魔物の襲来と討伐
「あー、でも制御装置外せたらもっと楽だったかも?」
「リミッター?んなものつけてるのか」
「着けてるよ。」
ほら、と襟を軽く捲り首元を見せると黒くて細い首輪のようなものが付いているのが見える
「なんで、そんなもの…」
「……天空の人に聞いてみたら?」
朔夜の返しに言葉に騎士達は、天空の人達へ話を聞こうと振り返ったが誰一人目を合わせようとなかった
「…大丈夫。あいつらは死なないよ
ただ、邪魔したら危ないから」
そう制する朔夜だが、動揺は治らない。
ただ、極一部の人達にとっては、化け物扱いを受けている4人がどうなっても構わないと思い傍観している
「さあ!始めようか!!」
「本当、楽しそうだな…お前」
「だって、魔物と戦うなんて久々だもの!」
「…久々!?え?どうゆうこと!?」
煌牙が驚き亜希羅に聞こうとするがすでに魔物に斬りかかっていて返事は返ってこない
「しょーかぁ……」
「えっと…。あとで話すね
ほら、今はアレを何とかしなきゃ。
味方は全員、朔夜くんが守ってくれてるし」
翔歌なら知ってるかと振り返って解答を求めるが濁らせてしまう
「そう、だな…」
煌牙も前に走り出すと、翔歌は杖を構え、何時でも攻撃ができる体制を整える
「煌牙!右からいって、僕は左!」
「わ、わかった!」
地を蹴ると二人は左右へ跳んだ
そして、亜希羅は剣に炎を灯し、煌牙は詠唱をしながら回り込む
「“大地に眠りし力よ、我が声に従い彼の者を貫く槍となれ!
ストーン・ランス!!”」
煌牙の手元に数本の土で出来た槍が出現し、それを魔物に向かって飛ばした
「っやぁ!」
亜希羅は、炎を灯した剣で斬りかかったがあまり深く無かったようで傷は目立たない
「っ。ダメか…」
「うわ…俺の魔法、ほぼ意味なしかよ……」
煌牙も軽いダメージを与えるが一撃では意味があまりなかったようで、一部が崩れただけで再生してしまった。
「それなら!
“風よ、我が敵を切り裂く無数の刃となれ!
ウィンド・エッジ!”」
翔歌の詠唱が終わると同時に二人は後ろへ跳んで回避する
「んー、翔歌ちゃんの風でもダメか…
よし、それなら!」
風でも枝を払うほどでダメージは多くないのを見て、亜希羅は名案とばかりに口角をあげると力を集中させ先ほどよりも強い炎を剣に灯す
「“灼熱の業火よ、鐵に纏え!”」
言葉と共に剣が纏っていた炎の威力が格段に上がる
「さぁ、鐵、楽しんでこようか」
剣に語りかけてから亜希羅は地を強く蹴った
何度も休みなく攻撃箇所を変えながら斬りつづける亜希羅。
たまにできる隙は翔歌や煌牙が援護をして埋めるがほとんどその必要がなくなってきた
親玉を亜希羅がメインに。周囲にいる小型は翔歌や煌牙が討伐し、撃ち漏らしてしまった物は後方で騎士達が殲滅してくれていた。
敵陣方面に逃げていった小型に関しては2人ともカバー出来るほどの余裕はなく「そっちは知らん」と追う事はせず、対峙していた範囲で小型の姿が見えなくなると一息ついた。
「なぁ、これ、もう俺ら援護の必要なくない?」
「んー…どうだろ
たまに危ない時あるし…」
「でも、なんか最初より火力上がってるし、近づいたら俺もろとも切られそう」
「……だよねー」
翔歌と煌牙が亜希羅から離れた所で攻撃方法を相談していると、亜希羅が一言もらした
「…もう、遊ぶの飽きちゃった」
「はあ!?」
「へっ!?」
いきなりの発言に翔歌と煌牙は空いた口が塞がらなくなる
「これで、終わり!」
そう、叫びニヤリと口角をあげると剣を一振りして振り返り笑顔を亜希羅は見せた。振り返ったと同時に魔物は煙のように姿を消した
「「…え?」」
「おわったよー」
「「えぇぇーー………」」
笑顔で振り向く亜希羅に対して二人は固まったまま動けない
「どうかした?もう終わったよ?」
魔物が消えた後から回収した魔石を持って2人の前にくる亜希羅
「「…あ、うん」」
いきなり終わった戦闘にまだ頭がついていかない翔歌と煌牙
そして、後方にいた朔夜はいきなり魔物が消えた為、意味がわからずに首を傾げている
「あ、れ?…終わった?なんで?」
「まさか…本当に子どもだけでアレを倒すとは」
「さすがは四大元素使いってとこだな…」
魔物戦から戻ってきた3人に朔夜はわけを聞くが、亜希羅は満面の笑み、翔歌と煌牙は深いため息をついただけだった
「たのしかったー♪」
「「…はぁ」」
亜希羅は途中から魔物を倒せたにも関わらず楽しんでいたらしいことは朔夜も何となく察したがわけがわからない
「だから、何があったんだよ!?」
この後も朔夜は結局「亜希羅ちゃんが楽しんでただけだよ」以外には教えて貰えず、諦めるだけだった
魔物の正体は、トレントの上位種だった。寒冷地に迷い込み、そこで長年討伐されず擬態したままだった所を戦火に見舞わられ、目覚めさせてしまった。魔力が宿る土地だったためか擬態で眠っている間に成長して、実り、その種から仲間が増殖したのだろう。
そして、目覚めて混乱している最中だった為、大きな被害なく倒せたのだろうと結論が付けられた。




