第百二十二話「死を超える者」
古都での、日々を、経て、零たちは、この国での、旅の、最終段階へと、差し掛かろうとしていた。
「――これまでの、旅で、随分と、多くの、手がかりが、集まってきたな」
零が、静かに、そう、呟いた。
「宇宙管理者、生命波動、そして、この国で、感じてきた、様々な、『永遠を、求める、想い』」
聖が、地図を、広げながら、静かに、頷いた。
「病神の、真の、計画――少しずつだけど、その、輪郭が、見えてきてる、気がするわ」
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その日、零たちは、古都の、外れにある、小さな、集落で、思いがけない、話を、耳にすることになった。
「――この、集落の、近くに、不老不死を、追い求めた、賢者の、伝説が、あるんです」
集落の、住人が、そう、話してくれた。
「不老不死……」
零は、静かに、その、言葉に、耳を、傾けた。
「賢者は、生涯を、かけて、死を、超える、方法を、探し求めたと、言われております。ですが、最後には、こう、悟ったと」
住人は、静かに、続けた。
「――『死を、超えることは、できない。だが、生きた、証を、残すことは、できる』と」
その、言葉に、零は、深く、感銘を、受けた。
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「――生きた、証を、残す、か」
零の、呟きに、聖が、静かに、頷いた。
「私たちも、これまでの、旅で、たくさんの、人を、救ってきた。それも、きっと、私たちの、生きた、証、なんでしょうね」
「ああ、そうだな」
零は、静かに、これまでの、旅を、振り返った。トビアス、白川郷の、人々、藤原家の、少女、農村地帯の、村人たち、そして――エルナ。
一つ一つの、出会いが、確かに、零の中に、大切な、記憶として、刻まれていた。
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「――エルナ」
零は、静かに、エルナに、声を、かけた。
「お前も、これから、自分の、生きた、証を、見つけて、いけると、思う」
その、言葉に、エルナは、静かに、頷いた。
「――ワタシモ、ソウ、願ッテイル」
エルナの、その、確かな、意志に、零は、優しく、微笑んだ。
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その夜、零たちは、集落の、住人たちと、共に、静かな、夕食の、席を、囲んだ。
「――旅の、方々、この、集落に、もたらしてくださった、平穏に、感謝いたします」
長老が、深く、頭を、下げた。
「これからも、この地に、平和が、続きますように」
零の、言葉に、長老は、静かに、微笑んだ。
「――あなた方の、旅も、これからも、実り、多きものと、なりますように」
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夕食の、後、零は、一人、静かに、夜空を、見上げていた。
(死を、超えることは、できない。だが、生きた、証を、残すことは、できる)
その、賢者の、言葉が、零の、胸に、深く、響いていた。
(灰堂さん、俺も、いつか、そう、思えるように、生きたい)
零は、静かに、そう、心の中で、灰堂へと、想いを、馳せた。
見知らぬ、砂漠の国の、静かな夜、零の中に、これまでとは、また、異なる、深い、確信が、静かに、しかし確かに、根付き始めていた。




