表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【連載版】幸子48歳、異世界転生したら出産中でした!?~後妻だったので産んだ子も連れ子もまとめて可愛がります  作者: よつ葉あき


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

11/38

11.幸子、紙芝居を披露する


「では、はじめるわよ!」


私はにっこりと微笑みながら、紙芝居の一枚目をそっとめくった。


──むかしむかし、あるところに。


とてもかわいい『ゆりか』という名のお姫さまがいました──。


「えっ! 『ゆりか』? ユリカと同じ名前だ!」


「うん。ユリカちゃんと同じ名前の、とってもかわいいお姫さまだよ! じゃあ、話をつづけるね」



ユリカちゃんは目を輝かせ、食い入るように絵を見つめていた。

シンイチロウくんも、最初は少し緊張していたけれど、今では夢中になっている。


一枚、また一枚と、物語が進むごとに、二人の顔がくるくると表情を変えていく。



──そして、ゆりか姫が魔女に呪いをかけられ、眠りについた時、ひとりの勇敢な騎士──『しんいちろう』が立ち上がりました。



「『しんいちろう』!? 今度はお兄ちゃんと同じ名前だね!?」


「……う、うん」



そんな会話をする二人を、見守りながら私は紙芝居を読み進めた。


ゆりか姫を救うために、森をさまよったり、魔物を倒したり──


はらはらする展開に、ユリカちゃんは「しんいちろう、がんばれ……っ!」と小さな声で応援し、シンイチロウくんも真剣な顔で。でも、目をキラキラ輝かせて紙芝居に見入っていた。


(やっぱり、紙芝居で正解だったみたいね……)


私はある確信を得ながら、物語がクライマックスへと進んで行った──。



そして魔女が倒され、ゆりか姫は目を覚ましました。騎士・しんいちろうにより、王国は平和を取り戻したのでした──。



「おしまいっ!」



最後の一枚を見せると、ユリカちゃんがぱちぱちと小さな手で拍手した。


「すごい! たのしかった!」


「うん……すっごい、おもしろかった……!」


シンイチロウくんは頬を染め、はっきりとそう言った。


「ありがとう、シンイチロウくん、ユリカちゃん。二人がちゃんと聞いてくれて、私もすごく嬉しかった」


私は紙芝居を抱えたまま、聞く。


「──ちなみに、シンイチロウくん。どの辺が面白かった?」


「えっ!? えーと……騎士がライストリューゴーン族のホメロスと対峙して、蛇のような魔物のゴルゴーン、ステンノー、エウリュアレーを倒したところが、すごいと思った!」


ぽかんと、シンイチロウくんを見つめるユリカちゃん。


「お兄ちゃん、すごーい! 魔物の名前おぼえてるの?」


「え、うん……」



──やっぱり、私の考えは正しかったようだ。


この紙芝居の大筋は、幸子が昔読み聞かせた絵本を参考にした。

でも、ライストリューゴーン族やホメロスなんて、子ども向けには絶対出てこない名前を私はあえて入れた。


ちなみに、この紙芝居に出てきた名前たちは、私が大学生の頃にハマって同人誌を描いていた『ロボット戦隊・ギリシアシンワーン』こと略して『ギリワン』の登場人物からいただいた名前だ。


ギリワンは登場人物が、ギリシア神話から忠実に再現されており、その人物名は本当のギリシア神話から取られてるので、名前がやたら長い人が多い上に覚えにくい。

私も同人誌を描くにあたり、間違えないように原作を何度も読み返し、その名前の覚えにくさにイライラした記憶がある。


大学生だった幸子でさえ、なかなか覚えられなかった名前。それを、八歳のシンイチロウくんは1回聞いただけで完璧に覚えたのだ。


やっぱりこの子、暗記力が凄い。だからやっぱり──


「──ねぇ、シンイチロウくん。この紙芝居、今度は君が読んでみてくれないかな?」


「えっ!?」


私の言葉を聞いた瞬間、シンイチロウくんの表情がこわばり、顔色がさっと青ざめた。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ