粗忽者クラリス・エヴァンジェリンは、古代装置の声を聴く
神話の時代。
ランヴァリオンの主神、男神ラムと、北方の女神ジュニパーは兄妹神であったと記録がある。
熱と氷という互いの能力を相殺し合う関係性ではあったものの、仲の良い兄妹として存在していた。
兄妹には幾つもの微笑ましい神話も残されている。
小さな喧嘩をしたある日、仲直りの印に兄のラムが妹へ炎で作った花を送った。とても綺麗な花ではあったが炎はジュニパーと相性が悪い。兄の真摯な気持ちに免じて、ジュニパーは分厚い氷のドームを作ってその花を閉じ込めた。
だが、能力は相殺されてしまう。
ジュニパーの氷を溶かしながら炎の花はやがて小さくなり、ドームと共に消滅してしまった。
それを見たジュニパーは「炎の花を送ってくるなんて」と憤慨し、ラムは「馬鹿な妹だ」と呆れる。
お互いに呆れ返ったりもしたが、結局は喧嘩のバカバカしさに疲れてやっと仲直りができた。
…そんなような話の数々だ。
神々が自身の眷属として人間を生み出し始めた頃、ヒトへの能力の譲渡を確実にするため、兄妹は北と南に所領を分けた。
以降、大陸の南に黄金の炎ランヴァリオンの柱、北に知恵の氷ジュネヴァの柱がたてられた。
「…それも二百年前までの話だ」
キリアンが眠そうに語る。
「帝国とは昔から友好国として付き合いはあるが、我が国の神話や伝承は我がランヴァリオン固有の物だ。北に生き別れた妹神は邪神などではなく、ランヴァリオンの宝。…ニンジンは気にせず信仰を貫けばいい」
「…ありがとうございます」
大きな欠伸をしたキリアンが腕を組んで、頭をフレームに預ける。しばらくすると安らかな寝息が聞こえた。穏やかな寝顔は、大理石を削り出した彫刻のように美しい。このまま博物館に飾られていても不思議ではないくらいの厳かな空気が漂う。
キリアンを取り囲んでいた数式達も、寝息に合わせてゆっくりと上下にふわふわと動いていた。
移動中の車内、静まり返った室内とは反対に、外では蒸気の抜ける音が一定間隔で聞こえる。
横目でキリアンを見ていたクラリスに、フェリクスが声をかけた。
「キリアン殿下はランヴァリオン王家の正統な王位継承者だ。君も殿下の能力を目の当たりにしたからわかるだろうが、改めて説明する」
タウンハウスに来る時に乗せられていた車よりも大きく、馬力の強い車はキリアンのためのものだと言う。
なるほど、座席は長時間の移動に耐えられるような座り心地で、外装もずっと洒落たデザインをしていた。
国内では馬車や馬などの移動手段がまだ現役で使われているが、車は王家を中心に普及し始めているらしい。
しかし、蒸気を巧みに操りながら行う操縦技術が必須であるので、国全体での本格的な普及にはなかなか時間がかかりそうな様子だった。
フェリクスはクラリスを見つめながら静かに話し始めた。
「我がカステロ家は代々、ランヴァリオン王家の『血』を管理・観測する役割を担ってきた。歴代の王たちの『バーニング・アンバー(命の火)』は、いわば暖炉の火や、夜道を照らす松明のようなもの。国を温め、人々を導く、慈愛の光だ」
そこで言葉を切り、フェリクスは隣で腕を組み、黙って目を閉じているキリアンに視線をやる。
「…半年前に先王が急逝され、我が国は殿下の即位を急がねばならなくなった。ランヴァリオンにおける王位継承の儀式には、王太子の作る特別なラム酒を、主神に奉納する事が絶対条件とされている。例外はない」
男神ラムに奉納されたラム酒は、次に全国民に振る舞われる。国民にとって王になる者のラム酒を飲むことは特別な事とされていた。
新しい王と共にランヴァリオンを支えていく。という彼らの決意表明の儀式であった。
フェリクスは苦渋に満ちた表情で、隣のキリアンを気遣うように見る。
「本来であれば、それぞれの王太子の為にその器に見合った蒸留機を作らせるのが慣例だったが」
歴代の王の暖める事が主流の熱であれば現代の工学技術で作られた蒸留機でも十分に制御が可能だった。というより、それが歴史的な本来の流れであった。
だから、王の急逝というアクシデントがあっても即位は速やかに行われてきたという。
フェリクスは視線を落とした。
「だが、キリアン殿下は違う。このお方は……数百年、あるいは始祖の時代以来となる完全な『先祖返り』の能力を発現させた。その身に宿っているのは松明などではない。すべてを焼き尽くし、命を育む根源たる『太陽』そのものだ」
クラリスは黙って頷いた。
タウンハウスで、キリアンの熱に晒された肌の痛みを思い出す。あれは酷い熱傷を与える暴力でもあった。
「…太陽に耐えられる蒸留機がないんですね」
フェリクスが頷く。
「太陽は遠くにあれば恵みだが、地上に降りれば厄災でしかない。殿下がこれまでに触れた最新鋭の蒸留機は、すべてドロドロの鉄塊に変わった。このお方が王として即位するための酒を造るには、神話時代、同じく太陽を宿した始祖王が使っていたという【アンバーカノープス】を呼び覚ます以外、道はない。我々はそう結論づけたのだ」
フェリクスはクラリスを真っ直ぐに見つめる。
「理解できたか」
何度も頷くクラリスに、フェリクスは良し、と頷く。
「質問は?」
「えっと、殿下の能力は生まれつきではないのでしょうか」
うたた寝をしているキリアンを横目に、フェリクスが口を開く。
「生まれた時から能力の発現はあったが、それは歴代の王達と同じくらい…松明程の灯りと熱だった。成長するにつけて、熱の量が膨大に膨れ上がりやがて太陽と言われるまでなった」
「そうなると、これまではどんな風に発散…?させていたのでしょうか」
「それは…」
「何もしてない。ただ荒れ狂うエネルギーをじっと飼い慣らして来ただけだ」
クラリスの小声にキリアンが目を開ける。ふわりと軽い欠伸をしている。
「お目覚めですか」
フェリクスの言葉にキリアンが口を緩めた。
「うたた寝を数年ぶりにした」
寝ることにも難儀していたらしい事を察して、クラリスは気の毒になる。
しかし。クラリスにはもっと気になることがあった。
「あの、もし…。もし、始祖王の蒸留機が機能しなくて、殿下のお酒が作れないとなった場合は、どうなるんでしょうか」
クラリスの言葉に、キリアンが美しい顔を歪めて忌々しげに笑う。
「帝国が黙ってないだろうな。暴発しそうな太陽を抱えた王族など、ただの歩く兵器だ。なんやかんや言いがかりをつけられて乗っ取りに来るのが目に浮かぶ」
「でも、例えば、殿下の熱を使わないで作られたラム酒もたくさんあるわけですよね?それを奉納するのは」
キリアンが「本気で言ってるのか?」と言う。
「王となる者が主神を騙すなどは不敬過ぎる
だろう。それこそ継承権剥奪も免れない。投獄ではすまないだろうな」
それもそうだ。
帝国でも、男神ディオスノエタの先見を発現させた者が皇帝となる。ディオスノエタの意志だ。
女神アガベピニャを主神とするテキラナ国でも、科学が発展し始めたこの時代においてなお、変質と薫香をそれぞれの王に求めている。
ランヴァリオンでは、継承された熱で造られた最高級のラム酒を奉納する事が絶対条件なのだから、他のもの、では無意味なのだ。単なる王位継承ではなく、歴史の継承でもあるからだ。
クラリスは「ごめんなさい」と謝る。
「そういう訳で、殿下の熱を受け止め、血統能力を制御できるという証明も行わなければならない。継承の式典には帝国側の招待客もくる。早急に、舞台は整えなければならない」
フェリクスがクラリスを見据えた。
「理解したか」
何度も頷くクラリスをみて、フェリクスも頷き返した。
「それで期限は…?」
早急、を強調したフェリクスの言葉に、嫌な予感がした。答えたのはキリアンだった。
「ひと月後だ。それをもって私はランヴァリオン王となる」
今度はクラリスが目を閉じた。
聞かなきゃ良かった。本気でそう思ってしまった。
潮騒の宮殿、と呼ばれる海辺に建てられた神殿は、ランヴァリオンの始祖王の系譜が眠る王墓だ。
王家によって厳重に管理されたそこの地下深く。
始祖王の時代に作られた【アンバーカノープス】…琥珀の竜骨…は静かに佇んでいた。
開け放たれた広間からは、強烈な潮の匂いとカビの臭いが漂い、クラリスはくしゃみを連発した。
ゴツゴツと歩きにくい石畳の床では、フェリクスの用意してくれたヒールが厄介だ。脱いで素足になると、クラリスは真っ直ぐに蒸留機に向かう。ひんやりと冷たい床は、灰の谷の夜を思い出させた。
アンバーカノープスは大きかった。
近寄るとその異様な姿と存在感に圧倒される。
「これが…古代に存在してたなんて…」
言葉を失うクラリスの隣で、キリアンがふむ。とこちらを見ている。視線に気づいて横目で見ると、キリアンは首をかしげた。
「なにか…?」
「反応が薄いな?」
キリアンとの出会い頭のようなパニックを予想してたらしい言い方に、クラリスは目を逸らした。不本意である。
「そんなにいつも倒れませんけど…?」
「まぁ、私は規格外だからな」
美形が自慢げに顎を反らすのは、なんとも絵になる。クラリスはこっそりそう思ったが、意識はやっぱりアンバーカノープスに行く。
地下祭壇の最奥、湿った石壁に囲まれた空間に、黒い鉄の巨塔のように屹立しているアンバーカノープス。
外殻から鈍い光を放つ黒金。
現代の金属よりも密度が高く、表面には微細な古代文字の数式がびっしりと刻印されている。それは装飾ではなく、内部の圧力を逃がすための回路。それが細かく連なっていた。
目線を上げていく。地上高約3.5メートル。太いパイプが床を這い、海水を引き込む水路へと根を張る姿は、機械というよりは無機質な植物に見える。
キリアンと似たような数式を細く垂れ流しているそれは、恐らく古代からずっと内部の圧力を逃がし続けてきたのだろう。耳を澄ますと、超音波のような、不思議な音色が奏でられていた。
装置の中央、高さ1.5メートルほどの位置に、その名の由来となった巨大な未研磨の琥珀が埋め込まれている。アンバーコア。蜂蜜を固めた金色色。内包しているのは見たこともない火花の結晶とどこか見覚えのあるような植物。男神ラムの意志を感じさせる、強い鼓動が伝わってきた。
アンバーコアには、数百もの細いパイプが繋がれている。 鏡のように景色を反射する水銀ガラス。液体とも気体ともつかない銀色の蒸気が、超高速で螺旋を描きながら流れていて、微かに不協和音を生み出している。
「これは、ただの蒸留機ではありませんね」
「そうだ、やはりわかったか」
キリアンの言葉に頷きながら、クラリスはしゃがんで床を這うパイプに刻まれた古代文字を指でなぞる。
「高熱を増幅させながら…実験を、している…錬金術のような……」
古代文字は読めないが、翻訳するように数式が揺らめきながら立ち上がる。
「重厚な外殻は、圧力と熱膨張に耐えるため。琥珀の心臓は、王の熱を取り込む電池の役割……中に閉じ込めた植物と火花を融合させて………」
うわ言のように呟きながら、パイプを触り、配管を辿って歩く裸足のクラリスの後をキリアンがついて行く。
そんなことに気づかず、クラリスは少しずつ能力を解放させながら、漏れ出てくる数式と金色の波の中を歩く。見たことの無い古代に使われていた数学に戸惑うが、それはすぐに映像となってクラリスの理解を助ける。アンバーカノープス自身も、理解者が現れたことに喜びを感じているのか、クラリスの歩調に合わせて、かつての王が作ったラム酒の作業工程を惜しみなく見せてくれる。
「こっちの部屋でジュースを……コアで融合されたラム酒は、この配管を通って海へ行く…冷やして戻されて……」
ブツブツと工程を読み上げながら頭に入れているらしいクラリスを、キリアンは後ろから眺める。
初めて冷静に異能を使って解析を始めているクラリスの姿に目が離せなくなっていた。
血色の悪い不味そうなニンジン娘という印象だったが(そして出会い頭に鼻血を出して、吐いて倒れるような虚弱さを見せられたが)、今の生き生きとした姿はとても知性的で、教育をきちんと受けた子爵家の令嬢に見える。
粗忽さはあるが、クラリスはキリアンと同じように、神から持たされた才に振り回され、そしてそれをひとりで必死に秘匿してきた人間だ。多少の浮世離れした部分は愛嬌と受け止めている。
何より、クラリスを見ていて飽きない面白さを発見してしまった。次にやらかす事が密かに楽しみでもある。…そんな心の余裕を与えてくれたのもクラリスなので、それに免じて口にすることはしないが。
手順の確認を終えたクラリスが、フラフラとアンバーカノープスから離れ、一定の距離から全体をスキャンするように目を凝らし始めた時だった。
「っっ!?」
声にならない悲鳴を飲み込んで、クラリスが頭を押さえて倒れかける。キリアンは咄嗟にその痩せぎすの身体を抱きとめた。
「クラリス嬢?!」
力いっぱいに目を閉じて、情報を遮断するようにしているクラリス。元から悪い顔色がどんどんと白くなっていく。
「…なに???」
目を閉じたまま、キリアンの腕の中で何かを嗅ぎ分けるように顔を動かすと、少ししてからクラリスは目を開けた。
「……」
「クラリス嬢、何を見た」
キリアンに抱き抱えられたまま、クラリスはぼんやりと天井を見上げている。
「おい」
キリアンの呼び掛けに、クラリスの視線が天井からキリアンに移る。少しして、抱きとめられている状況を把握したクラリスは、慌てて飛び起きた。
「ごめんなさい、無礼を」
「そんなことはいいから、何を見た」
再度訊ねるキリアンに、クラリスはもごもごと口をあける。
「れ、れくす…えねす、ぱとらす…って何か分かりますか」
クラリスの言葉に、キリアンとフェリクスは顔を見合せた。
「ランヴァリオンの古代語だ」
フェリクスの言葉にクラリスの目が見開かれる。
「レクス エネス パトゥラス…王よ、準備はいいか」
キリアンが答える。
「アンバーカノープスよ、私を試すか」
ニヤリと笑うキリアンが、おもむろに皮の手袋を脱ぎ捨てる。大股で黒く巨大な装置に近寄ると、キリアンはその胴体に触れた。
その瞬間だった。
「ギャアッ?!」
耳を抑えて一瞬倒れかけたクラリスが、必死に踏ん張ってキリアンに駆け寄る。
「クラリス嬢!!」
フェリクスの静止を無視して、クラリスはキリアンにすがりついた。
「殿下やめて!!まだ早いからっ」
背の高いキリアンの腰にかじりついて、目を閉じたまま引き剥がそうとするクラリス。
クラリスの必死な形相にキリアンは装置から手を離した。目を閉じたまま喚くように話すクラリスを、キリアンは見下ろしている。
キリアンは触っただけで、能力の解放はしていない。
それでもクラリスが取り乱すくらいに必死なのは、恐らくアンバーカノープスの記憶と現状が、警鐘を大音量で流したためだろう…と思った。
「クラリス嬢」
「アンバーカノープスが、悲鳴をあげたので…ちゃんと解析をしないと」
「ニンジン、わかったから」
「手順があるんです、あと、殿下の能力の出力の調整とか、このままだとメルトダウンしてしまう」
「…」
「お願いします、まだ力は加えないで、せめてあと二日は」
「クラリス!俺を見ろ!」
キリアンの一喝でクラリスはハッと我に返った。
美しいランヴァリオンの王位継承者の腰にしがみついて離れない、貧相なニンジンの化身…。
キリアンの下目遣いが冷たい。
クラリスは青ざめながら飛び退いた。そして、土下座をした。
「ごめんなさい、不敬罪でした」
「このやり取りは必要か?」
「…いえ、その…取り乱してごめんなさい」
萎れるクラリスが、それでもキリアンを真っ直ぐにみつめながら口を開く。
「ひと月後の儀式に間に合わせるには、解析に二日は必要です」
キリアンが頷く。
「どうやら破損している部品とか、新しく用意しなければならないものもあるようで…」
「用意するべきものを言え。私もフェリクスも全て揃えるつもりでいる」
「ありがとうございます。それならまず…」
クラリスはアンバーカノープスを見つめながら、キリアンに告げた。
「まず、ランヴァリオンの古代語がわかる人を」
「なんだと」
「あの錬金術装置は、古代語を話すんです」
状況を映像で見て解析することもできるが。
「古代語で話される昔話の中に、始祖王の継承式の様子や、その時に使われていたボタニカルの秘密を話したがっているようでした」
クラリスの言葉に、キリアンとフェリクスは目配せし合う。
「古代語なら私しかわからん。任せろ。どんな話が出てくるか楽しみだ」
クラリスが頷いた。
「他には?」
フェリクスが先を促す。
「メモを書きます。それをお願いします。あと」
「?」
フェリクスから受け取った筆記具に、リストを書き付けながらクラリスは続ける。
「解析が終わるまで、私はここで寝泊まりします」
「はぁ?!」
高貴な身分の二人が声を揃えた。
石造りの広間に、それは大きく反響するのだった。
ランヴァリオンの港に、帝国からの客人たちが到着した。
皇帝の名代役の貴族たちが、それぞれに長い船旅の疲れを労い合う。
その中にひとり、他の貴族たちとは雰囲気が異なる男が混じっていた。黒いコートに黒い帽子を目深に被った、中年の男だった。銀縁眼鏡の奥の瞳は鋭く、蛇のような狡猾さを覗かせている。
じっと港町を眺め下ろすその男は、何かを探すように視線をゆっくりと巡らせていた。
「お疲れ様でしたな、ベルンシュタイン伯爵」
人の良さそうな太った公爵が、その男の肩に手を乗せて労う。
ベルンシュタインと呼ばれたその男は、銀縁の眼鏡を指で押し上げてから、微笑んだ。
「リッカー公爵閣下、今宵はゆっくりおやすみくださいませ」
「そうだなぁ、休む前にこの国のラム酒で一杯やりたい。それを楽しみにしてたんだ」
せり出た腹を揺らしながら、リッカーが下船の為に移動してゆく。
その背中を見送ってから、ベルンシュタインは微笑みを消して、鋭く港町を睨みつけた。
「泥ネズミの、クラリス・エヴァンジェリン。お前は皇帝の敵になるつもりなのかね?」
南国に不釣り合いな黒いコートを脱ぎながら、銀縁眼鏡の男…オズワルド・フォン・ベルンシュタイン伯爵は下船する。
コツコツと踵を鳴らしながら、彼は逃げた泥ネズミのクラリスを探すべく、早速行動を開始するのであった。




