11,会場へ
緊急依頼まではまだ時間があるため、いろいろと暇つぶしをして待っていた。
すると案外すぐにその時間になった。
やはり年を取ると時間の感じ方も早くなるのだろう。
会場は現地集合であり、さっそく現地に向かう。
国を出てからだいたい1時間ほど歩いてくると、そのお目当ての大きな洞窟が見えてきた。人とは比べ物にならないほど大きく、それはドラゴンの巣穴を彷彿とさせる威圧感を放っていた。
その穴の前にすでに2,30人ほどが集まっており、ギルドの受付にいたスタッフが何人もいた。
「ギルドカードを拝見します。それと依頼の受領書も今貰います。」
俺はギルドカードをカバンの小さな入れ物から出して渡し、次に紙を渡した。ぐちゃぐちゃになるといけないので、薄い板に挟んであった。
ギルドカードと受領書に入力してある情報を参照して、ちゃんと正しいか確認していた。
「はい……はい、はい。大丈夫そうです。ではこちら側にお願いします。」
紙はそのまま回収され、ギルドカードも一時的にまとめて保管されるらしい。
そうして確認が終わった後、受付の人に案内された先には、何人かのAランク冒険者らしき人達が、今にも戦いたそうにうずうずとしている。中には試し切りをしている人もいて、かなり実力のある猛者ぞろいのようだ。
幸い、生命の息吹はいなさそうだ。
おそらく直で依頼が来てるからそっちを対処しているのだろう。
だが、鑑定の時に話しかけてきたやつはいた。案の定、パーティーで参加しており、ここにいるほとんどのメンバーがそれだろうとそこで直感した。
予想通り、彼と同じ文様を服につけた人がAランク待合所には4人、Bランク以下の待合所には16人ほどいた。かなりまとまっているな。
〈灼熱の鳳凰〉はほとんどがBランクの冒険者が多い。とのちに調べて出てきたので、その昇級試験を受けにきたのだろう。
話しかけられないかな、と心配していると、案の定相手は話しかけてきた。手には短剣を持っていて、持ち手にあった輪っかに指を通してくるくると回していた。
「よぉ、さっきぶりじゃねぇか」
「パーティーには入りませんよ?」
「っち、連れねぇな。ってかおまえ、Cランクじゃなかったのか?」
「鑑定ミスだったらしい。1桁減らされてた」
「1桁……んなことあるのかぁ?」
「昨日俺の前で実際にそれが起こったんだ。ギルドのスタッフも大慌てするくらいには珍しいらしい。」
そういうと、少し予想と違っていたのか、不都合なのかわからなかったが、彼は目をそらし決まずそうにした。
「あー……さっきはあんなに勧誘してわるかった。勝手に居場所を探してるんじゃないかと思ったんだ」
居場所を探してるって……そんな風に思ってるとは微塵も思えない勧誘方法だったけどな。
「それと、Cランクだと思って舐め腐ってましたごめんなさい」
おそらくこっちは本当だろう。
正直怒りたい気分だが、ここは穏便に行くのが大人の対応だろう。許さない理由もないし、悪影響もたぶんない。
「大丈夫ですよ、誰にだって勘違いはあるものです」
とは言ってみたものの、フォローにはきちんとなっているだろうか。と少し心配になり苦笑いが浮かんだ。
「それじゃあ、今回の討伐よろしく」
「おう、一緒に頑張ろうな」
顔を上げた彼は明るかったので、おそらくちゃんとフォローはできたのだろうと安心した。




