文書:セオドアのメモ②
*商業都市エルダ
カルマン村から黄金街道を通って三〜四日程西に進んだ先に存在する商業都市。外壁に囲まれており、都市に入るには通行証が必要となる。
その名の通り、商業の盛んな街で大通りには店が立ち並ぶ。
街は大きく五つの区画に別れているが、特別に区分けされてるのが南側の貴族区、中央にある中央街だ。
南の貴族区はその名の通り貴族、それと中級以上の騎士、あとは一部の豪商のみが自由な出入りを許されている。
中央街はまんまだがこの街の中央に位置する。各ギルドや宿泊施設など、主要な施設は大概ここに収まっている。それ以外にも大きな商店もここだ。
西側と東側は居住区になるが東側は下級騎士の屋敷が多く存在する為、騎士区と言われているそうだ。
北側は商業区で大きな市場はここに集中している。
北はともかく、東西の区画も門周辺には商店があり日用品や食料品についてはこちらで十分事足りるらしい。
*魔導具
魔導具は大きく二つの種類に分けられるそうだ。一つは持ち主の魔素を魔導具の魔石に注ぐ事によってその効果を発揮する魔導具、そしてもう一つが魔石と魔力結晶がセットになっており、所持者が魔力を扱えずとも使える魔導具の二つだ。ただし後者の魔導具は高価なものでなければ劣化した魔力結晶を使用したものしかなく、ほぼ使い捨てと言っていい。ただし、一部のものは魔力を注ぎ続けることでそのまま使い続ける事ができるものもある。その例がクリスの指輪だ。
また、そもそも使い捨てを前提としたものもあるそうだが。
大きい魔導具は魔素の伝達が遅く、通常の金属では効果を発揮するまでのラグが発生する。それを避けるために通常の金属ではなく魔導銀を用いるそうだ。魔導銀は魔素の伝導性に優れ、魔素を注ぐと直ぐに効果を発揮するそうだ。
いままで一度も抜かずに持っているが巨躯蜥蜴討伐の褒賞で領主モーリスから貰った短剣もそうらしい。機会があれば使ってみたいと思う。尤も俺は短剣の扱いはあまり得意ではないが。
*冒険者ギルド
世界中のそれなりの規模を持った街には必ずある施設で冒険者に仕事を斡旋するのがこの冒険者ギルドだ。仕事内容は魔物の討伐、護衛、雑用など様々で、報酬も依頼人次第となる。ただし難度に関してはギルドが管理しており、低ランクの仕事は高ランクの冒険者に回すことはなく、逆もまた然りだ。
前者は低ランクの仕事を奪って低ランク冒険者の食い扶持を奪うのを避けるため、後者は低ランク冒険者の無謀を避け、不必要な事故を避ける為だ。
冒険者のランクは全部で一四段階あり、Eから始まりSS+を経て、最終的にはレジェンドと呼ばれるそうだが、冒険者ギルドが発足して以来、レジェンドランクまで到達した人物は全部で三人だけだそうだ。
冒険者ギルドでは通常の依頼と別に手配書の魔物などを討伐することで報酬を受け取ることも出来るらしい。
こちらは魔物だけではなく、街や国単位でのお尋ね者なども含まれる。魔物の場合は討伐が殆どだが、お尋ね者の場合は「生け捕り限定」という指定があるものもあり、少し報酬が多めに設定されてある。勿論討伐した場合は報酬は零だ。また「生死問わず」の場合も同じく報酬額は多いが討伐した場合は三割程減額されてしまう。先日討伐した『外道のドズル』は生死問わずの扱いだったらしく、もし生け捕りだった場合はもう一枚程金貨が増えたそうだ。
ギルドの冒険者達は実績によって自動的にランクが変動する。大抵は上がる一方だが、重大な失敗を犯したり、失敗が続くようであれば下がる事もあり得るそうだ。
パーティーで仕事を請け負う場合、パーティーの最も高いランクの冒険者から二ランク下の冒険者までがパーティーとして認められる。俺やクリスの場合ならランクCまでの冒険者を連れて行くことができる。逆の場合はA+までだ。と、言ってもエルダの街にはAランク界隈の冒険者は少ないようで、Aランクまで行くと大抵は王都や帝国へと仕事を求める冒険者が殆どだそうだ。




