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百三十八話 お金を作ろうか?

 日本で言うなら、わりと豪華なマンションの3LDKと同じくらいの広さを持つ部屋を作った。この部屋を100室作る。

 リビングだの和室だのは作ってない。初期状態では、ただ広い一部屋でしかない。ここからはオフィスビルのように、パネル式の壁を用意して要望があれば部屋を作っていくのである。水回りは作るのが大変で、手間もかかるので共用だ。

 それと鍛治仕事は大きな音が出るだろうから、大人数が仕事できる大きな作業場所を作るか。


 あとの細かい内装は蜂っ子に任せよう。ドワーフ達に話を聞いて作れば良いし、ドワーフは資材さえ与えれば自分で勝手にカスタマイズするだろう。


 あとは生活排水や汚水を浄化してくれるスライムをスカウトしに行かなくては。今後、ドワーフが増える事を前提にして、多めに20匹くらい勧誘しておけば良いだろう。


 水回りを共用にしておけば排水場所をコンパクトにできるし、スライム達にはそこで仕事をしてもらえばいい。浄化された水は外へ捨てりゃいいよな。




 さて、ドワーフに移住してもらったが、彼らが従来と違うのは俺が養う家族ではないって事なんだ。つまり彼らに何か仕事をしてもらうって事は対価が必要なんだよな。

 その辺は世界樹から移住してもらったエルフも、オークやゴブリンも同様なんだけどさ。エルフは俺の嫁さんだし、オークにゴブリンは魔王の配下だ。


 養う相手であって、取引したりお金のやり取りをする相手でも無かったんだよなぁ。今までは原始的村社会だったというか。


 それが言葉は悪いかもしれないが、完全な余所者であるドワーフが来た事で、貨幣経済に一歩踏み出す事になってしまった、みたいな。


 「だから、まずは金貨と銀貨を作ろう」

 「今まで使ってたお金じゃダメなの?」

 「だってドワーフに俺達の武具を作ってもらうんだぞ。お金が足りないだろ?」

 

 ミッキーの問いに俺は答えた。

 

 武器と防具を2000個くらい買うんだぞ。

 結構な金額が必要になるじゃないか。


 しかし、いざ作るとなると、どうしたら良いか。

 それがまるで分からない。

 普通に丸いコインの形で作れば良いのか。

 それとも麻雀の点棒みたいな方が良いのか?


 「これで良いかの?」


 試しにベティに何のデザインもしてないツルツルの金貨を作ってもらったが安っぽいなぁ。現代日本だと造幣局って、どうやって硬貨を作るんだ?


 薄い材料の金属板を打ち抜いてんだっけ?

 無理だな、そんな機械無いし。

 あとは型を作って、溶かした金属を流し込むやり方かな。これならドワーフに頼めば、型は作ってくれそうだけど、金貨のデザインとか誰なら出来るかな。


 「そんな難しく考えんでも、ほれ、そこの棒で構わないぞ」

 

 麻雀の点棒を参考に作ったのを指差して、ゴーワンが言う。


 「そう言ってくれるなら有難い」

 「それとな、金銀で作るよりも、ミスリルやオリハルコン、ヒヒイロカネで作ってみたらどうだ?」


 その発想は無かった。


 「我々からしたら、同じ重さの金銀より価値があるものだし、どこでも高く買い取ってくれるだろう」


 じゃあ、そうしてみるか。

 そうやって作るのが楽な点棒型硬貨の運用が始まったのだけど、ドワーフが面倒臭がるようになった。


 「おう、フェイロン! ちょうど良い。頼まれとった蜂っ子騎士の武具が100セット完成したぞ」

 「ありがとう。さすがに仕事が速いな。じゃあ料金はミスリルを5000本と・・・」

 「チマチマと面倒だな。ミスリルを50キロ、オリハルコンと、ヒヒイロカネを15キロくれ」

 「分かった」


 結局、キロ単位で要求されるようになり、代価に要求された金属の塊を渡すようになったのだった。



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