第百二十一話「永遠を求めた王」
王墓での、戦いを、終えた、零たちは、この、古都に、留まりながら、さらなる、休息と、調査を、続けていた。
「――あの、王の、石棺、実は、まだ、開けられていない、部屋が、あるらしいの」
聖が、神官から、聞いた、話を、皆に、共有した。
「王の、生前の、記録が、残された、部屋、ということですか」
零の、問いに、聖は、静かに、頷いた。
「ええ。もし、そこに、何か、手がかりが、あれば」
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案内された、その、部屋には、精緻な、壁画と共に、王の、生涯を、記した、多くの、記録が、残されていた。
「――この、王、若くして、病に、倒れかけたことが、あったみたいね」
聖が、壁画の、記述を、読み解きながら、そう、告げた。
「若くして……」
零は、静かに、その、記述に、興味を、引かれた。
「――死の、淵から、生還した、この、王は、それ以降、永遠の、生命を、追い求めるように、なったと、記されてるわ」
その、話に、零は、静かに、自分自身の、過去を、重ねずには、いられなかった。
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「――俺も、似たような、経験を、した」
零の、呟きに、聖が、静かに、頷いた。
「あの、雪の夜のこと、ね」
「ああ。死にかけて、そして、こうして、生きてる。この、王も、きっと、同じような、想いを、抱いてたんだろうな」
零は、静かに、その、壁画を、見つめた。
「でも、俺は、永遠を、求めようとは、思わない」
「――どうして?」
聖の、問いに、零は、静かに、答えた。
「永遠じゃなくても、今、この、瞬間を、大切に、生きること――それこそが、意味のあることだと、思うから」
その、言葉は、まさに、エルナが、以前、口にした、言葉と、同じものだった。
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「――零殿」
花霞が、静かに、その、会話に、加わった。
「そなたの、その、想い――わたくしの、姉の、教えとも、通じるものが、ございます」
「花霞さんの、姉さんも、そう、言ってたのか」
「ええ。『剣は、生きる意志の、証』――姉は、いつも、そう、申しておりました」
その、言葉に、零は、深く、頷いた。
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「――でも」
夜が、静かに、口を、挟んだ。
「この、王の、想い――永遠を、求めることも、決して、間違ってたわけじゃ、ないと、思う」
その、指摘に、零は、静かに、耳を、傾けた。
「死ぬことへの、恐怖は、誰にでも、あるもの。それを、乗り越えようとした、その、想いは、責められるものじゃない」
夜の、言葉には、深い、洞察が、込められていた。
「――ただ」
夜は、静かに、続けた。
「その、想いを、病神に、利用されて、絶望の、糧に、されてしまったことが、悲しいこと、なんだと思う」
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「――その、通りだな」
零は、静かに、頷いた。
「王の、想いそのものは、決して、悪いものじゃない。ただ、それが、悪用されてしまう。それを、俺たちは、止めなきゃいけない」
その、確かな、決意に、仲間たちは、それぞれ、静かに、頷いた。
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その夜、零は、静かに、王墓を、後にする前に、もう一度、王の、石棺に、手を、合わせた。
「――あなたの、想いは、決して、無駄では、なかった。俺たちが、それを、証明する」
零の、その、静かな、誓いは、荘厳な、墓所の中に、静かに、溶けていった。
見知らぬ、砂漠の国の、古代の、王墓で、零たちは、また一つ、深い、想いと共に、次なる、旅路への、決意を、固めていくのだった。




