Room
少しの間1日1投稿にさせてもらいます、本当にすみません。目の前に段ボールが山積みで絶望してます…
話は変わって500pv超えて600弱ありがとございます、引き続き厳しいコメントから温かいコメントまで募集中です!みなさまいつも読んでくださりありがとうございます。
静かだった。
現実の部屋。
音が、ない。
唯は、ベッドに座っている。
制服のまま。
カバンが、床に置かれている。
揺れていない。
何も、動かない。
スマホの画面。
光っている。
通知。
増えている。
同じ内容。
違う言葉。
でも。
意味は、似ている。
開かない。
見ないようにする。
でも。
視線は、そっちに行く。
少しだけ、触る。
開く。
見てしまう。
『インキャなんだよね』
短い言葉。
それだけで、十分だった。
胸の奥が、少しだけ重くなる。
スクロールする。
止まらない。
『配信と違うじゃん』
『無理してたんだ』
閉じる。
すぐに。
画面を伏せる。
息を吐く。
何も、出てこない。
ただ。
静かに、重い。
ふと。
視線が動く。
カバン。
ついているもの。
緑とピンク。
揺れていない。
「……」
手を伸ばす。
少しだけ、触れる。
そのまま。
何も言わない。
部屋の外。
小さな音。
誰かの足音。
遠い。
関係ない。
スマホが、震える。
一瞬だけ。
止まる。
画面を見る。
表示。
**ヒカリ**
少しだけ。
指が止まる。
出るか、迷う。
少しだけ。
時間が空く。
それから。
通話ボタンを、押す。
「……もしもし」
小さく言う。
少しの間。
向こう側から、声がする。
「唯」
その呼び方に。
少しだけ、止まる。
ヒカリは、続ける。
「……あのさ」
軽く言う。
でも。
少しだけ、間を置いて。
「覚えてる?」
「……何」
唯が、聞く。
ヒカリは、少しだけ笑う。
「最初のとき」
「会ったとき」
一瞬。
唯の呼吸が、止まる。
部屋の空気が、少しだけ変わる。
何も言わない。
でも。
その沈黙で、分かる。
ヒカリが、続ける。
「……あのときのこと」
「ちょっと、話さない?」
静かに言う。
優しく。
無理に引き戻さない。
ただ。
繋ぐように。
唯は、答えない。
すぐには。
でも。
通話は、切らない。
そのまま。
少しだけ。
時間が流れる。
遠かったはずの距離が。
少しだけ。
戻り始めていた。




