第百二十話 ドワーフを探せ
オークとゴブリンは夫婦で仲良くやっている。そのうち子供も産まれて数も増えるだろう。ちなみに、単純にオーク、ゴブリンと呼んでるが連中は魔王の城に常駐してたほどの屈強な奴だ。
ハイオークとかゴブリンキングとか呼ばれるような上位種なんだ。ただ、そういうのって比較する対象がいるから、そう呼ばれるわけで。
我が空飛ぶ島には奴等しかいないから、呼び方としてはオーク、ゴブリンとなってしまった。
オークとゴブリンが空飛ぶ島で生活するにあたって、先にエルフの若い女性も大勢乗り込んでいたので、最初はオークやゴブリンがいる事に拒否反応を示した。
だが、オークとゴブリンの女性がエルフ女性と交流する事でわだかまりも解けた。少なくとも性的に怯える必要は、もう無いと安堵したようだった。
これで、何種類かの人類が空飛ぶ島に乗り込んだが、あと足りないのはドワーフだ。奴等の鍛冶の腕には大いに期待してるのだ。
「そんなわけで、次はドワーフを仲間にする旅に出よう!」
「フェイロン!?」
サァベルが俺の額に手を当てる。少しヒンヤリとした冷たい手が気持ちいい。その冷たさを楽しんでいるとサァベルが心配そうに言う。
「フェイロン。私も見た事はありませんけど、ドワーフは男女ともにヒゲモジャで小さくて筋骨隆々なんですのよ!?」
「あ、あぁ、俺も直接は会った事が無いけど、そう聞いてるよ」
「フェイロンが好きな、柔らかい胸の大きな娘はいないのですわ。よろしいんですの?」
「いや、そんな美女漁りに行くんじゃなくて、奴等の持つ技術が欲しいんだよ」
「今日は珍しく、ホントに仕事なんですのね」
こやつめ。
あとで俺の見つけた綺麗な丸い玉を見せびらかしてやる。コレクションに加えたがるだろうから、プレゼントしようと思ったが止めた。
「で、ドワーフはどこにいるのだ?」
と、ルシファー。
「知らん。だから適当に旅しようぜ」
「・・・それも良かろう」
魔王ルシファーは、諦めたようにため息をついた。どうせ計画性のない俺に呆れたんだろ。いい加減に俺になれろよ。
「ルシファー、酒を作るぞ!」
「・・・酒だと?」
「ドワーフを身内に引き込むなら、酒が一番だろう。我が家にはベティ先生がいるから、高純度の希少な金属は豊富にストックがある。
でも、それだけじゃ弱いんだ。奴らは酒に目が無いからな。酒で誘惑してやるぞ」
ルシファーがリリィを見た。リリィは困った顔をして話しかけてくる。
「ドワーフを仲間にする為に酒を作りたいのは分かったけれど、その設備も無いし酒作りの原料は、どうするの?」
原料か。
伝令の蜂っ子にミッキーを連れてきてもらうと、事情を話してみた。
「異次元倉庫には、そりゃ大量に備蓄してあるけれど、食べる為に買ったんだよ。魔王さん達が合流してるんだし、常に余裕はもたないとダメだよ」
結局、提供してもらう事は出来なかった。
ならば、開墾するしかあるまい!
世界樹の娘であるナナミなら、種をまけば即成長して即刈り取れるに違いない。
「無理だって。普通より早く成長させられるし、豊作に出来るし、栄養豊かにしたり、甘味を増したり出来るけど、種蒔いて即回収なんて絶対無理」
と、ナナミは言った。
ダメか。
仕方ないな。
地道にやるしかないか。
とりあえず、ドワーフだけは見つけたいな。
頑張って探そう!




