秋の常連たち
十月の半ば、SOLITAIREは秋の空気に包まれていた。
その週、様々な人が来た。
月曜、ドグマが来た。ルーカスの怪我が完全に治って、姿勢の教え方を変えた話をした。
「今度は体を使ってみせた。言葉だけでなく、形を見せた。あの子が、今度は俺に言った。ありがとうと。前よりよくわかったと」
「失敗が、結果的に良い教え方に繋がったのですね」
「そういうことになった。失敗を取り返せた気がして、少し楽になった」
火曜、タリアが来た。ルーシーが他の馬と仲良くなり始めた話をした。
「一人でいるのが好きな馬だと思っていたら、慣れると違うらしい。俺もそうだったかもしれない」
「今は、慣れましたか」
「少しずつ。ここに来ることも、その一部かもしれない」
水曜、クレインが来た。カイが将来の夢を先生に話した話をした。
「剣の先生になりたいと言ったそうだ。報告に来てくれた。嬉しそうな顔で。俺の前でそういう顔をするようになった」
「それは大きな変化ですね」
「最初は俺を怖がっていたのに」
木曜、ゼファーが来た。ファリドと話した結果を報告した。
「静かすぎると思うかもしれないと言ったら、ファリドが泣きそうな顔をして、でも笑って、先生でも寂しくなるんですか、と言いました」
「なんと答えましたか」
「なるかもしれないと言いました。ファリドが、帰ってきたら土産話を全部聞かせますと言っていました。うるさいくらい話すでしょう。でも、今度は、それが楽しみです」
金曜、リュートが来た。新しい連作の一曲目ができた話をした。
「旅立つ人の歌にしました。ラシード様と、エミリ様と、カエル様を少しずつ混ぜました。名前は出しませんが」
「その方々が聴いたら、わかるかもしれませんね」
「わかっても、わからなくても、届いた先でその人の歌になるので」
土曜、エドワードが来た。若者への支援が始まった話をした。
「失敗するかもしれません。でも、失敗したとき、俺がいます。昔の自分に、こういう人間がいてくれたらと思ったので」
カインはそれぞれの話を受け取った。
全員、まだ途中だった。
途中の話が集まる場所。
それがSOLITAIREだった。




