エルナと二度目の面会
十二月の初め、エルナが来た。
「また会いました。縁談の相手と」
「そうですか」
席に着いて、紅茶を頼んだ。
「今日は、最初から話せました。前回より、ずっと」
「緊張しなかったですか」
「少し緊張しました。でも、前回の経験があったから、この人も緊張するんだと知っていた。だから、お互い緊張していることを、最初に言ってしまいました」
「それは良い判断でしたね」
「笑ってくれました。ほっとした顔で。それからは、話が自然に続いた」
「何を話しましたか」
「孤児院のこと、エリのこと。それから……彼の国の話を、たくさん聞きました。どんな国で、どんな人たちが住んでいて、どんな問題がある国かを」
「彼が話してくれたのですか」
「話してくれました。自分の国を、良い面だけじゃなく、困っていることも話してくれた。それが、なんか……誠実だと思いました」
カインは黙って聞いた。
「まだ、答えは出ていません。でも、会うたびに、少しずつわかってきている気がします」
「何がわかってきましたか」
「この人が、どんな人間かが。一度では見えなかったことが、二度会うと少し見える」
「三度目があれば、また少し見えるかもしれませんね」
「そうですね」とエルナは言った。少し遠くを見るような目で。「三度目が、あるかもしれない」
紅茶を飲んだ。
「カイン、あなたはどうですか。最初に会った人のことが、会うたびにわかってきますか」
「そうですね。お客様は、来るたびに少しずつ違う顔を見せてくださいます」
「私も、そうですか」
「はい。最初に来たときと、今では、ずいぶん違います」
「どう違いますか」
「最初は、何かを置きに来ていた方でした。今は、何かを拾いに来ている方です。来るたびに、何かを持って帰る」
エルナはしばらく考えた。
「……三度目に会った彼も、そうなれるかもしれない。来るたびに、少しわかってくる」
「そうかもしれません」
エルナは立ち上がった。
「また来ます。三度目の報告に」
「お待ちしています」




