第百二十話「王墓の奥底」
古都での、戦いを、終えた、零たちは、この、大神殿の、地下に、伝わる、さらなる、伝承について、調べを、進めることにした。
「――この、大神殿の、地下深くに、古代の、王の、真の、墓所が、あると、伝えられております」
神殿の、神官が、そう、説明した。
「その、王は、生前、永遠の、生命を、追い求めていたと、言われております」
その、話に、零は、静かに、耳を、傾けた。
「永遠の、生命……」
零の、脳裏に、これまでの、旅で、出会ってきた、様々な、「永遠を、求める、想い」が、静かに、蘇った。
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「――案内、していただけますか」
零の、頼みに、神官は、静かに、頷いた。
地下へと、続く、長い、階段を、下りていくと、そこには、これまでの、旅で、見てきた、どの、墓所とも、異なる、荘厳な、空間が、広がっていた。
「――これが、王の、真の、墓所……」
聖が、感嘆の、声を、漏らした。
だが、その、荘厳な、空間の、奥にも、これまでの、旅で、幾度となく、感じてきた、あの、重苦しい、気配が、確かに、漂っていた。
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「――近いな」
零の、言葉に、一同は、緊張を、強めた。
墓所の、最深部、王の、石棺が、安置された、場所の、近くで、零たちは、黒い、靄が、静かに、渦を、巻いているのを、発見した。
「――また、いるのか」
零が、身構えると、靄の中から、これまで、対峙してきた、使徒の、一体が、姿を、現した。
「――穢レナキ者ノ、気配。コノ、王ノ、永遠ヲ、求メタ、想イ――ソレヲ、我ラガ主ノ、糧トスル」
「――永遠を、求めた、想いを、絶望の、糧に、するな」
零は、剣を、構えた。
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戦いは、これまでの、旅で、積み重ねてきた、経験を、活かし、比較的、速やかに、決着した。
「――今日ハ、コレマデダ」
その、言葉を、最後に、使徒は、黒い、靄と共に、姿を、消していった。
戦いが、終わった後、零は、静かに、王の、石棺を、見つめた。
「――この、王は、どうして、永遠を、求めたんだろうな」
零の、呟きに、聖が、静かに、答えた。
「きっと、死ぬことへの、恐怖――そして、自分が、生きた、証を、残したいという、願いが、あったんじゃないかしら」
その、答えに、零は、深く、頷いた。
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「――エルナ、お前は、この、王の、気持ち、わかるか」
零の、問いに、エルナは、静かに、考え込んだ。
「――ワタシハ、病神様ニ、創ラレタ、存在。永遠ニ、消エナイ、コトモ、デキタカモシレナイ。デモ」
エルナは、静かに、続けた。
「――貴様タチト、出会ッテ、思ウ。永遠デ、アルコトヨリモ、今、コノ、瞬間ヲ、大切ニスルコトノ、方ガ、意味ガアル、ノデハナイカ、ト」
その、深い、洞察に、零は、静かに、感心した。
「エルナ、随分、成長したな」
「――貴様タチカラ、多クヲ、学ンデイル」
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墓所を、後にしながら、零は、静かに、これまでの、旅で、出会ってきた、様々な、「生きること」への、想いを、改めて、噛みしめていた。
灰堂の、教え。花霞の、姉への、想い。そして、この、古代の、王の、永遠を、求めた、願い。
(生きることの、意味は、人それぞれ、違う。でも、その、根っこには、きっと、同じ、想いが、あるんだろうな)
見知らぬ、砂漠の国の、古代の、王墓を、後にしながら、零たちの、旅は、また一つ、深い、学びと共に、次なる、局面へと、進んでいくのだった。




