第二十六話 能力と報酬
ここにきて、俺は二人の仲間を得る事ができた。その二人、フェンリルとユニコーンに名前をつけよう。
フェンリルには
「リル・フェンリル。それが、お前の名前だ。分かったか?」
「うん、ボクの名前はリルだね。よろしくね」
そう言ってリルは尻尾を左右に振る。
「か〜! あの無防備な様子がたまんないね! 一緒に湯浴みして、あの身体を思う存分に・・・うふふふ」
こんな事を言うのは、見た目は美少女で、中身はチャラいスケベユニコーンである。
こいつ、こりないなぁ。
「ユニコーン」
「なんだい?」
「お前にも名前をやる。ユーリ・ユニコーンだ。いいか?」
「ユーリだね。ありがとう」
能力も見てみたい。
フェンリルは、サァベルと似ている。ただ、手数のサァベルに対し、一撃のリルといった感じだ。
・狼牙(一撃必殺)
・加速
・跳躍
ユニコーンは回復や支援が得意のようだ。
・回復魔法
・全能力上昇(腕力、耐久力、速度、持久力)
・結界生成
・死者蘇生(代償有)
ユニコーンに死者蘇生は、代わりにユニコーンが死ぬ可能性があるようで、仮に死ななくても一ヶ月はベッドから起き上がれないくらい弱体化するようである。
「だから私はフェイロン以外の相手には、死者蘇生は使いたくないね」
「分かっている。それは無いものとして扱うよ」
これで前衛として、サァベル、リル。
後衛に俺、ライム、ユーリとパーティーとしてのキャラが揃ってきたな。
そして報酬をもらわねば。
「ユーリ」
「なんだい、フェイロン」
「約束の報酬をもらいたいのだが?」
ユーリは後退りながら、両手で胸を押さえて俺を睨みつける。
「いやらしい目で私を見るな。この豊満な肉体が報酬だなんて言ってないぞ」
女性は男性の視線に敏感だと聞くけれど、ここまでとはなぁ。ユーリは元が雄だから、余計に過敏になるのだろう。
ライムやサァベルは俺が見ても、気にしてなかったんで無遠慮になってたか。
パートナー化する時に服を着せろと願ったのは英断だったと思うが、ブラジャーは無いんだよなぁ。揺れると、つい見入ってしまうよ。
「俺も聞いてないし、報酬の話をした時はユーリは馬だったろーが」
「馬って言うな。私は誇り高きユニコーンなんだぞ」
「元ユニコーンな。今は俺のパートナーだ。それと、男の視線に慣れろ。お前だって、そんな目で見てたじゃないか」
「うぅ〜・・・女性は、こんな不快な視線に耐えていたのか」
「あとな、ついでに言っておくけど、あんな事を言ってると、男って生き物は逆に意識して襲いたくなるから気をつけろよ」
「ひぃ〜ん・・・」
ユーリの話では、フェンリルの巣と思われる洞窟に行けば、何かお宝があるだろうから、それをやればいい。
とか考えて言ったそうだ。報酬出すなら、ちゃんと自腹をきれよって思う。
リルに巣のことを聞くと、キマイラやミノタウロスなどが生息してた洞窟を奪ったらしい。俺達が戦ったのは、リルに追い出された奴か、
「何か価値のありそうなのは、あったか?」
「ボク、分からないよ。でも箱があった」
もしかしたら宝箱か?
情報は曖昧だけど、手強いモンスターはリルが追い出してしまってるので、さしたる問題は無いだろうと皆で判断した。
リルの案内で半日ほど歩くと洞窟が見つかったので、早速探索を開始するが、特に何も見つからない。
「まぁ、こんなもんだろうよ。帰るか?」
「ダメだよ。一応リルちゃんが言ってた箱だけは確認しようよ」
オルソンか諦め口調で言うと、マリアが嗜めた。しかし、宝があると期待してる口調ではない。
「ここだよ。ボクが寝てた部屋」
指差した洞窟の奥。部屋と言えない事も無い。だが洞窟がどうとかいう以前に不自然な物が、そこにあった。
それは帝城とか王城とか呼ばれる、立派な城の宝物庫に鎮座してれば自然だっただろう。そんな立派な宝箱が、何故かあった。
「あ、これだよ。ボクが言った箱は、これ」
とても嬉しそうにリルが指差している。
俺はリルに感謝しつつ、頭を撫でながら皆を見た。これ、どう思う? と。
全員が首を振る。
だよねー
怪しさ大爆発だよね、これ。
「サァベル、俺の護衛!」
「はいですわ!」
「解錠!」
俺が宝箱を開こうとした瞬間、「なんでだよ!!」の大合唱が聞こえた。
「誰がどう見たってミミックでしょー!?」
もう訳が分からないよ、と副音声付きでエルフィンが叫ぶ。まさに、その瞬間宝箱に擬態してたミミックが襲いかかってきた。
俺だけなら、何も反応できずに殺されたに違いないが、サァベルの反応速度は尋常ではない。見事にミミックにアッパーを当てた。
天井に当たって落ちてくるミミックに、俺は能力を使った。
「俺のパートナーになれ!!」




