第百二十四話「追い詰められる仲間」
五体の使徒との、死闘は、次第に、零たちを、追い詰めていった。
「――ッ、くっ……!」
熊谷が、複数の、攻撃を、同時に、受け止めながら、苦しげな、声を、上げた。
「熊谷、大丈夫か!」
零の、問いに、熊谷は、歯を、食いしばりながら、答えた。
「――まだ、いけるべ……! だが、正直、きつい……!」
熊谷の、盾には、既に、幾つもの、亀裂が、走っていた。
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花霞と、夜も、次第に、疲労の、色を、濃くしていった。
「――このままじゃ、埒が、明かない」
夜が、鋭く、そう、分析した。
「数の、多さが、決定的に、不利ね」
花霞も、静かに、頷いた。
「零殿、我々だけでは、この、五体を、同時に、相手取るのは、困難にございます」
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聖も、支援魔法を、休みなく、繰り出し続けており、その、体力にも、限界が、見え始めていた。
「――ッ、はぁ、はぁ……」
聖の、荒い、息遣いに、零は、心配の、色を、隠せなかった。
「聖、無理するな!」
「大丈夫……! まだ、やれる……!」
聖の、その、必死な、様子に、零は、拳を、握りしめた。
(このままじゃ、みんなが、倒れてしまう)
焦燥感が、零の、胸に、広がっていった。
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エルナもまた、必死に、自分の、力を、振り絞っていた。
「――ッ、コレ以上ハ……!」
エルナの、放つ、力にも、次第に、陰りが、見え始めていた。
「エルナ、無理するな!」
零の、警告に、エルナは、静かに、首を、振った。
「――イイエ。ワタシモ、皆ト、共ニ、戦イタイ」
その、確かな、決意に、零は、胸が、締め付けられる、思いだった。
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「――貴様ラ、既ニ、限界ガ、見エテキタナ」
使徒の、一体が、嘲るように、そう、告げた。
「――我ラ、ココデ、決着ヲ、ツケヨウ」
五体の、使徒が、一斉に、これまでにない、規模の、攻撃を、放とうとした、その、瞬間。
零は、静かに、しかし、確かに、これまでの、旅で、出会ってきた、全ての、人々の、顔を、思い返した。
トビアス、白川郷の、村人たち、藤原家の、少女、農村地帯の、人々、聖女の、祈り、そして――灰堂からの、手紙。
(みんなの、想いを、力に、変えて)
零の、胸の、奥で、これまでにない、規模の、熱が、燃え上がった。
「――俺は、まだ、諦めない」
その、言葉と共に、零の、周囲に、これまでにない、強い、光が、爆発的に、広がり始めた。
「――ナ、ナニ……! コノ、力ハ……!」
使徒たちが、大きく、動揺した、様子を、見せた。
見知らぬ、砂漠の国で、零たちの、命運を、賭けた、決戦は、いよいよ、その、真の、クライマックスへと、向かおうとしていた。




