加護の確認1
本日五話目。
奇妙なメイドさん事件の次の日、空はその奇妙なメイドさんに連れられて広い部屋に来ていた。
部屋には空と同じように集められたクラスメートたちがいた。
「空くん、おはよう。」
「おはよう、清水さん。」
「これから何するんだろうね。空くん聞いてる?」
「そういえば、フレーゼさんに聞くの忘れてたな。」
「ふーん。あのメイドさんフレーゼさんって言うんだそうなんだー。」
「あれ、なんか怒ってるない?ねぇ、清水さん?」
「怒ってなんかいないですよ。そうですよ。」
「口調もいつもと違うじゃないか。」
「お前ら何やってんだよ。どうせ、空が何かしたんだろうけど。」
そう話しかけてきたのは健太だった。
「なんで僕が何かした前提なのさ。」
「お前が何かしないと清水さんはああならないだろう。」
そう言って健太が指を指した先にいる悟はそっぽを向いていた。
胸の前で腕を組んでいるため豊かな双丘が強調される形となっているため目のやり場に困る状況になっていた。
「別に僕何かした覚えがないんだけどなぁ。」
「まぁ、いいや空。お前これから何するか聞いてるか?」
「それをここまで連れてきてくれたメイドさんに聞くのを忘れたってことを清水さんに話したらあんな感じになったんだけど...」
「なるほどな。清水さんがああなったのも納得だわ。」
「なんで!?」
「お前は普段鋭いのに、なんでこの方面では疎いのか俺には分からん。まぁいいや、俺が聞いた話だとこれから皆の加護を確認するらしいぞ。」
「加護の確認ってどうやるの?」
「さぁ、そこまで俺は聞いてない。」
そんなことを話していると、金髪ドリルのお姫様のシルフィアが部屋に入ってきた。
「これからこのプレートを皆様にお配りします。これは最初に登録された者のステータスを表示する魔道具となっております。そこに加護も表示されると思いますのでご確認ください。」
そう言われ空たちの手元にはスマートフォン位の大きさのプレートと針が渡された。
「配られた針を使って血液を一滴プレートのどこでもよろしいので垂らしてください。すると、プレートに皆様のステータスが登録されます。」
空は針で自分の小指に針を刺し血を一滴プレートに垂らした。
すると、プレートが淡く光り出し画面が表示された。
名前:阿迦井 空
Lv.1
加護(ユニーク)
心眼Lv.1
空は表記された意味は分からなかったが、とりあえず画面が出たため待機していた。
「プレートにステータスが表示された方は傷の手当てをしますのでこちらにいらしてください。」
空はステータスの確認が早く終わったからなのか、誰もいないシルフィアの元へ向かった。
「では、治療をしますので針を刺した箇所を診せてください。」
「おねがいします。」
「この者を癒し給え、《ヒール》。はい終わりです。」
「今のは魔法というやつですか?」
「はい。体内の魔力を消費して現象を引き起こします。」
「ということは、治癒以外にもできることがあるということですか?」
「はい。火を起こしたり、水を生み出したり、風を吹かせたりとイメージとそれに見合う魔力を供給できれば、先ほどのように現象を引き起こすことができます。」
「なるほど、僕たちにもできますか?」
「魔力は個人によって持っている量が違いますので、何とも言えません。しかし、異世界から来られた方々は大体魔法を使えると聞いていますので、大丈夫だと思いますよ。」
「他にも異世界からきた僕たちのような存在がいるのですか?」
「召喚の魔法陣は最近王家が管理している古代遺跡から発見されたため、召喚された人はいないと思いますが《迷い人》と呼ばれる方々がこの世界に迷い込んできたという話は聞いたことがあります。」
「その《迷い人》に会うことは出来ますか?」
「残念ながら私たちの住むセルキア王国で《迷い人》と名乗る人はいらっしゃいません。《迷い人》でも
自分が《迷い人》だと名乗っていない可能性もありますが...」
「分かりました。無理言ってすいません。最後に一つだけいいですか?」
「はい、なんでしょうか?」
そうシルフィアが治療した青年に気軽に返事をした瞬間、背筋に寒気が走った。
「あなたに僕たちを害する気がありますか?」
「い、いえそんなことは致しません。」
シルフィアは今まで生きてきて聞いたことがないほどの抑揚のない声音で青年からのまっすぐな射殺すような視線に耐えながら、震えそうになる声を抑えて返事を返した。
「そうですか。いろいろありがとうございました。」
空は先ほどの表情とは打って変わって笑顔でお礼を述べ、呆然と立ち尽くすシルフィアの元を離れた。
今日はここまでとなります。
また明日投稿するので読んでいただけると嬉しいです。
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