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王都のお一人様カフェ SOLITAIRE ソリテール  作者: yuruhuwa回路


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102/202

ミレイアとルナの試合

 十一月の終わり、ミレイアが来た。


 少し疲れた顔をしていたが、悪い疲れではなかった。


「ルナが、初めて勝ちました」

「大会でですか」

「そう。一対一の試合形式で、相手は二十五歳の実力者だった。ルナは二十一歳で、格上相手に一本勝ちした」

「それは良かったですね」

「試合のあと、ルナが俺のところに来て、泣いた」

「嬉しくて、ですか」

「うれしくて、と怖かった、が混ざった顔だった。嬉しいのに怖い、という感情が一緒に来て、処理できなくて、泣いた」

「ミレイア様も、似たような経験をしましたね」

「した。最初に優勝したとき、俺も似たような気持ちだった。だから何も言わなかった。ただ、隣にいた」


 カインは紅茶を持ってきた。


「それが一番だったと思います」

「そう思って、そうした。でも後で、一言くらい言えば良かったかとも思った」

「何を言いたかったですか」

「……その怖さは、本物だということ。勝てるようになるほど、失うものが増えるから、怖くなる。それは正しい感覚だということ」

「今からでも、言えますか」

「今度会ったとき、言う。遅れても、言わないよりはいい」

「そうだと思います」


 ミレイアは紅茶を飲んだ。


「ルナはまだ、俺には遠い剣士だ。でも、近づいてきている。それが嬉しくて、少し寂しい」

「両方あっていいと思います」

「そうだな。両方あることが、師匠というものかもしれない」


 ミレイアは立ち上がった。


「また来週。ルナに言った後の話を、報告に来ます」

「楽しみにしています」

「楽しみにしている、ってまた言った」

「そう思ったので」


 ミレイアは少し笑って、出ていった。

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