百三十九話 もう一度、天空へ
空飛ぶ島にドワーフの村を作ってから1年が過ぎた。島のドワーフ村も落ち着いて、ドワーフによる武具製作も順調だ。またセージュと妖精に依頼して、ドワーフの国との通路も設置した。
これにより、ドワーフの国との技術交流も盛んに行われていて、空飛ぶ島の鍛治技術が停滞する恐れも無いようだ。
浮遊大陸から逃げてきて、三つの目標を立てた。
エルフ娘を大量に引き取る、ドワーフを勧誘する、セージュを仲間にする、の三つだ。
これを全部達成する事が出来たばかりでなく、魔王ルシファーと、その妻でノーライフキングのリリィ、魔王軍の幹部とオークとゴブリン400人まで仲間に出来たのは運が良かった。
だから、時は来た。
と、思うのだ。
そう、再び天空の浮遊大陸へ!!
そこで俺は魔王を呼び出した。
「何か用か? 娘と遊ぶので忙しいのだが」
「リリィはどうした?」
「料理研究とかでボルテ達と蜂っ子の所へ行ってるはずだ」
「そうか、まぁいいか。実はな、天空の浮遊大陸へ
国造りに行く時だ、と思ったんだ」
「すっかり忘れていた。この先200年は現状維持だとばかり思っていたのだ」
ベティ達の血を飲んで不老になったと言われたが、全然実感が湧かない俺としては200年を無為に過ごすのは長すぎる。それとも美少女達とハーレム生活をしてたら、あっという間に過ぎるのだろうか?
そんなことを考えながら、ルシファーを連れて操縦室へ向かう。その道中でルシファーは話しかけてきた。
「フェイロン」
「なんだ?」
真剣な眼差しのルシファーに、俺は心身ともに身構える。
「お前は、すでに何人か子供を産ませているな?」
「まぁな。世話は蜂っ子達がしてくれてるよ」
「子供の将来は考えてるか?」
浮遊大陸に先住民がいたら、下手すると戦争になるから、それを言うのかと思えば・・・。
「考えてるよ。俺の故郷には文武両道って言葉があるんだ。武術も学問も等しく学んで、片方だけに偏るのではなく、両方とも優れてる事を意味する。子供が大きくなったら、そういう教育をする」
勿論、俺の子だけじゃない。仲間達の子供を含めた全員にやるんだ。
「ルシファーの子も共に学ぶ学友を作り、ライバルを作って切磋琢磨し、共に笑って、共に泣いて、成長した頃には信頼できる腹心ができてるかもな」
「お前の子は、どうなのだ?」
「ルシファーの子の部下になるかもしれないし、他の兄妹と一緒に旅にでるかもしれないし、まぁ好きにやらせるよ」
そんな奴らの故郷を、これから天空に作ってやるんだな、とルシファーは頷いた。たわいも無い話をしながら操縦室にくると、今日の当直らしいナツミが俺とルシファーに敬礼をする。
「ナツミ、あの浮遊大陸へ上昇開始だ!」
「了解! 上昇開始!」
俺は伝令役の蜂っ子にも役目を与えた。
「各種族に伝達。戦闘準備。それと地下に移動して待機だ」
「「「「了解!!」」」」
空飛ぶ島は、ゆっくりと上がっていく。フユミが鎧を着て入ってくると、ナツミと操縦を交代した。ナツミは俺達に一礼すると出ていった。鎧を着てくるつもりなのだろう。
「ルシファー、俺達も準備をする為に戻ろう」
「うむ。浮遊大陸のある高度に到達するのは、何時になるのだ?」
「約五時間後です」
「うむ」
フユミの言葉にルシファーは頷く。
五時間後に俺達のリベンジは始まるのだ。




