表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
15/18

誘誘傷

誘誘傷 (誘い誘われたその先に、あなたの望みを叶えましょう、決して癒えない傷と共に)


規模2 平凡

継続4 一年以上にわたってほぼ毎日使用された例は少ない

特殊3 主に意識に作用する、破綻した際には精神的ダメージが発生する


マスター 中本過凪なかもと・かなぎ


理想となる相手を作り出し、その幻影を見せる。

極論、これはただそれだけのクラストである。


クラスト内で過ごす時間が長ければ長いほど消耗するものの、そのダメージは日常生活に支障が出ない程度に収まる。

これは、理想を見せることではなく、それが去った後に起きることを主目的としている。


理想そのものを与えられ、トラウマを想起させる形で消失した。

以後、何をしても決して埋められない穴が開くが、本人はそのことを自覚できない。


中本過凪なかもと・かなぎは、そこにつけ込む予定だ。


中本過凪はマスターだった。

あのクラスト内に幻想の理想はいたが、恋人などではなかった。

執着する相手は別にいた。


彼ら三人は中学からの知り合いであり、仲が良かった。

だが、その関係は徐々に離れた。

大学に進学すれば関係はほぼ途切れるだろうと予測できた。もともと、あまり接点のない三人だ。


だから、中本過凪は先手を打った。

決して逃れることのできない罠を仕掛けた。


マスターとしての彼は、クラスト内で何が起きているかを把握した。

二人が何を好み、何を嫌い、他者に何を求めているか、一年以上をかけて調査した。


このクラストは、中本過凪が二人を支配するために作成された。


放課後、佐竹八館と過ごす際。

何をすれば喜ぶか、すでに中本過凪は知っている。


これから夜間、近くに借りたスタジオで右野山聖と過ごす際。

彼がセッションに対して何を求めているか、中本過凪はもう知っている。


一度は与えられ、奪われたものを、彼の手により再び与えられる。

無意識下で強烈に求めていたものだからこそ、疑うことはできない。

四人目のことなど、二人はもう覚えていない。その代わりというように、現実でそれを与えてくれる人間がいる。


あなたはこの企てに気づいたが、見過ごすことにした。


原因となったクラストは消えている。

これ以上悪用されることはない。


なにより――

これにより、三人の不仲が解消されることに変わりはないのだから。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ