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世界最強は今日も負け続ける  作者: 青赤黄
黄の宝玉
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だあぁぁいふせぇえかぁぁい

「交渉?」

「そう、交じょ!」

 リオルの言葉に破裂音が重なる。

 ボスの撃った銃の音と同時に、リオルの額から血が流れ、ドチャと音を立てて倒れた。

 アリスが悲鳴を上げるために無意識に空気を吸うが、それは目の前で人が死んだことに対しての悲鳴としては出なかった。

「痛いなぁもぉ」

 先ほどよりも明らかに早い速度で、飛び散った血はそのまま残し、ニヤニヤと楽しそうに、ゆらぁと腕を使わずに逆再生してるようにリオルが立ち上がって、            

 それに対しての悲鳴だった。

「なんで死なねーんだよ。殺しただろ」

「僕はゾンビなのだー、ウガー」

 リオルは両腕を上げ、舌をベロォと出し白眼になって言った。

「ふうんなるほどねぇ」

 ボスと呼ばれている少女は、さらに何発もリオルの額に銃弾を埋め込む。

 その度にリオルは倒れそうになるが、倒れるのを許さないかのようにリオルの背後にいる男たちと交互に撃った。

 それは殺しと言うよりも、虐殺だった。

 だが、それでも起き上がってくるリオルを見て、女も殺せないと判断したのか、

「交渉ってなんだよ」

 と、呆れ顔で言ってぽいっと銃を捨てた。

 リオルはそれが楽しいことだとでも言うような笑みを浮かべ、

「あはは、簡単な話だよ。君たちが僕に黄の宝玉を渡せばいい。

 そうすれば、ここにいる人全員の命を助けて上げる。

 どう?いい話でしょ」

「ふざけんなァ‼︎」

 リオルの言葉に怒声で返したのはさっきまでリオルが死んだのに死んでないことに驚き、近づいてこれなくなっていた男達のうちの一人だった。

「ふざけんなよ、そんなの認められか!」

「あっそー、クリムゾンちゃんにシテもらえてそれで落とされたのかな?」

「なっ・・・・・・・・・そんなわけねぇだろ‼︎」

 リオルの言葉に男達は絶句し、さらに怒る。

「俺たちはそんなことなくてもボスについていくに決まっているだろ‼︎」

 鬼のような形相の男に睨まれても、リオルはニヤニヤ笑いを浮かべ続ける。

「でもさぁ、そう思われても仕方なくない?

 それにクリムゾン、なんて言う偽名でずっと通されてんだぜ。

 君たちに信頼関係なんてあるのかな?」

「あるよ」

 今度は少女が答えた。

「俺とあいつらの間には信頼関係しかねえ、                確かに本名は教えてねぇけど、そりゃゲームだからな。

 俺の本名を当てよーゲーム、それはみんな知ってるし、俺の名前も、毎晩仲間連中とシテる理由も、俺が黄の宝玉を欲しがってる理由も知ってる。

 残念だけど、俺達はお前が思ってるより繋がってんだぜ。

 だから、俺のために今まで頑張ってくれたみんなのためにも獲るんだよ。

 絶対に」

 女に言われ、リオルは悔しそうな顔をする。

 リオルの悔しそうな顔を見て、グリムは仲間割れさせよって策戦だったのかなと思ったが、

 リオルは悔しそうな顔を片頬だけを吊り上げて笑うことで、グリムが頭に思い浮かべた案を否定する。

 当然それでは伝わらないので、

 クリムゾンとグリムに向けて、

「だあぁぁいふせぇえかぁぁい」

 ねっっとりと絡みつくような口調で、リオルは声に出して否定する。

 グリムはリオルから人の心を読めるくらいのことはできると、そう聞いていたから不思議に思わなかったから表情を変えなかったが、女達は怪訝そうな顔をする。

「君の答えは大不正解だよ、エリナちゃん、

 ついでにグリムくん。

 君たちの関係に信頼しかないのは僕も知ってる、

 毎晩シテるのは自分の体が大っ嫌いだから、

 黄の宝玉を使いたい理由は男になりたいからって言うのも知ってるし、

 君が昔、騎士団に入りたかったけど入れなくて荒れて、人を傷つけて国にいられなくなって外に出て、自分を男として認めてくれた盗賊達に懐いて気づいたらみんなに慕われるボスになっちゃた、て言うのも知ってるよ。

 だから、不正解」

 そこまで言って、リオルはゾッとする笑みを浮かべた。

「意味がわかんねーよ」

「僕は君には勝てない、でもそれは僕が君に必ず負けると言う訳じゃ無い」

「引き分けだって世界にゃあるって話か?」

「そーそー、そーゆーこと」


「ここにいる全員が死ねば引き分けだ」


 その言葉に、そこにいるほとんど全員が何をしようとしているかに気付く。

「おい、ここのガキどもも殺すってのか?」

 精一杯の反撃で男が言うが、その声は明らかに慌てていた。

「うん、そうだよ。ここにいる全員をちゃんと殺すんだ。安心して誰一人残さないから」

 ニッコリ笑って、両手を広げて、

 言った後、リオルがしたのはそれだけだった。

 それだけでリオルはその場にいる全員に恐怖を与え、一部の人には絶望感を植え付けた。

 全員不本意で、感じるつもりのない恐怖だったが、与えられた。

 リオルの『増幅』『増強』『増大』のせいで。

「お前は、死んでも生き返るだろ?それはお前の勝ちなんじゃねーのか?」

「わかる、そうだよねー、僕の勝ちっぽく思うんだけどさ、違うの、生き返るんだからそれは別の僕だ。

 生き返ったんだからそれは別の生命体だ。

 だから今の僕は勝ってない。

 屁理屈っぽいけどそれがこの世界のルールなんだぜ?」

 リオルはニヒルに笑って両手を合わせる。

 パンッ

『燃焼』『破壊』『爆破』『崩壊』『炮烙』『雷撃』『二倍』『累乗』『相乗』『永焔』

 同時使用。

 リオルが手を開いていくと、手の間に炎と雷が集まってゆく。

『収束』『収縮』『増大』『増強』『増幅』『小型化』『威力増加』『劣化付与』『腐敗付与』『変質付与』

 同時使用。

 リオルの作り出していたものが少しずつ縮んでいく。

 威力はそれに比例して上がっていく。

「さぁ、みーんな仲良く死のうか」

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