水の祠
※朔夜視点
光がおさまり、そっと目を開けるとそこは一面、雪景色だった
「寒っ!!?」
なんだよ、洞窟の外と正反対かよ!
今は春だろ!?
だけど、帰って来ないってのはなんでだ?精霊が人を殺すわけないし…
それとも、ここにくるには条件があるのか?
立ち止まって考えていると時々冷たい風が吹く
風で身が凍りそうだ…
とにかく暖を取れる場所を探そうと足を進めて行くと傍に木箱があるのが目についた
不思議に思いそっと近づき手を伸ばしたところで手を止めた
「罠、じゃないよな?
ミミック…も、いないよな??」
どうにでもなれ、と開けると中には防寒具が入っていた
「……有難いが…、前に入ったやつが置いて行ったのか?」
…それは無いか。だとしたらこんな綺麗な状態なわけないもんな
とりあえず寒かったため、上着に手を通した
そこからまた、しばらく歩くと今度は氷でできた祠が見えてきた。
「これ、全部氷なのか?
すごいな…細かい所まで綺麗に作られてる」
祠の周りを一周し氷で作られてる祠を観察した
細かく見ていくと、洞窟内でみた模様が描かれている氷を見つけ、それに触れると小さな光と共に妖精らしきものが姿を見せた
「「……」」
互いに目があったまま動けずにいると最初に口を開いたのは妖精だった
『あ!お客様ですね!
久々過ぎて、幻覚でも見たかとおもいました!』
…素直だな、こいつ
『私、ウンディーネ様にお仕えしているリアと申します。
ウンディーネ様と契約できた方は何名かいますが、貴方みたいな雰囲気の方は初めてですね』
「そうか。
リア、聞くがここに招かれる条件があるのか?」
『貴方は賢い方なのですね。はい。その通りです
洞窟内の模様がココへと繋がっています。シルフィード様、ノーム様、サラマンダー様、そしてウンディーネ様
皆様、それぞれ違う模様が描かれています。
心が綺麗な方ならば、祠のある場所へ、悪しき心を持つならば裏へ飛ばされます。
また、魔力に比例し、弱ければ洞窟内に取り残されます』
リアが説明してくれた事により、謎もとけた
「つまり、帰って来ないってのは裏側に閉じ込められ、帰って来た奴は洞窟を通れない又は、ここまで来たが契約ができなかったって事か」
『素晴らしいです。』
パチパチと手を叩き、俺が簡潔にまとめた事を賞賛した
『ですが、裏にもずっと閉じ込めているわけではなく、一部の記憶を消してしばらくしてからお帰りいただいています。
あ!お引き止めして申し訳ありません、ウンディーネ様と契約を望むならどうぞ、召喚をして下さい。
姿を現せば、後は認めてもらうだけですよ』
そういうと、リアは俺から離れた所へ移動した
認めてもらう、ね…
とりあえず、召喚だ
「“清漣より出でし水煙の乙女よ、我、汝との契約を望む者なり。
我が声の許にその姿を示せ!
ウンディーネ!!”」
召喚呪文を唱え終えると俺の目の前に小さな渦潮と共に精霊が姿を現した
『…私を呼び出したのは貴方かしら?』
「ああ、そうだ。
お前の力を貸して欲しい」




