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第二十五話 フェンリルに勝利

 世の中には何が幸いするか分からないもので、フェンリルはユニコーンのパートナー化するのを、まともに見てしまったようだ。


 あんな眩しいものを見ては、目が眩んで動けないのに加えて、生物がありえない形に変化するという常識外れな現象を目の当たりにして、呆然としたのだろう。


 頭が良いというのも考え物だよな。


 そして、フェンリルの隙を逃すような真似は、誰もしなかったんだ。エリック、サァベル、オルソン、マリア、ミリーシャが直接攻撃を仕掛けて、全てが命中した。


 あっと言う間にフェンリルが血に染まる。


 エルフィンが水魔法を使って、フェンリルの顔を水で覆った。呼吸が出来ずに窒息させる気なのか、結構エゲツないな。

 フェンリルが苦しんでる間に、サァベルが接近してきた。そして乱舞系の技、猛獣乱撃を繰り出した。

 この技用に鋼の手甲を与えてたんだけど、サーベルタイガーの爪で何十回も斬り刻むのって、相手に同情するよ。


 勝ってるから言えるんだけどね。


 ぐったりしてるフェンリル。肉体的ダメージのせいか、窒息してるせいか、その両方か。


 サァベルが早く早くと手招きしてる。


 あ、そうだな。パートナー化してしまえって事だったな。勝てそうだし、なんだかボンヤリ見ていたよ。


 グッジョブ、サァベル。


 俺は邪魔が入る前に急いでパートナー化の能力を使った。


 「俺のパートナーになれ!!」


 ぐったりした体を思い切り叩くと、フェンリルの身体が光り輝きだした。


 これで当面の危機は去ったな。

 あとは結界を張り直せば大丈夫だろう。


 「あ〜ッ!? わ、私の体がッ!? 私の自慢のグレートホーンがァ!?」


 いきなり喧しくなったので、振り返ると見たことのない金髪の美少女が、股間を押さえて騒いでいた。髪はポニーテールで額には小さな角がある。


 どうやら、こいつはユニコーンのようだ。

 

 とりあえず謝罪しよう。

 フェンリル叩くつもりで、ユニコーン叩いてしまったから、こうなったんだし。


 「ごめんな、ユニコーン。全部、俺のせいなんだよ」

 「というと?」


 ユニコーンに、俺の能力について話す。ユニコーンは黙って聞いていたが、いきなりブチ切れた。


 「美少女は可愛がるもので、自分がなるもんじゃないだろ。せめて男にしてくれたら、世界中の美女と美少女に種付けしてやったのに!」


 こいつが人間の男になってたら、どれだけの女性が妊娠してたろう。そしてユニコーンはNTRされた男性の憎悪の炎で焼かれてたな。


 こいつを女にして正解。

 グッジョブ、俺。


 そしてもう一人、美少女になった奴がいた。

 フェンリルだ。

 エルフィンの話では、まだ若い個体じゃないかって話だったが、俺の能力だと老いたフェンリルさえ美少女になっちまうからな。

 

 あまり、元の年齢とか意味無いよな。


 フェンリルは人間になった身体を眺めてた。背が小さくて、顔立ちも子供っぽくて大変可愛いのに、身体の方は凄いのだ。胸と尻は大きくてウエストは細い。

 昔はフェンリルみたいな娘をトランジスタグラマーって呼んだらしいね。今は使ってないから死語なのかな?


 どちらにしても、この世界じゃ意味ないけど。


 「フェンリル、俺の仲間にならないか?」

 「うん、ボク仲間になるよ」


 よし、仲間が増えたぞ!

 さきほどは、フェンリルの胸と尻に目が吸い寄せられて気がつかなかったが、この子は獣人だ。ふさふさの尻尾と、大きな獣耳を持っている。

 仲間になった時に、尻尾を左右に振って、とても可愛いじゃないか。


 あとはユニコーンか。

 そういや、あいつ静かだな?

 と思ったら


 「ちょっと!? どこに手を! あ〜ッ!こら、変なとこを摘むんじゃないッ!!」

 「え〜? 女の子同士のスキンシップじゃないか」

 「そんなに揉まないで〜!!」


 エルフィンがユニコーンの餌食になっていた。中身はスケベ馬だが、外見は金髪美少女だから、その絡みはエロい。


 しかし胸を揉んで物足りないのか、サァベルを標的にしていた。


 「大きくて柔らかくて、もう最高だね!」


 ユニコーンだってサァベルに負けない巨乳なのだが、サァベルの胸に夢中である。サァベルは困惑した表情で俺を見る。


 なので、親指を立てた。

 そして親指を下に向ける。

 やっちゃえ、サァベル!


 「ぎゃあぁぁぁ!? 痛い痛いッ!!」


 サァベルはユニコーンの頭を鷲掴みにした。刃物のような爪がユニコーンの皮膚を裂いていた。


 「頭蓋骨が割れるゥ!? ひいぃぃん!!」


 俺の合図でサァベルが手を離すとユニコーンは大の字になって倒れた。回復魔法を使って、即座に治癒するのは、さすがだよね。


 「人の嫌がる事をする奴は、同じ目に合わないと分からないかな?」

 「やめろ!! 汚くて臭い男になんか!! 」

 

 それでも近寄ると目に涙を浮かべて叫びだした。


 「例え体を汚されようと、心は屈しないぞ!」

 

 今さっき、エルフィンを汚した癖に、よく言うなぁ、こいつは。もう、うるさいので捕まえて尻叩きの刑に処した。


 「お、お尻がッ!? でも、なんかちょっと気持ち良かったかも・・・」


 新たな性癖に目覚めたらしい。

 面倒なので放置。


 「フェンリルの件も解決したし、草原の民が待ってるからな。よろしく頼むぞ」

 

 他のユニコーンに頼むと、重々しく頷いて了承してくれた。チャラいのは女の子になった個体だけらしい。


 これでギルドの依頼も達成だ。


 「さぁ、行くか」

 「ちょっと待て〜!!」


 女の子になったユニコーンに呼び止められた。


 「私はどうなるんだ!?」

 「ここで生活するなり、人間の世界で男に貢がせるなり、好きにしたらいいよ」

 「私も連れていけよ!」


 でもなー、こいつを連れていくと、他の娘が毒牙にかかりそうで。


 「やんないよー、頼むよー」

 

 仕方ない。 

 連れて行こう。

 こうして、ユニコーンも仲間になった。


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