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夕食が終わって気分も落ち着いた頃に、俺はアルシュリオン・オンラインにインをした。
俺は目を開けて。あたりを見わたす。
スカイツリーを倒壊させ、それ以上に存在感を見せつける巨木。その枝の上に俺は立っていた。
巨木から見おろす。肌に感じるど荒涼とした空気と画面越しとはとても思えない視野感覚。とてもゲームだとは信じられなかった。
だが、ゲームをはじめたのは夜。それに対してここはいま日中の最中である。これが現実なら本来夜であるべきなのだから、やっぱりここはゲームの世界ってことかな。
「これからどうすればいいんだ?」
誰かに問いかけたわけではないのだが、それでもつぶやいてしまう。
「どうするも何も魔竜と戦うしかなかろう。魔竜は全部で八体いるんじゃぞ」
期待にしない答えが返ってくる。声に釣られて振り返ってみればリーナがいた。
「あんたもインしてたのか」
何だかんだで暇なんだなと思ってしまう。それが視線で伝わったのか、リーナの眉がピクリと動く。
「何か文句でもあるのかの?」
「ないよ」
俺はため息交じりに否定をした。ちなみにフルプレートの人もいたのだが、俺たちから少し離れたところであたりを見まわしている。周辺の警戒でもしてくれているのかもしれない。
「それより、ここはスヴェインオードじゃないんだよな? どうやったら元の場所に帰れるかとかはわからないのか?」
「それくらいなら知っておる。とりあえず魔竜をすべて倒して生き残ることじゃ。そうすればスヴェインオードへ戻る術が提示されると聞いておる」
魔竜をすべてだって? たしか八体いるんじゃなかったか?
「ちなみに倒さなきゃいけない魔竜は全部で何体いるんだ?」
「そんなこと知るわけなかろう。わらわも勇者やら巫女やら魔竜などおとぎ話だとばかり思っておったくらいじゃぞ」
何というか、やる気を削ぐ一言である。見えない目標を追いかけるほど理不尽なものはない。
俺はがくりと肩を落としていると、フルプレートの人が歩み寄ってくる。何かあったのだろうか?
「どうかしましたか?」
俺が問いかける。
「ここを一旦離れませんか? 同じ場所にいつまでも留まり続けるのは危険です」
危険はどうかはさておいて、ここにいても仕方がないのは間違いない。俺はリーナと簡単に相談して、とりあえずこの場から離れることになった。それ以降のことはそれから決めるということで。




