戦地にて3
煌牙視点
亜希羅と別れてから、俺も自分の持ち場に着いた
「…なぁ、大地使い」
「なに?」
「お前の魔法は広範囲だったな?」
「一応…」
「だったら、敵が見えたら一気に攻撃してくれ」
「…いいのか?」
俺はまだ、コントロールが不安定な時がある。
味方に攻撃が当たる危険もある、訓練してる時は朔夜が防御魔法を使って防いでくれていて、最終的には朔夜の防御魔法無しでも周りに被害は出なくなったが…
「いいのか、ってやってもらわなきゃ困る。こっちの戦力をあまり失いたくないからな…
防御の方はするからやれ」
「外してもいいなら、わかった」
そして、敵が見えたときに味方が指示を出してくれた
「“大地に眠りし力よ、我が声にて目覚め、地表を震わせよ!!
アース・ブレイク!”」
両手を地面につけ、地震を起こす
敵の動きが止まると兵達が次々に斬りかかっていった
俺もそれに続いて攻撃にうつった
子どもの俺に驚いている人達もいたがその隙をついて攻撃を仕掛ける
「意外に戦力が削られたな…
一旦引くしかないか?」
「引いちゃダメなのか?」
「ここで引けば、好機とみて攻められる可能性もある。
…援軍が来ればありがたいんだが…」
「凪が気付いてくれれば、来てくれるんじゃないか?
怪我してる人、いっぱいいるし」
「風使いなら本陣で救護中だろう?それに、情報を集めて伝達するなら本陣を離れられないだろ」
「“守り”だけなら、湊がいるし、情報なら伝達方法が他にもなくはないんだよな…
ただ、この術を使える人が何人いるのか分からないのと、相手にその術が読める人がいた場合はバレちゃうんだけど」
「その方法とは?」
「この紙に言葉を魔力で書いて、届ける相手の魔力に向けて飛ばすだけ」
「…初めて見るな。
おい、誰か知ってるか?」
リーダーである騎士団所属の男性が周りの人達に聞いていたが知っていたのは、俺と同じ天空に属する2人だけだった
「あれ、知らない人が多いんだ…?」
「当たり前だろう
使い方を知っていても扱えるのはごく一部しかいない。俺も受け取りはできるが送るのは無理だ。
お前はよく知ってたな?」
「俺は、陣さんに教えてもらったから」
扱えるまで1年くらい、かかったけど…。と言うと苦笑いされた
「大多数が扱えないんじゃ、そもそも無理だな。一度下がって戦略を練り直す必要がありそうだ」
そう判断されると全体に指示を出し後退した。
「(ん?あれ、なんだ??)」
視界の端で何かが動いたような気がしてじっと見てみたけど、何もなかった。
おかしいな…、動いたと思ったんだけどな。
あれ、あの木、あそこにあったか??
不自然な点を見つけた煌牙だったがその事は誰にも話さなかった




