表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
32/43

Replies

 配信が始まる。


 


「こんばんは」


 


《こんばんは》

《来た》

《マシュマロ回!》


 


 いつもより、少しだけ期待が混ざった空気。


 


 視聴者数。


 


 **320 → 410 → 520**


 


 早い。


 


 明らかに、いつもより。


 


 


「今日はマシュマロ読むよ」


 


 


《きた》

《待ってた》

《送った》


 


 


 ヒカリが、少しだけ笑う。


 


 


「いっぱい来てるね」


 


 


「……多い」


 


 


 ユイが、短く言う。


 


 


 画面には、並ぶ質問。


 


 


 ヒカリが、一つ開く。


 


 


「じゃあいくね」


 


 


「“学生ですか?”」


 


 


「学生です」


 


 


 ヒカリが答える。


 


 


「高校生」


 


 


 少しだけ、笑う。


 


 


「ユイも?」


 


 


「……うん」


 


 


「高校生」


 


 


《まじか》

《若い》

《高校生なの!?》


 


 


 コメントが少しざわつく。


 


 


 ヒカリが、軽く流す。


 


 


「そんな感じです」


 


 


 


「次いくね」


 


 


 ヒカリが、次を開く。


 


 


「“好きなキャラクターとかありますか?”」


 


 


「ある?」


 


 


「……ある」


 


 


 少しだけ、間。


 


 


 


「ルベベ」


 


 


 


「え、かわいいやつ?」


 


 


「……うん」


 


 


《まじで》

《意外》

《そういうの好きなんだ》


 


 


 コメントが少しざわつく。


 


 


 ユイは、そのまま続ける。


 


 


「……最近」


 


 


「緑、出た」


 


 


「緑?」


 


 


「……レア」


 


 


《え、それもしかして地方限定のやつじゃない?》


 


 


 一瞬。


 


 


 ヒカリが、画面を見る。


 


 


「そうなの?」


 


 


「……わかんない」


 


 


 ユイが、少しだけ首をかしげる。


 


 


「でも、あんまり見ない」


 


 


「いいじゃん」


 


 


「……ピンクもある」


 


 


「え、セットじゃん」


 


 


「……つけてる」


 


 


「どこに?」


 


 


「……カバン」


 


 


《かわいい》

《ガチ勢じゃん》

《集めてるんだ》


 


 


 コメントが流れる。


 


 


 ヒカリが、少し楽しそうに言う。


 


 


「いいね」


 


 


「今度見せてよ」


 


 


「……うん」


 


 


 


 ヒカリが、次を開く。


 


 


 配信は、順調に進んでいく。


 


 


 視聴者数。


 


 


 **580 → 640 → 720**


 


 


 伸びている。


 


 


 フォロワーも、増えている。


 


 


 


 でも。


 


 


 


 少しずつ。


 


 


 


 質問の偏りが出てくる。


 


 


 


「……あれ」


 


 


 ヒカリが、小さく言う。


 


 


「ユイ多くない?」


 


 


「……かも」


 


 


《ユイの方気になる》

《もっと知りたい》

《なんか謎多い》


 


 


 コメントも、同じ流れ。


 


 


 ヒカリが、少しだけ笑う。


 


 


「ひどーい」


 


 


《ごめんw》

《ヒカリは解釈一致なんだよな》

《安心するタイプ》


 


 


 一瞬。


 


 


 ヒカリが、少しだけ止まる。


 


 


 それから。


 


 


 笑う。


 


 


「解釈一致ってなにそれ」


 


 


 軽く言う。


 


 


 でも。


 


 


 すぐに、続ける。


 


 


「でも」


 


 


 少しだけ、間を置いて。


 


 


「ユイのこと、みんなに知ってもらえるのは嬉しい」


 


 


 まっすぐ言う。


 


 


 ユイが、少しだけ視線を向ける。


 


 


 何も言わない。


 


 


 でも。


 


 


 少しだけ、柔らかくなる。


 


 


 


「最後いくね」


 


 


 ヒカリが、マシュマロを開く。


 


 


 一瞬、止まる。


 


 


「“二人でダンスとかやらないんですか?”」


 


 


《きた》

《見たい》

《やってほしい》


 


 


 コメントが、一気に流れる。


 


 


 ヒカリが、少しだけ笑う。


 


 


「ダンスかあ」


 


 


 横を見る。


 


 


 ユイが、すぐに答える。


 


 


「……いいね」


 


 


 短く。


 


 


 迷いなく。


 


 


 ヒカリが、少しだけ止まる。


 


 


 一瞬。


 


 


 ほんの一瞬だけ。


 


 


 考える。


 


 


「……うん」


 


 


 笑って、答える。


 


 


「やってみよっか」


 


 


《きた》

《楽しみ》

《神回確定》


 


 


 盛り上がるコメント。


 


 


 ヒカリも、笑っている。


 


 


 いつも通りに見える。


 


 


 でも。


 


 


 ほんの少しだけ。


 


 


 その返事は、遅かった。


 


 


 コハクが、二人を見る。


 


 


 静かに。


 


 


 その目が、少しだけ揺れる。


 


 


 何かを、知っているみたいに。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ