光の先に
本日二話目
どれくらい光に包まれていたのだろう、目を開けると少しかび臭い石でできた部屋の中に僕たちはいた。
きょろきょろ辺りを見回していると、清水さんが近くに来ていた。
「空くん、ここどこだろう...?」
「少なくとも教室じゃないことは確かだね。とりあえず、出口らしきものはあのでかい扉くらいしかないけど、みんなで相談しないと。」
「空くんは、こんな状況でも冷静でいられて凄いね私なんか...」
「僕は凄くなんかないよ。ただ、慌てていても仕方がないからこうしているだけだよ。」
そう、凄くなんかないんだ僕にできることをしているだけ、それが僕にできる最大限のことだから。
「普通は他のみんなみたいに状況の変化に戸惑ったり、驚いたりするんだよ?」
「そうだぜ、お前はすげぇと俺も思う。」
清水さんの言葉に賛同するように健太が話しかけてきた。
「僕だって内心、戸惑いや驚きもあるだけどなぁ。」
「それを表に出さないことはやっぱり凄いことだよ。」
「教室での一喝も凄かったしな。」
「私もびっくりしたよ。空くんがあんな大きな声を出すなんて。」
「あれは...静かに!誰かくるよ。」
そう僕が言うとみんな静まり、響いてくる音が鮮明に聞こえてくる。だんだん音が大きくなり、出口らしき扉の近くで止まったかと思うと、扉がゆっくりと開き始めた。
扉の奥から出てきたのは、いかにも西洋のお姫様という感じに綺麗な金髪がドリルになっていてフリフリのドレスを着た僕たちと同じ年くらいの女の子と付き添いと思われる騎士たちだった。
「はじめまして、勇者様方。私の名前はシルフィア・フォン・セルキアと申します。一応、この国の第3位王位継承者となっております。以後、お見知りおきを。」
と金髪ドリルお姫様は洗練された動きでお辞儀した。
「こちらこそ、私はこの子たちの担任教師の天川輝美と申します。失礼を承知で伺いたいのですが、私たちの今のこの状況を教えていただけませんか?」
いきなり現れた金髪ドリルたちに呆けた状態から再起動した先生は相手の機嫌を伺うように尋ねた。
「もちろんです。勇者様方は私たちの住むセルキア王国に所属する筆頭魔術師に召喚されてここにいらっしゃいます。もちろん、誘拐まがいのことをしてしまったことは申し訳ございません。しかし、私たちには勇者様方に頼らざるを得ない状況だったため、このようになってしまいました。改めて謝罪いたします。」
そう言って、再び綺麗なお辞儀をした。
「その状況を教えていただいてもかまいませんか?」
「はい!ですが、まず国王である父に報告しについてきていただけますか?」
そう尋ねられて先生は生徒たちに目線を向け確認した。
「ついていくことはわかりました。しかし、私たちは王の前での礼儀などを知りませんがどうすればいいですか。」
「それは大丈夫です。片膝をついて頭を下に向けて許可が出たら頭を上げていただければよろしいと。」
「ありがとうございます。みんなも分かったかしら?」
と先生は生徒たちに確認した。
「では、参りましょうか。」
僕たちは、その背中についていくようにかび臭い石の部屋を後にした。
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