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出しゃばり最強おじさん!~出しゃばりなせいでパーティを追い出されたおっさん、魔物の美少女との次の仕事は……?~  作者: ペンネーム


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2、追放

「何でおれに力を付与したんだよ!!」


「心配だったからだよ!絶対に死なないように力は余分にあったほうがいいだろ?」


「ち・が・う・だ・ろぉ!!」


 そして依頼終わりの酒場で、俺らは争いあってしまった。


 今にも殴り合いが起きそうなほどピリピリしていて、一触即発だ。


 どうやら俺が力を付与したことがきにくわなかったらしい。だが俺はただ彼が死なないようにやっていただけなのに、どうしてなのかわからなかった。むしろ感謝してほしいくらいだ。


「結局竜倒せたんだからいいだろうがぁ!」


「俺はもっとスタイリッシュでいい倒し方をしようと思っていたんだよ!」


「だいたいよぉ!俺はこのパーティーのリーダーで一番強いんだぞ!だからお前らが心配する必要も本来はないんだよ!お前にはわからんようだがな」


 お前にはわからない、それは俺が一番大嫌いな言葉だ。理性では到底抑えきれず、思わず前に一歩足を踏み出してしまう。


「一番強いと言っても、剣聖の崩しどころみたいにミスがあるかもしれないじゃないか!」


「ねえよ!少なくとも今さっきの戦いでも俺の作戦通り完璧だったじゃないか!それにお前がそうやって自分の力を誇示して出しゃばってこなければ、もっとミッションもスムーズにこなせたはずなんだ!」


「はぁ!?スムーズさよりも安全を優先すべきだろうがよ!」


 そこで、店主の娘であるリゲインが来た。どうやら注意喚起をしに来たそうで、腰を押さえて怒っている。


「こら!そこ!うちで喧嘩するんじゃない!」



「すぐ終わりますから」


 俺がそう言ってマイチのことを慰めようとしたが、リゲインが続ける。


「終わらないでしょう!だいたい冒険者の喧嘩って長引くし、絶対殴り合いに発展するんですから!机壊したら10倍の値段で支払ってもらいますよ!」


「じゅ、10倍!?」


 思わず声をあげるマイチ、それでさすがに冷静になったかと思えば、今度は舌打ちをして、俺の腕を強くつかんだ。


「外行くぞおらぁ!」


 と言って俺の手を掴んだ。俺はおとなしくそれに従ったが、そいつの握力で少し手が痛んだ。


「待て。」


 だがそれをマイラが止める。その真剣な言葉に、俺もマイチもさすがにふりかえった。マイラは少し考え、深呼吸をしてさらっと言った。


「私思ったんだが、ルイルスを追放すればこの騒ぎも終わるんじゃないかって。」


 あまりにも平然と言うその言葉は、無垢な子供がする核心を突いた質問と同じ威力をしていた。俺は驚き、マイチは目を輝かせて「それだ!」とすぐにマイチは反応する。


「何を言って!」


 俺はすぐに反抗しようとしたが、その口はマイチに両方から抑えられ、強制的に開かされた。


 すぐに口を閉じようとしたが、力が強くて閉められない。


「今選択しろ。顎を粉砕されるか、足を粉砕されるか。それとも、このパーティーから出ていくか。」


 満面の笑みで、顔がくっつきそうなほど近づけてきた。痛い痛いと彼のことを叩いたが、それでもその手は強くしっかりと抑えつけるだけであった。


 なんとも俺に理不尽な選択なのだろう、だがその後マイチが10数えだし、俺の頭を握った。頭が粉砕されそうだ。


「なんで」


「質問に答えてくれ。それとも喋りたくないのか?」


「……。」


 これは、本気でまずいな。と思ったおれは、そのまま手をあげて、「出ていくよ。」と一言だけ言った。


 すると店から外までぶん投げられ、途中食器にいくつかぶつかりながらも、何とか受け身をとった。後から適当に詰められたであろう硬貨が入った袋を投げられた。

 しかし頬と後頭部が少し荒れてしまった。


 中では大喜びのマイチの声が聞こえる。


 それに便乗して、マイラが一緒に喜び、乾杯をするコップの音までもが鮮明に聞こえた。


 呆気にとられ店の中を見ていると、ナリタが出てきた。


「いっただろ?この出しゃばり。もう来ないでくれ」


 そうとだけ言って、ただ背中を見せただけであった。その背中を切りつけてやろうか、と魔がさしたが、さすがに今回はあちらの方が正しいのだろう。


 その後に店主の娘も俺のことを見て、一言。


「ちょっと休みな。」


 それはねぎらいのことばではなく、ただの義務的な言葉であった。



 俺はこの光景に見覚えがあった。


 過去になんども、この酒場で今日みたいな喧嘩があったあと、外に追い出されては悔しい思いをして、泣きながらそこをゆっくりと歩いていく冒険者の姿を。


 そして、その時に店主が言ったのも、その言葉であった。


「……」


 俺は、やっと自分の非を自覚したのであった。


 だがもう、遅かった。


 心は絶望で埋め尽くされ、涙も出ずにとぼとぼと店の前を進んでいくしかなかった。

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