第十七話 二年後の祝福
本日も読んでいただきありがとうございます。
もし楽しんでいただけましたら、ブックマークや下の★から評価をいただけると励みになります。
王城の舞踏会場。
高い天井。
巨大なシャンデリア。
貴族たちが静かに並んでいる。
この場所は、二年前。
聖女召喚が行われた場所だった。
そして今。
同じ舞台の上に、王が立っている。
一段高く設けられた舞台。
そこには王族と、そして聖女がいた。
国王はゆっくりと会場を見渡した。
そして声を響かせる。
「偉大なる初代聖女の御意向により」
静かな空気が広がる。
王はこの国の王であり、同時に聖女信仰の法王でもある。
宗教的儀式を執り行う立場でもあった。
王は続ける。
「当代聖女、小鳥遊美咲
我が息子、王太子ヴァレリウスと
結婚する運びとなった」
会場から祝福のざわめきが起こる。
王太子が前に進む。
そして聖女の前に立つ。
ヴァレリウスは静かに誓った。
「偉大なる初代聖女に誓い
私は当代聖女を守る
命の限り」
美咲はまっすぐ頷いた。
そして言った。
「聖女として
この国を守ります
祈りと歌をもって」
舞踏会場に静かな感動が広がった。
舞台の後ろ。
ブライズメイドとして、フロレンスが立っていた。
妹のような存在。
親友の結婚を見守っている。
反対側には王族席がある。
第二王子セドリック。
その婚約者。
第三王子と婚約者。
そして。
ルシアンとミレイユ。
ルシアンは十四歳になっていた。
二年前とは見違えるほど背が伸びている。
黒髪。
紫の瞳。
王家の特徴をそのまま受け継いだ少年。
そして。
ルシアンはふと気づいた。
ミレイユの方を見る。
若草色の髪。
穏やかな笑み。
目線が。
同じ高さだった。
ルシアンは少し驚く。
(あ)
背が伸びた。
その事実が嬉しかった。
ルシアンはまだ。
ずっと。
ミレイユに恋をしていた。
(いつか)
ふと思う。
(僕たちも結婚するんだ)
自然にそう思っていた。
婚約者だから。
未来は決まっている。
その想像に、思わず口元が緩む。
ルシアンは少しにやけてしまった。
その様子を。
ミレイユは隣で見ていた。
そして静かに思う。
(大きくなったわね)
二年前はまだ少年だった。
けれど今は。
少しずつ、大人に近づいている。
ミレイユは微笑んだ。
自分の婚約者の成長を。
少し誇らしく思いながら。
ここまで読んでいただきありがとうございます。
もしミレイユやルシアンの物語を楽しんでいただけましたら、ブックマークや評価をいただけると励みになります。




