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144.作戦会議

「さて、と。んじゃ、こっからどうするかなんだけど……」


 生き残った全員の治療を終え、隊がなんとか動けるようになった頃。リンは頭の後ろで手を組み合わせながら、リック、リレイヌ、そして隊員たちに視線を向けた。


 誰もが隊長の決定を待つ中、リンはごく自然と言うように口を開く。


「さっき本部に通信を試したら一応回線は繋がったからヘルプ出しといた。多分だけど杏ちゃんの部隊あたりが俺たちが行くはずだった南西に向かっているはず。……と、いうことで。俺らはひとまず今回の“敵”を退治して帰還しよっか!」


 にっこり笑ったリンに、「“敵”……?」と首を傾げるデルヘム隊。不思議そうな彼らの様子に、リンは頷いてからリックとリレイヌに目を向ける。


「恐らくだけど、今回のコレはりっちゃんたちと知り合いであるあの腐れ外道が関係してると思うんだよね。随分とまあやってくれたし、俺もちょーっとイライラしてるわけ。なので引っ捕えてボコってやろうと思いましてね」


「引っ捕えてって……どこに消えたのかも分からないのに、大丈夫なんですか……?」


「隊長の勘の良さは知ってますけど、それを頼りに探せます……?」


「そこ! そこが問題なんだよね!」


 大きく頷いたリンが腕を組む。


「ぶっちゃけ言うとさすがに俺の勘でもこの状況はどうにもならない気がするんだよ。でもこのままは嫌だしさぁ……ってことで、なにか案ある人〜」


 はーい、と片手を上げて問うたリンに、誰もが互いに顔を見合わせた。さすがに案はないのか、困った顔をする一同に、リンは「ま、そうだよね〜」と軽く頷く。


「予想はしてましたありがとうってね。ーーりっちゃんとリレイヌちゃんも何も無い感じ? あの変人を見つけて捕獲する方法、思いつかない?」


「えっと……」


 リレイヌがチラリと視線をリックへ。困ったように眉尻を下げる彼女に、リックは難しい顔で沈黙。そっと不思議そうなリンを見やって、口を開いた。


「案なら、一つだけ……」


「お、まじ? 聞かせて」


「……恐らくですが、アレは認識阻害魔法を使用している可能性が高いです。かなり初歩的な魔法なので、ある程度力のない者が使うと痕跡が残るーー俺にはアレに強い魔力があるとは思えない。なので、痕跡を追うことは出来ると思います」


「ほう」、とリン。腕を組み、感心したように頷く彼に、リックは「まあ、全てリレイヌが教えてくれたことですけど」と一言最後に付け加えた。リンは再び頷く。


「おっけー。じゃあその痕跡っての追ってみようか。頼んでいい?」


「あ、はい」


 パッと立ち上がったリレイヌがきょろりと周囲を見回し片手を上へ。祈るようにその手を胸元に当てると、少しして「こっちです」と歩き出す。


「うーん、優秀」


 言いながらリレイヌを追いかけるリン。それに続くようにデルヘム隊も動き出し、その場に残ったリックも少し遅れて皆を追う。


 ザクザク ザクザク


 軍靴が土を踏みしめる音が、静かな森に響いていた。

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