風の祠
『』が精霊になります。
※翔歌視点
「な、なに!?」
目を開けるとそこは一面、桜色だった
「へ?そ、と?」
ーな、なんで?今まで洞窟の中だったのに!?
それに、桜……。こんなに咲いてるところ近くにあったかな?
そもそも洞窟の外でも一面、緑しか見てない…よね?
辺りを見渡しても、洞窟らしきモノは見当たらない
どうするべきかを考えたけど戻る事はできないと思い、先に進む事にした。
風に聞こうと思っても、ついさっきまで聞こえていた精霊たちの声が一切聞こえず、混乱するが思考を切り替えた。
「と、とりあえず歩こう!」
しばらく歩いてみると、目の前に祠が一つ見えてきた
「わぁー、綺麗な祠」
祠をじっと見ていると、洞窟にあったものと同じ模様があった
「あれ?この模様…、洞窟で見たのと一緒?」
翔歌が再度その模様に手を伸ばし、そっと触れると先程の光とは違い柔らかい光が灯った
その光に驚いて翔歌は尻餅をついてしまう
「きゃっ!?」
『わぁ!久々のお客様です!』
「………へ?」
私の目の前には小さな精霊がいた。
そして、座り込んだままの私の周りをくるくると飛び回っている。…それも、嬉しそうに
え、何?何が起こってるの?
「……だ、れ?」
『私ですか?私はシルフィード様の使いです!』
私の顔の前でピタっと止まると精霊はそういった
「…」
え、ほんとに、だれ…?
使い??
突然の精霊の登場で忘れていたがある事に思い至る
あれ?いつ呼び出したっけ?
私、召喚呪文唱えてない…よね?
…あれ??
『あ。私はあの模様に触れたら出られるようになっているんですよー』
小さな指で祠の模様をビシッと指差す精霊
「へ、へぇ」
私の疑問に答えてくれた精霊に聞いてみる事にした
「あなた…名前は?
あるなら、教えてくれる?」
『私は、フィルアと申します
フィルとお呼び下さいな♪』
にっこりと微笑んで、精霊…フィルはそういった
……えっと…私達、四大精霊に会ってみようと探しに来て…、それから、光に飲み込まれたよね?
それに、あの祠ってもしかして…!
「あの、フィル?」
『はい!』
朔夜くんの言った“祠が重要”の言葉を思い出して目の前の精霊に聞いてみることにした
「私、シルフィードと契約したいの!」
「では、召喚呪文を唱えてください。貴女に力があり、シルフィード様が気に入れば姿を現してくださいますよ」
そういってフィルはにっこりと微笑んだ。
ーー気に入る?
え、気にいればっていった?この子…
まぁ、とりあえず召喚してみよう
私は、深呼吸をし心を落ちつかせ、再度祠の前にたった
フィルは相変わらず、私の頭上をくるくると飛んでいる
大丈夫、落ち着いてそれを唱えるだけ。
落ち着いて、おちついて…
「“三界を流浪する天の使者、風の精霊よ、我、汝との契約を望む者なり。
我の声に応え、その姿を我の前へ示せ!シルフィード!!”」
祠に向かって両手を伸ばしながら呪文を唱え終えると、一陣の風が吹いた
その風を受けて目を閉じた
『…私を呼んだのは貴女?』
目をそっと開けると、そこにはふわふわと浮かぶ精霊がいた
「えぇ。私よ?」
『へぇ!すごい!私を召喚する人なんて何年振りでしょう!
二百年振りぐらいでしょうか??』
に、二百年っ!?
フィルとは違い、私の周りをふわふわ、クルクルと飛びながら私を見る
シルフィードが通った後は心地よい風が体を掠める
『決めました!
私、貴女が気に入りました!』
「…へ?」
きにいった…?
私の周りを何周も回った後、ピタッと目の前で静止した精霊シルフィードは、私の事を“気に入った”とだだそれだけ言った
『はい!私、貴女が気に入ったので貴女と契約します!』
「…はぃ?」
突然の事で話についていけない…
なんだろ、すごく話が進んでる気がする
…いや、かなり進んでるよね?
確かに、私は契約したいと思って祠を探しにきてるけど…
だけど、こんな形でいいの!?
『あれ、どうしました?』
シルフィードは、心配そうに私の顔を覗き込んで見てくる
「そ、そんな簡単でいいの!?」
『大丈夫!!』
…大丈夫なの!?
即答したシルフィードに不安が増していく
「だ、段取りとか…」
『私が気に入れば大丈夫です!』
両手を腰に当てて胸を張るシルフィードに表示が引き攣る
ーー予想以上な対応すぎて、私は何も言い返せなくなってしまった
はぁと息をはくと、私はシルフィードを改めて真っ直ぐに見る
「本当にいいの…?」




