第百二十五話「崩壊するピラミッド」
零の、周囲に、爆発的に、広がった、光を前に、使徒たちは、明らかな、恐慌に、陥っていた。
「――コ、コレハ、ナンダ……! コレマデノ、力トハ、違ウ……!」
零は、静かに、しかし、確かな、声で、告げた。
「これが、俺たちの、これまでの、旅の、集大成だ」
その、言葉と共に、零は、渾身の力を込めて、五体の、使徒たちの、中心へと、踏み込んだ。
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「――熊谷、花霞、夜、今だ!」
零の、合図に応え、それぞれが、最後の、力を、振り絞った。
「――ぬんっ!」
熊谷の、盾が、これまでにない、勢いで、使徒の、一体を、弾き飛ばす。
「――はぁっ!」
花霞の、刀が、流れるような、動きで、二体の、使徒を、同時に、切り裂いた。
夜も、影から影へと、素早く、移動しながら、的確に、使徒たちの、急所を、突いていった。
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「聖、最後の、支援を!」
「――わかった! 皆に、最大の、加護を!」
聖が、これまでの、旅で、身につけてきた、この国、独自の、浄化の、技法を、織り交ぜながら、渾身の、支援魔法を、放った。
「――エルナ、一緒に!」
零の、呼びかけに、エルナは、静かに、頷いた。
「――ハイ。皆ト、共ニ」
エルナの、力が、零の、光と、共鳴するように、混じり合っていった。
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「――バ、馬鹿ナ……! コレホドノ、連携……!」
使徒たちが、次々と、追い詰められていく。
だが、その、激しい、戦いの、余波は、周囲の、地形にも、大きな、影響を、及ぼし始めていた。
「――ッ、地面が……!」
聖の、悲鳴に、零は、はっと、周囲を、見渡した。
戦いの、舞台と、なっていた、近くの、古い、ピラミッドの、一部が、大きく、揺らぎ始めていた。
「――みんな、離れろ!」
零の、警告と、ほぼ同時に、そのピラミッドの、一角が、轟音と共に、崩れ落ちた。
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「――ッ、間一髪、だったな」
崩壊を、辛うじて、免れた、零たちは、荒い、息を、整えながら、そう、呟いた。
だが、その、混乱の中でも、零たちの、攻撃は、着実に、使徒たちを、追い詰め続けていた。
「――ここで、決める!」
零は、最後の、力を、振り絞り、使徒たちの、中心核と、思われる、部分へと、剣を、突き立てた。
「――ッ、グァァァァァァ……!」
五体の、使徒たちの、断末魔にも似た、悲鳴が、崩れゆく、ピラミッドの、周辺に、響き渡った。
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「――バ、馬鹿ナ……! コレホドノ、力ヲ……!」
使徒たちは、大きく、体勢を、崩しながら、次々と、後退していった。
「――今日ハ、コレマデダ……! ジャガ、覚エテオケ……!」
その、言葉を、最後に、五体の、使徒たちは、それぞれ、黒い、靄と共に、姿を、消していった。
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戦いが、終わった後、零たちは、その場に、崩れるように、座り込んだ。
「――終わった、のか」
零が、荒くなった、息を、整えながら、そう、呟いた。
「零、みんな、無事……!?」
聖の、問いに、熊谷、花霞、夜、エルナが、それぞれ、疲労困憊の、様子ながらも、無事を、確認し合った。
「――全員、無事べ」
熊谷の、報告に、零は、静かに、安堵の、息を、吐いた。
崩れ落ちた、ピラミッドの、瓦礫を、見つめながら、零は、この、これまでで、最大の、戦いの、重みを、静かに、噛みしめていた。
見知らぬ、砂漠の国で、零たちは、五体の、十二使徒という、これまでにない、脅威を、その、確かな、絆と、力で、乗り越えていたのだった。




