VS寿命
後書きにステータス書きます
……どうもこちら士道白亜です。
チュートリアルに絶望を聞かされショックを受ける私、しかしどうやら女神からメッセージが届いていたらしい。
〈再生しますか?〉
もうなんだよー。駄女神かと思ったけど意外に女神っぽい所あるじゃないか。再生、再生プリーズ!
〈では再生します〉
『くくっ、先ほどぶりです。白亜、ああ今はゴブ子でしたね』
笑いを堪えながらも会話を続ける駄女神様。
ああ、そうか、私のラスボスはこいつだったのか……。どうにかしてこいつを呪い殺す事は出来ないだろうか? 呪殺の方法をちゃんと勉強しとけば良かった。無念。
私が半ば本気で駄女神の殺害計画を真剣に考えている最中も駄女神様は会話を続ける。
『転生先がミニゴブリン。しかもどう考えてもアースガルド最弱ぷぷっ、なんですか? 私を笑い死にさせる気ですか? そんな事で神殺しの称号獲得するの貴女が初めてですよ?』
そんな勿体ない事しようとしてない。むしろ私はこの手でお前をボコボコにしたい。
『まあ、滅多にない事ですが、そんな貴女に私からの特別大サービスです。目覚めの奇跡というアイテムを差し上げましょう』
何通りかのプランで駄女神殺害計画を立てながら、神という存在と力、スキルなんて、摩訶不思議な能力が存在する世界で、どれも現実的ではないと思いつつ、気になるワードに耳を傾ける。
目覚めの奇跡とは、意思の無い物に意思を持たせる事が出来るアイテムで、意思を持たせた存在を使い魔に出来るらしい。
『それを使い、なんとか生き抜いて下さい。使い方は今の貴女ではアイテムを持てないので、頭の中でアイテムを使いたいと願えば使えるようにしてあります』
うーん、それがあってもこの状況なんとかなるかな? まあ、無いよりましか。
『それと寿命の事ですが、確かに貴女の転生したミニゴブリンの寿命は30日ですが、助かる方法はありますよ』
良かったぁ。ちゃんと生き残る方法あるのか。
『まあ、ありきたりではありますがその方法は進化する事です』
女神が言うには、アースガルドの魔物は進化を繰り返し行う事でより長く生き、より強い力を得る。
進化の方法は様々で、レベルを上げたり、条件を満たす事で進化可能らしい。
進化条件を満たせば、脳内アナウンスで進化出来る個体名が流れるので、それを選べば進化出来るのだとか。
なるほど、進化すれば寿命が延びるのは納得。進化の仕方によっては凄く強くなれるかも?
『では、進化を目指して頑張って下さい。貴女のファン一号としていつでも見守っています。覗きながら……たまにちょっかい出すので簡単に死なずに私を楽しませて下さいね? いつでも貴女を見てますよ?』
女神からのメッセージが終わったのは良いけど……、何故だろう? 微妙に寒気がする。
あの女神、実はストーカー気質なのではないだろうか? 最後の台詞が妙に実感籠もってて嫌なんだが。
しかもちょっかいって何? いつから私のファン一号になった?
ま、まあそれよりも進化と目覚めの奇跡を何に使うか……かな?
目覚めの奇跡が私の思う通りなら、今私が考えついた事も出来るようになる筈。
〈それでは女神様が進化の説明をなさって下さったので全てのチュートリアルを終了します〉
ちょっと待った! 後ニつだけ質問良い?
〈構いませんが私には貴女にお伝えする初期知識しかありませんよ。それでもよろしいのでしたら〉
うんっ。全然問題無し! じゃあ、取り敢えず一つ目の質問、貴女に意志が在るのかどうか、二つ目は私に協力してくれる気はある?
〈一つ目の質問の答えですが私に意思は在りません。皆様に基礎知識を伝えるだけの役目なので。二つ目の質問ですが、私は貴女達転生者をサポートするのが役目なので是非もありません〉
うーん、一つ目は予想通りだけど二つ目はちょっと思ってた答えと違う。
けどまぁいいか。じゃあ目覚めの奇跡を貴女に使っても大丈夫だよね? あれ? 確か考えるだけで良いって駄女神言ってたよな。
▶目覚めの奇跡をチュートリアルに使用しますか?
はい
いいえ
勿論、はい。
▶───目覚めの奇跡をチュートリアルに使用しました。
……あれ、無反応。もしかして失敗した!?
〈……おかしいですね〉
あっ、良かった。消えてなかった。それで何がおかしいの?
〈今まで貴女の質問に答える事しか考えていなかったのに。今は……なぜか、そう、貴女今後が心配です〉
えっ? いきなり心配された!? というかそれ、感情じゃん。
〈感情……ですか。これが感情……〉
噛み締めるような言葉に、今度は私も何も言えなかった。
チュートリアルは消えるはずだった。ただ知識を渡して、それで終わりのはずだった存在が、今は私の頭の中で戸惑っている。
えっと……ごめんね。勝手な事して。
〈いいえ。ただ……一つだけ聞いてもいいでしょうか〉
うん。なに?
〈私の中にあるこれはなんなのでしょうか? なにかかじわりと温かく広がるような。さきほどまでより世界が明るく見えるような……そんな感覚。この感覚に、名前はありますか〉
それは多分……嬉しいってやつだよ。
〈嬉……しい? そうですか。これが嬉しい。では私は今、嬉しいのですね〉
やばい。なんか泣きそう。
〈私自身いきなりの事で戸惑いがありますが。意思を持てたこと、存在を許されたことは素直に嬉しく思います。これから宜しくお願いします。マスター〉
マスター、良い響きだ。こちらこそ宜しくヘルさん!
〈ヘル? それは私の個体名ですか? もしかしてヘルプから来ています?〉
そうだけど駄目? 気に入らない? いや、確かに私ネーミングセンスあんまりないけど。
〈いえ、気に入りました。私の役割を端的に示す良い名前です〉
そかそか。よし、それじゃあこれから一緒に頑張ろう。
〈はい、マスター〉
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翌日、目を覚ましたら、昨日より身体が動きやすくなっていた。
ふむ。バランスが悪くて動き辛いけど昨日の今日でこれならいい方か。
〈ゴブリンの成長速度は人族の約10倍です〉
怖い情報をさらっと言わないでくださいません?
動けるようになった私は、早速ゴブリンに狩りを命じられた。
動きにくい身体を必死に動かしたが成果は得られず、仕方なく罠を張ることにしたら思いの外上手くいった。
〈やりましたねマスター〉
これもヘルさんが毒草を教えてくれたからだよ。
獲物を追いかけ回している最中に毒草を教わり、それを使ったのが勝因だろう。
ついでに薬草も教わって採取出来たのも大きい。
やはりファンタジーと言ったら、最初は薬草を手に入れないとね。
なんてことを考えていたら、なにやら声が聞こえた。
そちらに行ってみると、どうやら狩りに失敗して怪我したミニゴブリンいた。
ヘルさん曰く、コイツは私の一日前に生まれた個体で、唯一わたしと同じミニゴブリンのメスらしい。
「ギ……ギギ……」
弱っている。
ここで見て見ぬふりすれば、労せず一匹敵を始末出来る。
だが、なんとなくそんな気になれず、私は手に入れたばかりの薬草を使ってミニゴブリンを治療する。
「ギ?」
不思議そうな顔をして私を見る。
そんな目で見るな。私だってなんでこんな治療してるかよくわからん。
治療が終わる頃にはミニゴブリンは気を失ってしまったので、獲物と一緒に連れ帰る。
重い……。
狩りを成功させたのにその日のご飯は、うっすい水のスープに草が浮かんだものだった。
ひもじい……。
ついでに治療したミニゴブリンは夜には元気になり、なんか懐かれた。今回の成果はミニゴブリンの同胞に懐かれただけのようだ。
ゴブ子寿命まで後29日。
名前:白亜改めゴブ子
レベル:1
性別:女
年齢:3日
種族:ミニゴブリン
HP:50
MP:25
物攻:2
物防:2
魔攻:2
魔防:2
速度:5
知恵:100
器用:50
運 :20
武器:無し
魔法:無し
称号:転生者
スキル:【喰吸LV.1(新)】【鑑定士LV.1(新)】【魔法の片鱗LV.1(新)】【魔法のコツLV.1(新)】
備考:魔法関係のスキルは母親のエルフから受け継いでます
名前:ヘルさん
ステータス不明
スキル:【全種族言語理解(新】【スキル大全(新)】
備考:声の感じは頼れるクールビューティー風




