぁ」と書いてあるようだった。


私は先生の勢いに押され、笑いをこらえながら侍女に声をかけた。


「悪いけど、私の部屋から──


“私がマナミのために作ったもの”を、持ってきてもらえるかしら?」



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