表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

49/179

k01-45 私の幼馴染が魔王と呼ばれるに至るきっかけ 【挿絵あり】

「ど、どうなってる!?」


 うろたえる男達。


 そんな男達に向き直り、毅然とした声で告げる。



「私が戦う理由はもうなくなりました。あなた達はそうはいかないのかもしれませんが……ここは引いてください。でなければ次はあなた達の……首を落とします」


 そう言って爪を構えるアイネ。


「――! て、撤退! 撤退だ!」


 男の掛け声を合図に一目散に逃げていく。


 それを見届けると同時に、アイネの手足覆っていた黒い影は消え元の普通の手足に戻っていた。


 白金に輝いていた髪と瞳も元通りの深い蒼色へと戻る。



『ふぅ……ギリギリだったな』


「今の……何だったの!?」


『主よ、お互い聞きたい事も山ほどあるが……すまない、暫しお別れだ』


「え!?」


『心配はいらない。幾ばくすれば自然とカムイは戻る。そうすればまたこうして言葉を交わすことも出来よう』


「え、ちょっと? カムイって? ねぇ、大丈夫なの?」


 話しかけてみてもシャドーウルフェン……ファントムの返事はない。


「……何だったんだろ……後でマスターに聞いてみよう。とりあえずホームに戻らないと……」


 そう言って、アイネは藪を掻き分け姿を消した。



 ーーーーー



 アイネがその場を離れて直ぐ後。


 付近の茂みがガサガサと揺れ、中から2つの人影が表れる。


 ジンとシエンだった。



 ジンはアイネが歩いていった方を見て呟く。


「心配して見に来てみりゃ……はぁ、何だよあれ!? 世の中まだまだ分からない事だらけだな」


 そう言って頭を抱えるジンに、意地悪そうにシエンが言う。


「だから言ったでしょう。『この世の全てに飽きた』だなんて。いくらあんたでも奢りが過ぎるわよ」


「へいへい。反省します。にしても、最初にあの理論を聞いた時は不可能だって一瞥したもんだが……。まさか実現する奴が表れるとはねぇ。しかもそれがシルヴァントのひ孫……」



 茂みから出たシエンは、黙って地面に落ちた牙のような物を拾い上げる。



「人とマモノが心を通わせる……ね。なぁ、この世界にはマモノを使って敵と闘うような奴って居るのか?」


「……キプロポリスじゃ無いわね。エバージェリーではそういう闘い方もあるとは聞いたけど。確か、マモノ使いとか呼ばれるんだったかしら」


「マモノ使い……ちょっと違うなぁ。そりゃ調教やら魔術でマモノを操る感じのやつだろ? そうじゃなくて、何ていうかマモノに信頼されて、もっと崇高な感じの……」


「……さあね」




「俺の国じゃ居たんだよ。お伽話の中の存在だけどな。


 ――“魔王”」



挿絵(By みてみん)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
script?guid=onランキング投稿にご協力ください(*'ω'*)
もし続きが気になる、応援してるぞ、と思って頂けましたらランキング投稿をお願いします。
下の"投稿"を1クリックして頂くだけで投稿完了です。何卒よろしくお願い致します('ω')
html>投稿
html>
(なろう勝手にランキング)
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ