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この冒険者がこんなに賢いわけがない

 翌日、ミニストに来た黒季。久々に異世界に来たが、街を見るとサファイア騎士団の人達がパトロールしていた。恐らく、前のサファイア団長誘拐事件があったからか、警備を高めているな。まあ、みんなから信頼している騎士団だから、みんな親切に接してくれている。


黒季「何だか、前よりも賑やかになっているな」


ジャラゴン「まあ、あれだけの事があったからね」


ケンちゃん「あの事件以来、城の中でも人事調査が行われているそうです」


まあ、より良い環境作りになっているって言う事だな。街の人達もそうだが、冒険者達も楽しくしているようだな。冒険者と言えば、エリザベスもといエリーザ達も元気にしてるかな?確か、スターバ、テリアーロ、タリーも元気にしてるかな?そう思いつつ、冒険者ギルドに向かっている時、道中に男性達に責められている女性を見つけた。しかも、よく見ると見覚えある顔だ。知らない顔するのがいいかもしれないが、念の為確認しに行った。覗いてみると


男A「おらっ!!さっさと出すもん出しやがれっ!!」


女性「もう持ってませんよ〜!!」


男性B「何言い訳してんだっ!!」


うん、見た事ある。エリザベスもといエリーザだった。本当何してんの?目を合わせない方が吉かな?貴族だから、たまにはこういう社会勉強が必要なのかな?でも、なんか逃げるのも申し訳ないかな。あれこれ考えていると、


エリーザ「あっ!!ノワオさん!!」


と声を掛けられた。しまった!?逃げられない!?それと同時に男達もやって来た。


男A「何だ!?こいつの連れか!?」


黒季「連れっていうか・・・ていうか、何でこうなってるの?」


エリーザ「良くぞ聞いてくれました!!」


途中、テンションが高くなった。すると、エリーザは理由を喋り始めた。すると、液体の入った瓶を取り出した。


エリーザ「これを水に入れるとポーションになる魔法の水よ!!これでポーションを買わなくても済むらしいわ。それを沢山の人に紹介していったけどお金が必要だから、そこでこの人達に沢山借金して投資したのです。今は返事は無いけど、1ヶ月もすれば10倍になって帰って来るって言ってましたわ!!」


男A「それで俺達が取り立てに来た訳だ!!」


・・・うん、世間知らず過ぎない?なんか馬鹿すぎて、いいカモにされたな。この場にいたみんな唖然してしまった。要は怪しい商法に騙されたな。話を聞いた男共はさらにイラつかせてるし。ちなみに借金を返済しないと、娼館で働かされるらしい。しょうがない、面倒事になる前に解決しようか。


黒季「その利息はいくらですか?」


エリーザ「え・・・?」


男A「ん?ああ、金貨10枚だ」


黒季「じゃあ、これで」


黒季はポケットから金貨10枚を取り出した。これは前に盗賊団を襲撃した時に持って帰ったものだ。まだ金貨は十分あるから、返すには困らない。


男A「確かにな。毎度あり」


男B「次は期日前に返せよ」


そう言うと男共はどっかに立ち去った。やれやれ、大変な目にあった。エリーザもこれで懲りてくれたらいいが・・・。


エリーザ「あ、ありがとーっ!!あなたは命の恩人よ!!」


黒季「抱きつかないで!?命の恩人ってほどでもないよ!?」


エリザベスもといエリーザは急に抱きついて来た。助けてくれた事が余程嬉しかったのだろう。いや、上手い話に乗せられる方がおかしいけど。


エリーザ「今日は私がご馳走しますわ!!着いてきてください!!」


エリザベスもといエリーザは強引に僕の腕を引っ張った。もう、どうなってもいいや。すると


女性「エリーザちゃん!!助けてー!!」


とまた女性が悲鳴を上げながら、走ってきた。やって来たのはテリアーロだった。何やらあっちも困っている様子だ。


テリアーロ「エリーザちゃん!!てノワオ君もいる!!」


黒季「何があったの?」


テリアーロ「じ、実は・・・」


テリアーロは泣きながら事情を話してくれた。



―時は遡る。約1週間前、怪しい男性に声を掛けられた。


怪しい男性『ねえねえ、そこの可愛いお嬢さん、ちょっといいかな?俺ら旅の商人なんだけど、新商品のモニターを探しててさ。アンケートに答えて欲しいんだよね』


テリアーロ『悪いけど、忙しいので・・・』(明らかに怪しいわね)

      

怪しい男性『そっか残念だな。せっかく名産のお菓子を取り揃えたんだけどな』


テリアーロ『お菓子っ!?あ、いえ・・・結構です』


怪しい男性『良かったら試食してよ』


テリアーロ『なっ!?これはロッソ法国にしか売ってない、超高級のお菓子!?そ、そう言うなら仕方ないわね』


怪しい男性『これも食べてってよ。あ、その前にこの紙にサインしてね』


テリアーロ『もぐもぐっ!!分かったわ!!』


後日、テリアーロには多額の請求書が届いた。


テリアーロ『そ、そんなっ!?借金!?なんで!?』


―という事があったようだ。・・・馬鹿じゃない?そんな上手い話、ある訳ないでしょ。なんか不安になって来た。


エリーザ「ダメじゃ無い!!そんな怪しい話に乗ったら!!」


黒季「お前が言うな」


どうやら彼女も騙された様子だ。そんで今は返済のためにクエストをやっているが、中々終わらないらしい。このパーティー、大丈夫?


テリアーロ「ノワオ君!!君にも手伝ってくれると嬉しいのだけど・・・一緒に・・・」


するとまた、悲鳴を上げてこっちに走ってくる人がいた。あれは、タリー?何で・・・てまさか!?


タリー「大変よー!!何か借金が出来ちゃいました!!」


エリーザ「あなたも!?」


テリアーロ「何で!?」


タリーは息切れをしながら、エリーザ達の所に辿り着いた。手には何か紙を握っている。


エリーザ「タリー、それは?」


タリー「これは・・・借用書って奴」


黒季「なっ!?」


ジャラゴン「嘘おぉーん!!」


思わずジャラゴンも声を上げてしまった。まさか、借用書に名前を書いたのか!?また騙されてる!?みんな騙されすぎじゃない!?本当に大丈夫!?このパーティー。もう4人目はやめてくれ。すると今度はスターバだった。


スターバ「みなさん、どうしました?そんなに慌てて」


エリーザ「聞いてよ!!私達、みんな借金をしちゃったのよ!!」


スターバ「ええ!?」


エリーザ「私は返済出来たけど、後の2人が!!」


タリー「あなた、返済出来たの!?」


テリアーロ「ずるい!!」


いや、君達が原因なんだけどね。それにしても、スターバの手には大量の本が入った袋があった。


黒季「ね、ねえ。その袋って・・・」


スターバ「これ?あ、これはね今流行っている冒険者専用の本ですわ。これがあれば、どんなダンジョンも攻略出来るらしいですわよ」


あれ?何か怪しい匂いがして来た。しかも1冊だけならまだしも、大量にある。て、ことは!!


スターバ「これを売ってくれば、みんな買ってくるって言ってましたわ。たしか、まるち?じゃないから大丈夫って言ってましたわ」


それ、マルチッ!!どう考えても怪しいでしょ!!君達、ええかげんにせえよ!!こっちに来るんじゃなかった。もうやる事と言ったら1つしかない。


黒季「君達、クエストに行けー!!」


4人「えっ!?」


僕は4人を引っ張った冒険者ギルドに向かった。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


ここはミニストから少し離れた草原、セイコマット。よくモンスターが出る事で有名な草原で、冒険者達の狩場にもなっている。今日はあるモンスターの討伐のため、4人を連れて草原にきた。


黒季「今日は"シュナイデンマンティス"の討伐をしてもらうよ」


エリーザ「知ってるわよ。これが1番高かったんだから」


タリー「まさか、ノワオさんが怒るなんて」


テリアーロ「珍しいね」


スターバ「あ、あれですわ!!」


ちょうど奥から巨大なカマキリが現れた。カマは鋼で出来ていて、腕が4本もある。それに目が良く見えるせいで獲物を捕らえるのも簡単だとか。それ故に討伐が難しいモンスターでもあった。


黒季「じゃあ、やってみてよ」


エリーザ「ていうか、何であなたが仕切ってるんですか!?」


テリアーロ「あれは、仕方がないよ。私達、借金地獄になっちゃったんだから」


4人は早速シュナイデンマンティスを討伐しに掛かった。しかし、視野が広いせいか、弓矢を弾き、剣を受け止めてしまう。スターバとタリーは魔法攻撃で応戦するも、レベルの違いがあり過ぎるせいか全く効いていなかった。たしか、モンスターにもレベルがあって、中には自身のレベル以下の魔法は無効というモンスターもいるようだ。シュナイデンマンティスはまさにそれだ。シュナイデンマンティスも4本のカマを振りかざし、辺りを斬り始めた。草や花は斬られ、服や帽子の一部がスパッと斬られた。まさに初見殺しの敵だな。


エリーザ「全然効きませんっ!!どうすれば!?」


エリーザも苦戦しているようだ。冒険者のレベルを上げるには偉業を成し遂げないといけない。つまり、自分よりも強い何かを倒さないとレベル上げが出来ないという事だ。今の4人には、まさにこれが偉業になるだろう。しかし、相手も一筋縄ではいかない。戦い慣れているのか、相手の急所を狙い始めた。一応防御魔法を施しているそうだが、レベルの低い魔法でいつまで耐えられるのか。


タリー「くっ!?全く効きませんわ!!」


テリアーロ「もう滅茶苦茶だよー!!」


スターバ「何か手は!?」


流石に今の4人には厳しかったかな?しょうがない、元々借金返済のために挑戦したクエストだから、ここは僕が片付けよう。


黒季「そろそろ交代だね」


エリーザ「えっ!?」


テリアーロ「ちょ!?武器もないのにどうやって!?」


黒季「魔法で倒すよ」


タリー「相手は魔法が効かないのですよ!!それでどうやって!?」


黒季「なら、より高いレベルの魔法で倒せばいいだけだよ」


スターバ「無茶よ!!」


シュナイデンマンティスも僕の存在に気づいた。相手は獲物を狩るモンスター。禍々しい気配を感じた。しかし、それはこっちも同じで獲物を狩るモンスターだ。今、聞こえてくるのはシュナイデンマンティスの唸り声と風が吹いてそよぐ草。4人は黙って見ていた。空は曇天になり、より一層緊迫感が走る。お互い、見つめあって動かなかった。


エリーザ(だ、大丈夫だよね?)


テリアーロ(本当に倒せるの?)


すると、目の前にいた1匹のバッタが飛び始めた。その瞬間、シュナイデンマンティスは動いた。カマをかざし、素早い速さで襲い掛かろうとした。


黒季(・・・遅い。キングミルパッドみたいに遅い)


やがて距離が徐々に短くなっていき、あと数センチぐらいになった。


タリー「!!!!」


スターバ「危ない!!!!」


シュナイデンマンティスはカマを振りかざそうとした時、相手の動きが止まった。まるで映画の一時停止みたいに。4人は何が起こったのか、分からなかった。ただ、ノワオは一歩も動いてない。カマもノワオに届いてない。すると、シュナイデンマンティスの体が横に倒れた。すると、手に持ったジャラゴンがテレパシーで話しかけた。


ジャラゴン(おい、まさか寿命で抜きとったのか!?)


黒季(だって、寿命を抜き取るのが楽だから)


ジャラゴン(どうやって魔石を抜くんだ!!奴の体は硬いんだぞ!!ドロップアイテムだって、女子が持って帰るには重いぞ!!)


黒季(・・・何とかする)


黒季は4人を集めて、早速魔石を取り出し始めた。魔石は体の背中部分にあり、硬い部分から取り出すのに苦労した。ついでに体も綺麗に残ったので、みんなで協力しながら運び出した。


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


冒険者ギルドザフィーアにシュナイデンマンティスの魔石と体を運び出した4人。シュナイデンマンティスの体は硬い故か、武器や鎧を作るのに役立つそうだから、かなりの額になっただろう。ちなみに報酬は金貨50枚。返済には丁度いい額だな。まあ、まだ足りないけど。その後、ギルドを抜けた4人は外で待機してる黒季の所に寄った。


黒季「どうだった?」


エリーザ「・・・すごい額になりました」


黒季「良かったね」


それから4人は黙ってしまった。まあ、あんなものを見たらこうなるか。なんて掛けたらいいんだ?と模索し始めている時、エリーザ達は腕を掴み、路地裏へ引っ張った。その後、誰もいない事を確認すると、4人は顔を近づかせ、僕に這い寄った。


エリーザ「あなた、一体何者!?」


テリアーロ「私も知らない魔法を使うなんて、あるは何て魔法ですか!?」


タリー「あのシュナイデンマンティスを一撃で倒すなんて!!」


スターバ「これからも借金の返済を・・・いや、一生私達と組んでください!!」


黒季「にゃあぁぁぁぁぁー!!!!」


ジャラゴン「うわー、異世界ハーレム展開か!?」


ケンちゃん「白沢ちゃん達には紹介出来ないな」


またもや、異世界で面倒事に巻き込まれてしまった。勘弁してくれ〜!!


◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇


謎の冒険者「へー、あの男が関わっていたのか」


その頃、上からこの状況を見ている者がいた。赤髪ポニーテールで褐色肌の冒険者だ。


謎の冒険者「しばらく観察しよっかな〜」


その後、何処かへ行ってしまった。

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