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【連載版】幸子48歳、異世界転生したら出産中でした!?~後妻だったので産んだ子も連れ子もまとめて可愛がります  作者: よつ葉あき


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18.幸子、カブに願いをこめる


──ユリカちゃん用の紙芝居。


紙芝居は、内容はまだちょっとマナミに早いけれど、いっしょに見てもらえるように、なるべくシンプルな絵で、わかりやすく描いた。

人の顔を描くなら、写実的なものではなく、丸を基本とした──某・愛と勇気だけが友だちの正義の味方のような、単純な顔にした。


そして、ユリカちゃんに楽しんでもらうために、「参加型」に……。


「ここなんですけど、みんなでカブを抜こうとするんです。

『うんとこしょ、どっこいしょー!』って」


紙芝居を読むように、私はカブを抜く動作をしながら、抑揚をつけてセリフを言った。

先生がびくりと驚く。


私はにやりと笑いながら続けた。


「今の『うんとこしょ、どっこいしょー!』を、私だけじゃなく、子どもたちにも一緒にやってもらうんです」


先生は、その光景を思い浮かべたのか、目を輝かせて紙芝居に見入った。


「なるほど……参加型なら、小さな子どもたちも、もっと夢中になれそうですね」


「はい、そうなんですっ!」


私は頷き、続けた。


「この紙芝居は、わが家オリジナルなので、最初に“ゆりかちゃん”がカブを抜こうとするんです。

『うんとこしょ、どっこいしょー!』

──でも、ゆりかちゃんひとりの力では、カブは抜けません。


そこで、ゆりかちゃんはしんいちろうお兄ちゃんを呼びに行きます。

ふたりで『うんとこしょ、どっこいしょー!』

それでも、カブは抜けません」


紙芝居から顔を上げると、真剣な表情の先生と目が合った。

私はにこりと微笑み、話を続けた。


──そのあとの展開は、こうだ。


ふたりでも抜けなかったので、今度はみれいお母さんを呼んできて、三人で挑戦。

それでも抜けず、今度は侍女さん、さらにやよいさん、そして──先生。


「えっ! 私ですか!?」


「はい、先生も!」


私は笑顔でうなずいた。


そして、最後に呼ばれるのは──小さなまなみちゃん。


みんなで力を合わせて、

『うんとこしょ、どっこいしょーっ!』


そうして、カブはやっと抜けた。


「おしまいっ! です」


私はそう言いながら、最後のページを見せた。


先生はぱっと顔を上げ、そして、ぱちぱちと拍手をしてくれた。


「……素晴らしい! とても面白かったです」


「ありがとうございますっ!」


先生はしばらく紙芝居を見つめ、名残惜しそうにページをめくったり、もう一度最後のページを眺めたりしていた。


「この紙芝居、本当にいいですね……。

ユリカちゃんにぴったりだと思います。特に最後のページの絵は──。

ああー、実際に子どもたちがどんな反応をするか、見たいなぁ」


「……だったら、見ていかれます?」


「えっ? いいんですか!?」


もともと、先生が帰ったあとに、さっそく三人に披露しようと思って準備していた。

それに──


「もちろんです。

紙芝居は、観客が多いほうが楽しいんですよ」


私は先生と顔を見合わせると、にっこり笑って頷いた。


「じゃあ、準備しますね!」


まあ、準備といっても紙芝居は手元にあるわけで──観客である子どもたちを呼んだら、準備完了だ。


ユリカちゃんが、シンイチロウくんの手を引きながら、パタパタと駆け寄ってきた。


「お兄ちゃん、はやくーっ!」


「ユリカ、そんなに急ぐと転ぶよ」


そんな会話をしながら、紙芝居を持つ私の前に座った。

そして、乳母が連れてきてくれたマナミを、シンイチロウくんが受け取り、そのまま膝に座らせた。


最近、お座りができるようになったマナミ。

そんなマナミの定位置と化している、シンイチロウくんの膝。


(本当にやさしいお兄ちゃんだわ)


と、微笑ましく子どもたちを見つめながら、私は大きな声で言った。


「はい。今日は新しい紙芝居です」


「えっ! 新しい紙芝居!?」


紙芝居大好きなシンイチロウくんは、青い目を期待にキラキラさせた。


私はにっこりと笑ったあと、息を大きく吸い、紙芝居をはじめた──。




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