プロローグ「15歳になりました」
俺は15歳になった。
8歳に起きた魔人討伐事件から7年間、非常に辛い時期だった。
何が辛いかって?
もちろん修行がだよ。
思い出すだけでゲロ吐きそうだ。
実際、何度も吐いたが。
「回復魔法で治せるから腕が折れても構わん」
「今日から5日間、森でサバイバルだ」
「いつ何時襲われるかわからん。寝ている間も身体強化を止めるな」
と、過酷という言葉が生ぬるいような修行の日々を過ごした。
さらに、レイラが「足りません。もっと稽古つけてください」と言って、マシューの課した訓練の1.5倍やり始めたのだ。
十分死にそうなほどの訓練量に1.5倍やったら、本気で死ぬぞ。
もちろん、レイラがやるなら、俺もやることになった。
何度、三途の川を渡りかけたか知らない。
まあ、一度死んだ経験から、三途の川がないことは知っているけど。
逃げ出そうとした回数は数知れず。
その度に神が現れて「逃げたら殺す」と脅してくる。
あいつ、なんなの?
絶対、俺で遊んでるだろ。
こうして、マシューとレイラと神による、地獄の特訓を終えた。
いやー、無事に生きていて良かった。
そして、俺は15歳になり、聖騎士の入団試験を受けるため、聖都に旅立つ日がやってきた。
レイラも15歳のため、一緒に聖都に行き、試験を受ける。
「父さん、母さん。行ってきます」
「頑張ってこい!」
「寂しくなるわね」
聖騎士になれたとしたら、次、村に帰って来れるのがいつになるかわからない。
これが今生の別れになるわけではないが、二人の顔を見ると泣けてくる。
ほんとに行かないとダメかな?
ここで泣いたら引き留めてくれるかな。
さすがに恥ずかしいからやめとくけど。
傍から見れば、俺は随分と変わった子供だった思う。
前世の知識があるため、妙なことを口走ることが多々あった。
そんな俺をここまで育ててくれたんだ。
感謝しかない。
修行のときは何度も「死ね、マシュー」と思ったが、それも過去のこと。
俺は過去を引きずらない男なのだ。
後ろ髪を引かれる思いで、村を出発する。
こうして、俺はレイラとともに聖都に向かうのだった。
―――第二章「入団試験編」開始―――




