第36話「結果発表です」
「ルーク君、おめでとう!」
コリンは怪我から回復したのか、医務室から出てきていた。
あのあと、俺がしっかり回復魔法使ったからな。
もちろん、服の上からだぞ。
変なところも触ってないぞ。
俺は紳士だからな。
「当然の結果ね」
コリンの傍にいたレイラが胸を張る。
ちなみにレイラは2試合目も圧勝だった。
瞬殺だったため、相手が可哀そうになった。
きっと、相手方は聖騎士になるのを諦めただろう。
「二人ともすごいよ! これで聖騎士になれるね」
2試合とも勝った俺たちは、コリンの言う通り聖騎士に選ばれるだろう。
くそっ。
聖騎士になりたくないのに、勝ってしまった。
なぜ、人生はこれほどまでに上手くいかないのだ。
全試合が終了し、結果発表となる。
「あらかじめ言っておくが、模擬戦の勝敗のみが選定の基準ではない。現在の実力と今後の伸びしろを含め、総合的に判断した。それでは試験結果を発表する。まずは聖騎士見習いからだ」
そう言って偉そうなおっさんが発表し始めた。
「聖騎士見習いってなんだ?」
俺は隣にいるコリンに聞く。
「今の実力では聖騎士になれないけど、可能性を秘めた人のことだよ。見習いで実績を積めば聖騎士になれるんだ」
そうか。
つまり、研修生ということらしい。
「コリン・ハーバート」
「え、僕?」
コリンは茫然とする。
一回戦目でボロボロにやられたのだ。
受かると思ってなかったのだろう。
だが、可能性という面で見れば、コリンの素質は悪くないように見えた。
「コリンやったな」
「え、あ、うん。えへへ、嬉しい」
コリンは顔を綻ばせた。
この表情を見ると、確かにコリンは女の子だと思う。
なぜ、今まで気が付かなったのだろうか。
どこからどう見ても可愛い女の子なのに。
これがアンコンシャスバイアスというものだろうか。
偏見とは恐ろしい。
「では、次に下級聖騎士の発表に移る」
ついに来た。
呼ばれて欲しくないけど、呼ばれるだろうな。
次々と名前が呼ばれていく。
途中でレビンスの名前も呼ばれた。
だが、彼は医務室にいるため、返事はなかった。
さっきの一撃が思ったよりも効いたらしく、顔がパンパンに腫れていた。
俺は悪くないぞ。
「以上!」
よそ事を考えていたら、最後まで名前が呼ばれなかった。
もしかして、落ちた?
やったぜ!
模擬戦に介入したから、落としてくれたのだろう。
レイラも呼ばれなかったから、きっとそうだ。
彼女には可哀そうだが、これで聖騎士にならないで済む。
ああ、今日はなんて言い日だ。
ここから、俺のスローライフが始まる。
「では、最後に中級聖騎士を発表する。レイラ・スカーレットとルーク・ウォーカー! 以上!」
待てえぇぇい!
上げて突き落とすんじゃない!
なんで、いきなり中級なんだよ。
「すごいよ、二人とも! 中級聖騎士だなんて!」
「このぐらい当然よ。ね、ルーク」
「そ、そうだな。予想通りだ」
予想通りじゃねーよ。
セシリアさんよ。
評価下げるとか言ってたじゃん。
全然、評価下げてくれてないじゃん。
むしろ、上がってるじゃん。
だまされた。
「ルーク・ウォーカーとレイラ・スカーレット。ちょっと来てもらおう」
おっさの話が終わったタイミングで、セシリアが現れた。
「はい!」
「あ、はい」
「じゃあ、僕はこの辺で、二人ともまた会おうね」
俺たちはコリンに見送られながら、セシリアについて行った。




