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第百十六話 再び見合い

 地獄のような見合いから二週間。オークとゴブリン達の怪我も癒えた。綺麗な湧き水や、一面の花畑が広がる島を見つけたので、そこで第二回の見合いを開催する事にした。


 オークとゴブリンの長は、毎日涙ぐましい努力を続けた結果、蜂っ子達から匂わないと太鼓判を押された。

 そして、蜂っ子達に色々と教わる過程で、女性に対する物腰も学んだようだ。


 そして二人で女性達のところへ乗り込んだ。


 「あの時はまるで強大な敵軍へ、たった二人で乗り込んでいく心境だった」


 と、後に述懐していた。


 その結果、二人は女性達に許され、受け入れられたそうだ。

 以前とは違う、女性の柔らかく優しい物腰と、きめ細かい心配りに感動していた。


 「我々は蜂っ子ちゃんに太鼓判を押されたが、それは最低限のラインに到達しているにすぎなかったのだ。だが、あの笑顔を見る為ならば、どれほどの苦労だろうと苦にはならぬ」

 

 オークの長の言葉にゴブリンの長も真剣に頷いている。

 ちなみに長以外の男たちの努力も涙ぐましい。

 毛深い者たちはワイルドさを前面に押し出し、男らしさをコンセプトに頑張ってたし、それほど毛深くない者は毛を剃って、ツルツルの肌を売りにしようとしていた。


 女性達は男性の数に合わせて生み出している。

 だから、あぶれる心配は無いのだが最初の印象が悪すぎた。

 女性達は、あまりに酷い男に無理して嫁ぐ気はないと宣言したのだ。

 眼鏡に叶う男に複数の女性が嫁ぐか、あるいは独身のまま俺の元に就職するそうだ。

 

 「よろしいですね?」


 静かな迫力で、そう言われては俺も頷くしかない。

 今となっては、それも笑い話となりそうなのだが、男性陣は必死だ。

 蜂っ子に真剣な顔で相談している。

 元々から、こういう連中だったなら亜人の一角を占めていただろうに。

 まぁ、これからそうなっていくだろう。


 「おい、あっちに蜜をたくさん含んだ花がある。あれを噛んでおけば口臭も甘い香りになるに違いない。試してみないか?」

 「おお、それは良い考えだ!」


 ゴブリンとオークが走っていく。

 頑張れ、頑張れよ。

 俺は今、心からお前らを応援しているからな。


 そして見合い当日。

 女性達はオークとゴブリンの長と会っているので、他の連中も以前とは違う事を理解している。だから、微笑みながら、どう変わっているのかを楽しみにしているようだ。


 だが男性の方は、これから勇者との決戦に臨むかのような雰囲気だ。

 そこへオークの長が告げた。


 「今までの我々は酷かった。いや、酷すぎた。あれでは女性に嫌われても仕方がない。そして俺達は、これまでの態度を改めるべく極限まで努力した。この努力は子々孫々まで継続していかねばならぬ。そして今の俺達は、種族を問わず全ての女性達に感謝と尊敬の念を深く持つべきだと知っている。紳士たれ。この言葉を胸に今日の見合いに臨もう!!」


 お~!!


 決意を込めた鬨の声が上がった。


 その間、蜂っ子達を総動員して食事の準備をしていた。種族柄、かなりの量を食べるだろうと、大量の料理を準備しておく。飲み物もアルコールとノンアルコールの両方を抜かりなく揃えておいた。なるべく大勢の異性と話ができるように立食形式のパーティーだ。


 ちなみに屋外である。


 俺も手伝ってどうにか準備を終えた頃、最初に挨拶を終えた男女が、食事をする為にやってきた。ちょうど緊張も解けて、ここからが本番だろう。実を言えば、俺はこういうのに参加した事がないので、ちょっと羨ましい。


 食事でどうなるか、まるで自分の事みたいに胸がドキドキしてきたよ。

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