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第9話「赤髪の少女と出会いました」

 魔法と剣術について習い始めてから、2年が経ち、俺は8歳になった。


 魔力循環は多少できるようになったおかげで、身体強化の効果を感じられるようになった。


 人間を辞めない程度に、高く飛べたり、早く走れたりする。


 わーい、やったー。


 ちなみに身体強化は魔法ではない。


 もし、魔法を使って身体強化するなら、人間の体の構造を詳しく理解する必要がある。


 人の体について、21世紀でもすべてが解明されたわけではない。


 この世界の人が魔法で身体強化するのは不可能だ。


 魔力の循環により、体が活性化しているとカナリアが教えてくれた。


 また、回復魔法も魔法と呼ばれているが、厳密には魔法ではない。


 身体強化の応用だ。


 部分的に魔力の動きを活性化させることで、怪我の治りを早くしているらしい。


 かすり傷程度なら俺でも治せるようになった。


 そして、俺は魔力循環を他で応用できないか考えた。


 こんなに便利なんだから、他にも使い道はあるだろう、と。


 そして、見つけ出したのだ。


 不能の治療法を!


 俺は自分の息子に魔力を集中し、魔力を循環させることで、活性化させるに至った。


 つまり、ビンビンに立ったのだ。


 まだ、8歳でそうした欲求とは無縁な体にも関わらず、だ。


 クララが立ったぜ!


 と喜んだのだが、その後、冷静になって思ったことがある。


 はたして、これの使い道はあるのだろうか?


 いや、弱気になってはダメだ。


 前世では息子に寂しい思いをさせてしまった。


 あんな思いを二度とさせないぞ、と俺は強く誓った。


■ ■ ■


 こうして、剣術と魔法の練習をしていたある日。


 マシューは急に「村長のところに行くぞ! ルーク、ついてこい!」と言ってきた。


 ということで、マシューと一緒に村長の家に行くことになった。


 村長の家は村の中央に位置する。


 それ対し、俺の家は村のはずれにある。


「お越しいただきありがとうございます」


 村長は思ってたよりも若かった。


 まだ30代前半だろう。


 この世界は平均寿命が短いらしいから、30歳でもあまる若くないかもしれんが。


「本当は私が伺うべきところですが、申し訳ございません」


 村長は左足が不自由なのか、足を引きづっている。


「気にすることはない!」


 はっはっはと笑いながら言うマシュー。


「ありがとうございます。聖騎士様のおかげで、私たちは平和に過ごせています。ところで、そちらは息子さんですか?」


「うむ! ルーク、挨拶だ」


「ルークです。よろしくお願いします」


 俺はちょこんと頭を下げる。


「ルーク君か。いい名前だね。私はコリン・スカーレット」


 にこにことしていて優しそうな人だ。


 挨拶を済ませた後は中で大人の話があるとのことだ。


 大人の話って何かな。


 アダルトな話だな。


 英語にしただけなのに、なんかエロい。


 俺は大人しく、外で待機することになった。


 暇なので、魔力を循環させる。


 ちなみに魔力循環はゆっくり息を吸いながらやると、うまくいく。


 息を吸って、吐いて―、吸ってー、吐いて―。


 瞑想に似てるな。


 しばらく、魔力循環させてるときだった。


「あんた、人の家の前で何してるわけ?」


 振り向くと、赤髪の少女がいた。


 勝気な表情で木刀を持っている。


「村長の娘さん?」


「そうよ。あたしはレイラ。あんたは?」


「俺はルーク。父さんが用事あって、それについてきたんだ」


「用事って?」


「そこまではわからないけれど、父さんは聖騎士だから。町の安全に関わることだと思うよ」


「せ、聖騎士!?ってことはあんた・・・ししょ・・・マシューさんの息子ね?」


「あ、うん。そうだけど」

 

「あたしと勝負しなさい!」


「え、なんでだよ」


「理由なんてどうだっていいわ。勝負よ!」

 

 レイラは木刀を持って突っ込んできた。


 いきなりなんなの?


 思秋期で暴れたい年ごろなのかな。


 「はあっ!」


 レイラが木刀を力いっぱい振ってくる。


 俺は、とっさに後ろに下がることで、一撃を交わした。


 ブンッと風を切る音がする。


 こいつ、なんてことするんだ。


 当たったら痛いだろ。


「ちょ、やめないか?」


「嫌よ!」


 レイラがさらに一歩踏み込み、接近してくる。


 戦いを止める気はないようだ。


 仕方ない。


 俺は、魔力を両足に込め、循環させる。


 まだ、全身の身体強化はできないが、足だけの身体強化なら可能だ。


 俺はこれを部分的身体強化と呼んでいる。


 ネーミングセンスないって?


 そんなこと知るか。


 一時的に跳躍力を高め、後ろに飛んだ。


 そうして、レイラとの距離を取ったのだが、


「まだまだ!」


 彼女にすぐさま距離を詰められた。


「土壁!!」


 俺は目の前に1メートル程度の土の壁を出現させ、レイラの動きを食い止めようとする。


 だが、「おりゃあ」と言って、彼女は土の壁を軽々と飛び越えた。


 すごい運動神経だな。


 ―――って感心してる場合じゃないか。


 レイラは、俺を目掛けて木刀を振り下ろそうとしている。


 俺はとっさに横にダイブした。


 と、同時に


「落とし穴!」


 適当に思い付いた技名を叫び、レイラが着地したところに1メートルほどの落とし穴を作った。


「わっ」


 彼女が体制を崩す。


 その瞬間を見逃さず、もう一度「落とし穴」と叫んで、さらに穴を深くした。


 しかし、レイラは穴が深くなる前に、ジャンプして抜け出す。


 そして、すぐに切りかかってきた。


「硬化!」


 俺は腕に魔力を纏わせ、それを固い土に変換した。


 両腕で木刀を止めた。


 だが、次の瞬間、とんでもない衝撃が腕を襲う。


「くっ」


 硬化しているところで、衝撃を緩和できるわけではない。


 腕がびりびりする。


 と、そのときだ。


「こらっ、レイラ! 何してる!」


 村長の声だ。


 話し合いが終わったらしく、マシューも一緒にいた。


「おっ、こんなときにも稽古か! 二人とも精が出るな!」


「すみません。うちの娘が・・・」


「何を謝る? 友達同士で稽古! いいことじゃないか!」


 マシューは能天気そうに笑った。


「師匠! お疲れ様です!」


 さっきまで襲い掛かってきたレイラだが、今ではピンと背を伸ばし、マシューに挨拶をしていた。


 それに対し、マシューは「うむ!」と応答する。


「父さん、彼女のこと知ってるの?」


「知ってるぞ! レイラは俺の弟子だからな!」


「師匠の一番弟子よ!」


 レイラは俺の方に向かって、勝ち誇った顔をする。


 突っかかってきたのは、俺への嫉妬だろうか。


 それだったらまじで迷惑なんですけど。


 まだ、木刀を腕で止めたときの痛み抜けてないんだよ。


「ははは! ルークもライバルができて良かったな。そうだ、レイラ。今度からうちで稽古しないか?」


「ほんとですか!? よろしくお願いします!」


 えっ、この子が家に来るの? 


 勘弁してくれよ。


 いや、冷静に考えろ、ルーク・ウォーカー。


 多少乱暴だろうが、レイラは可愛い。


 そう、可愛いのだ。


 将来、美女になること間違いなしだ。


 この展開はありよりのありだな。

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