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出しゃばり最強おじさん!~出しゃばりなせいでパーティを追い出されたおっさん、魔物の美少女との次の仕事は……?~  作者: ペンネーム


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9,勧誘

 その先の部屋は扉の横に水晶の絵がかいてあった。

 入るとモダンな雰囲気で、天井からは魔球を使った明かりがともっていた。


 そして、3人が座れるくらいの椅子が数十個もきれいに並べられている。

 そこに数人だけ座っていた。若い人はおそらく新米の冒険者で、希望に満ち溢れている。一方年配の人、もしくは俺と同じくらいの年齢の人が数人おり、俺と同じく再鑑定の人だろう。


 適当に座って待っていると、となりに一人座ってきた。


「よぉ。出しゃばり野郎」


「なんですか……」


「お前、うちのパーティーに入らないか?名前を〈灼熱の鳳凰〉だ。」


 急に誘われて戸惑ったが、その名前を聞いて少し冷静になった。


 灼熱の鳳凰、かなり裏があると言われている冒険者たちの集まりだ。基本的に4人のチームで行動するのだが、そこはメンバーを勧誘しまくって30人くらいの人数がいる。


 しかし、その中にいるやつはリーダーや力の強いやつに少しでも従うとボコボコにされるらしい。という噂もある。


 それに俺は、パーティーにちょっとしたトラウマを持っていた。


 なので俺の選択は1つだけであった。


「遠慮します。」

「あ?なんて?」

「遠慮します」

「聞こえないなぁーー?」


 おっと、そういうタイプか。

 拒否権を強引に無くして誘い込んでくるタイプ。


 かなりこの方法とか、他にもいろんなやり方でメンバーを増やしてきたんだろうな。最近やったのを見ていたが、俺がまさか受けることになるなんて。


 俺は込み上げてくるイライラをなんとか抑え、無視をした。


 相手が話を聞かないなら、こちらからだって話もなにもしない。それだけ。ギルド内だから殴り合いになることはないが、たぶん疎まれるであろうが、ここで何か起こすよりもそちらの方がましだろう。


 これぞ長年の経験からきた究極の回避方法だ。


 その後男は俺に呼びかけ続け、胸ぐらまで捕まれた。


「なんとかいえや」


 暗く、じめっとした声で、脅してくる。たぶん雑魚だと舐められてるのだろうか。

 だとしたらちょっと悔しいな。


 すると、ちょうどいいところに呼び出しをもらった。


「ルイルス・シースリウス様、いらっしゃいますでしょうか」

「います」

「こちらへ来てください。」


 俺がそう返事すると、男は舌打ちを1回鳴らしては、こちらを睨み付けて去っていった。


 パーティー勧誘のためにそこまでするだろうか、と俺は疑問に思いながらも、立ち上がって受付の人のもとへと向かった。


「すみません、少し遅れました。」


 そう急いで向かったが、受付の人は耳打ちをしてほしいというそぶりを見せた。

 そしてひそひそ声で他には聞こえないよう注意しながら受付の人は言った。


「ファイア様に勧誘されていましたので、少し早くお呼び出しをしました。もう少しで準備ができるので少々お待ちください。ご不便をおかけします」


「助かりました、あそこで呼び出されていなければどうしたことか……」


 そんな俺の言葉は例をしたあとくるりと後ろを向いて聞いてもらえなかった。


 少し悲しくなってしまった。

 まだあの傷が完全に癒えきってない証拠だ。


 言われる通りに少しの間待つと、スタッフさんから番号のついた板を一枚渡された。


「それに書いてある番号の部屋へとお進みください。扉を開けたら指示員がいるはずです」

「わかりました。」


 そしてその部屋に続くカウンター横の廊下の方向を指して、そちらに誘導してくれた。



 番号は6,廊下の突き当りの部屋であった。


 そこに入ると、石作りの廊下が続いていて、そこに案内人であろう女性が立っていた。服装は受付嬢と同じだが、頭にはつばの長い専用の帽子をかぶっていた。


「これより正式鑑定の準備へと移ります。ついてきてください」


 そういうと女性はどんどんと薄暗い奥へと入っていく。俺も少し不安だがそれについて行った。


 小さい頃にやったのは水晶に触れるだけのものだったので、なんだかその雰囲気に子供心がくすぐられた。鑑定もだいぶ変わっているようだ。


 そうして連れてこられたのは、寝転べることができるほどのサイズがある魔法陣の部屋であった。


「こんなところが」


「では、魔法陣の中でまっすぐ立ってください。」


 冷ややかな口調で言われるがままに、魔法陣の中心点であろう所に俺は背筋を伸ばして立った。


「そして深呼吸をしてください。」


 息をたっぷり鼻から吸って、口から吐き出す。体の力を抜くような意識をした。


「いい感じです。では鑑定を始めさせていただきます。」


 女性はそういうと、魔法陣の外へと出て、蝋燭の明かりを吹き消した。


 すると、魔法陣がなにもしていないのに青白く光り始めたのだ。白の光ということは、無属性の魔法だろう。


 その光に見とれていると、女性はこちらに手を合わせ、その後手のひらを前に向けながら、交互に指と指を絡めた。


「〈エキスパート・アプライサル〉!」

 そう言うと、魔法陣の青白い光がピンク色になった。


 そしてさっきよりも激しく光り出して、俺の周りに糸のような細い線が魔法陣から生えてきた。少しずつ伸びて、空中で俺の周りに輪を複数作った。


 そしてしばらくゆっくりと回り続け、俺の魔力を吸っていた。

 体の中から、特に手先や足先などの末端からいろいろと取られているような感覚が強くした。蚊に血を吸われているのが一番それに近いだろう。


 しばらく少しずつ吸っていくと、俺は倒れなかったが、頭がくらっとしてきた。


 そこで鑑定は終了して、俺はその魔法陣からゆっくり解放された。光が魔法陣の中に溶けていき、魔法陣自体も光を失い、真っ暗になる前に女性が蝋燭に火をともして歩いていた。


「おつかれさまです。これにて鑑定は終了ですので、受付で結果をお待ちください。」

「ありがとうございました」


 また受付の待合室に誘導され、こんどはすぐ近くの一番前の席で待つことにした。


 後ろの方に、さっき執拗に話しかけてきたやつがいて、わざとらしくこちらをチラチラと見ては気にしている様子であった。


 どうしてあんなに俺のことを誘うのだろうか、と不思議に思ったが、話しかけもせずに相手からも来ることがなかったので、しばらく結果を待つことにした。



 剣の鞘が汚れていたのでそれをふき取りながら待っていると、予想よりも早い時間で結果が返ってきた。少し茶色がかった紙に印刷されていたのは、以下の通りだ。


ステータス(数値は10の位以下を無視したもの)

 攻撃 1300 防御 700 魔力 5000 筋力 9000 総合評価 C

スキル(現在確認できるもの)

 魔力増加、水属性付与、魔法補助、結界、揺らぎ、運搬、武器鑑定、鑑定、上級鑑定、風攻撃魔法補助、筋力増加、結界補助、など

基本情報

 ……


 あとは個人的な、血液型に名前、性別などの個人情報や、血圧などの健康状態も長々と印刷されていた。


 総合評価の部分が今の自分の冒険者ランクになる。これまでパーティーにいたのでずっとAランクだったのが、Cになっているのは少しショックな部分もあった。


 だがそれも当たり前だろう。

 なにせ生命の息吹のアタッカーはリーダーのあいつなのだから。

 俺はずっと裏方でのサポートばかりで、俺が前に出てき始めたのもここ数年のことであるからだ。


 なんで前に出てくるようになったかは、ほとんど忘れてしまった。

 なにせ数年前のことだ。細かいことは覚えてはいない。

 

 それにしても、筋力は昔から強いからあんま変わってないな。


 魔力だけが意外だ。5000もあったのか。


 といろいろとそれについて思いふけていると、さっきのやつがそれを覗いてきた。


「……なんですか、個人情報ですよ」


「あー、すまない。もう勧誘はしないが、あんた武器鑑定できるなら武器屋で働いたらどうだ?」


 確かに武器鑑定は武器屋をするのにとても有利で信頼もされる有用なスキルだが、俺はこれでも冒険者である。なので……。


「あんまじっとしてるのは性に合わないんですよ」

「へぇ、だいぶ活発なじいさんなのな」


 じいさんと言われて少しムカッと来たが、そこで彼がメンバーの一人に呼ばれたようなので、そこでなんとか衝突は避けることができた。


 鑑定が終わり、新しいギルドカードも発行され、古いギルドカードは回収され無効化された。


 と、いうことで。早速依頼をこなしていこう。


 俺は掲示板へと向かった。


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