戦地にて
亜希羅視点
「さぁて、楽しい時間の始まりよ!」
「…これの何処が楽しいんだよ」
僕の言葉に煌牙が突っ込むが気にしない。
だって、本当に楽しそうなんだもん
「まぁ、いいけどさ
俺はお前が怪我するなんて思わねぇし」
「とうぜん!」
「はぁ…
怪我したら、翔歌、怒ると思うけど?」
「…そうならないように頑張る」
僕達は別の班だから、ここで別れた。
まぁ、いざとなったら魔力全開で焼き尽くしてやる
そう心の中で呟いた
「炎使い」
「焔だよ。僕の名前、炎使いじゃなくて、焔って呼ぶようにしたんでしょう?上からの通達で」
火使いって呼ばれるのは嫌い
「……焔」
「うん。
で、なに?」
僕が名前がいいと言っても僕達の事を嫌いな人は“炎使い”から変えてくれない
でも、“化け物”って呼ばれないならまぁ、いいやって思ってる
「お前の能力は見てないから分からない、だから、最初はお前が出ろ」
「はーい
なら、邪魔しないで?
僕の間合いに入って怪我しても助けないよ」
「…わかった」
誰にも邪魔されないのは嬉しい。
僕一人で何処までできるのかもわかるし、あの人達にも認めてもらうんだ。
まだ子どもだけど、足手まといなんかじゃないって、嫌でも認めさせてあげる!
敵が目に見える位置に来たとき、僕は先陣切って走り出しながら愛剣を手元に出す
「“我の意に従え!”いくよ、鐵」
致命傷を与えない程度に相手を斬っていく後ろで同じ班の兵達も戦い始めた
ある敵の前にでた時にこんな事を言っていた
「こ、子ども!?なんで子どもがこんな所にいるんだ!?」
「それは、僕が強いからじゃない?」
そう返して攻撃をした
「っ!く、そ!」
武器ではなく、手に小さな光が灯りそこから木が生えた
「甘い!まだまだっ!」
剣に火をまとわせ相手の攻撃を返す
木は瞬く間に燃え、灰となった。
それから、あまり時間が経たないうちに敵兵はいなくなった。
一時撤退と声が響き、敵は引いていった。
味方にも怪我人はいたが死者は一人も出ていない。まぁ、相手はどうか知らないけどね…
まだ終わってないとそう味方の兵が言った。
“頭を捕らえるまでは終わらない”と
「ねぇ、あの人達追わなくていいの?」
「深追いしてこちらの戦力をわざわざ減らさなくてもいいだろう
それに、この先に罠が無いともいいきれない」
「じゃあ、この辺りに残党兵いないか探すとか?」
「いや、それもやらなくて大丈夫だ。周囲に問題ないか確認しながら本陣に戻って状況報告しにいく」
「りょーかい」
後退準備を始めた騎士団達の様子を見ながら周囲をぐるっと見回した時に一瞬何かが動いたのを視界に捉えた
「ねぇ、あそこ、何か動いたけど」
「ん?…何もないが?」
そんなはず…、と亜希羅がまた周囲を見ても“何も変化はない”
「…あれ?見間違えた?」
「遊びじゃねぇんだから、変なことを言って大人を揶揄うな。
行くぞ」
そう言われた亜希羅はムッとした表情をしたがいい返さずに従って後退をした。




