12,出発の前に
続々と冒険者が集まり、合計人数は全員で80人を超えていた。
Aランク冒険者は合計24人。Bランク以下の冒険者数が60何人と言ったところだ。
時間が来ると、拡声器を持った筋肉質な男が臨時でおいてあった檀上に見えた。あれはギルドマスターだ。まさかいるとは思わずびっくりしてしまった。
「こんにちは、暑い中ありがとうございます。」
拡声器でしゃべりだすとすぐに話し声は止み、全員がその声に耳を傾けた。
「今回の依頼、新ダンジョンの開拓にお集まりの皆さま、注意点を発表したしますのでどうか注目をお願いします。」
そう言って、ギルドマスターは注意点を発表していった。
1,ギルドは死亡、または行方不明になったとしても、謝礼金は出しますが、その他保証は致しません。
2,ダンジョン開拓のため、非常に事故が多く、展開の読めない依頼になりますので、それぞれ十分に周りを見て警戒をするようにお願いします。
3,Aランク冒険者様へ、範囲攻撃をすると味方に当たる可能性があるので、なるべくはしないようにおねがいします。
4,味方への裏切りはしないようにお願いします。したらギルドを永久追放とします。
一つ発表されるたびに噂の声が絶えない。中でも保証がないのと、裏切りしたら永久追放というのは滅多にないことであったからだ。
つまり、それだけレベルが高いということだ。
これはかなり警戒して取り組まないと、すぐに迷ってしまいそうだ。
「以上です。かなり少ないですので、絶対に守るようにお願いします」
こういわれると普段のルールの数が多いように思われるが、別に普段のルールもこれくらいだ。
ならなぜそんな勘違いをすることを言うのか。
簡単だ。要点をかいつまんで話しているのだ。つまり、絶対に守らなくてはいけないルールを意識させるためにあえて少なくしているのだ。
「では、Aランク冒険者の準備、それにBランク以下の冒険者方々への名札の配布が終わったものからダンジョン内へと入ってください。それでは、無事を祈ります。」
それが終わった後すぐに、歓声が上がった。主にAランク冒険者の早く行きたい欲望がここで発散されている。
すでに準備を終えているソロ冒険者やパーティーの冒険者は走ってダンジョン内に入っていった。それもかなりの勢いで、土埃が舞ってしまうほどである。
俺も先に行って開拓の最前線を行こうとしたが、あまりにも勢いが強すぎてその勢いに乗ることができずに、結局後ろの方になってしまった。
本当にAランク冒険者には戦闘狂が多いものだ。
「あれ、あなたは……」
すると、誰かに後ろから話しかけられた。
反応して振り向くと、その人は俺のことを見て嬉しそうにしていた。
その姿は俺も見たことある人であった。
「しんふぉ!?」「ルイルスさん!」
なんと俺の後輩のシンフォであった。名前をリチャード・シンフォニエッタ。あのおっちゃんのいとこである。猫耳の少女に見えるが、これでも御年69歳だ。獣人なので寿命が長いのだという。
しかし、俺の後輩だ。
相当久々の再開だったため、一瞬誰だかわからなかった。
「ついにソロAランクになったんですね!」
「あ、あぁ。そうだ」
「私あなたが出しゃばりおっさんって呼ばれてるとき、超イラっとしてしまいました!だってあなたみたいな有能な人をそうやって重箱の隅突いてひたすら責めるなんて、ありえないじゃないですか!」
「わざわざありがとうな……」
かなり不満や色々あったのだろう。ご立腹でとにかく愚痴の多い。
かなり俺のことを慕ってくれていて、俺も何回かは頼ったことのある人だし、頼られたことのある人だ。よく武器鑑定を教え合ったり、魔力の高め方とか、ほんと色々と。
初めは婿として紹介されたっけな。
「ところで、今回の依頼一緒に行動しませんか?」
「ええ、ぜひお願いしたい」
急にムズムズしだしたと思ったらそういうことか。
「やったあ!」
わかりやすく嬉しさを表すように飛び跳ねている。
「それじゃあいきましょう!」
「ああ、転ぶなよな」
「もちろん!」
とても元気に頼もしく言っていて、とっても頼りがいがあるなと思った。




