第百十九話「十二使徒・第五の刺客」
砂嵐を、乗り越えた、零たちは、次なる、目的地――この国の、南方に、位置する、古都を目指し、旅を、続けていた。
「――皇帝牙さんが、言ってた、世界樹の、存在。この国にも、何か、手がかりが、あるかもしれないな」
零の、言葉に、聖が、静かに、頷いた。
「そういえば、あの、書庫の、記録にも、生命波動という、言葉が、あったわね」
「ああ。少しずつだけど、真実に、近づいてきてる、気がする」
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古都に、到着すると、そこには、これまでの、旅で、幾度となく、感じてきた、あの、重苦しい、気配が、既に、色濃く、漂っていた。
「――ここにも、いるみたいだな」
零の、言葉に、一同は、緊張を、強めた。
古都の、中心にある、大神殿へと、向かうと、そこには、十二使徒の、一体が、既に、待ち構えていた。
「――穢レナキ者ノ、気配。ヤハリ、貴様、コノ地ニモ、辿リ着イタカ」
その、聞き覚えのある、こもった、声に、零は、剣を、構えた。
「――お前も、この地の、何かを、狙ってるのか」
「――イカニモ。コノ古都ハ、古クヨリ、多クノ、信仰ト、想イガ、積モリ重ナッタ、地。ソレヲ、我ラガ主ノ、糧トスル」
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戦いが、始まると、この、十二使徒は、これまで、対峙してきた、どの、使徒よりも、狡猾な、戦い方を、見せてきた。
「――ッ、これは……!」
零が、思わず、警戒を、強める中、十二使徒は、突如として、聖へと、狙いを、定めた。
「――聖、危ない!」
零の、警告に、聖は、咄嗟に、身を、翻した。だが、十二使徒の、靄の、一部が、聖の、腕を、かすめた。
「――ッ、く……!」
聖が、痛みに、顔を、歪める。
「聖!」
零は、怒りを、露わに、十二使徒へと、迫った。
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「――仲間を、傷つけたこと、後悔させてやる」
零の、剣が、これまで以上の、鋭さで、十二使徒へと、振るわれた。
「――ッ、グ、ゥ……!」
十二使徒が、大きく、よろめく。
エルナも、静かに、聖の、元へと、駆け寄り、自分の、力を、使って、僅かに、その、痛みを、和らげようと、試みた。
「――聖、大丈夫カ」
「ありがとう、エルナ。大丈夫よ」
聖は、痛みを、堪えながらも、そう、答えた。
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「――みんな、今だ!」
零の、合図に応え、花霞、夜、熊谷が、それぞれの、渾身の、一撃を、十二使徒へと、叩き込んだ。
「――バ、馬鹿ナ……! コノ、連携……!」
十二使徒が、大きく、動揺した、様子を、見せた。
零は、体の、奥の、あの、熱を、静かに、しかし、確かに、引き出しながら、最後の、一撃を、放った。
「――これで、終わりだ」
零の、剣が、十二使徒の、靄の、中心を、深く、貫いた。
「――ッ、グァァァァァ……!」
十二使徒の、断末魔にも似た、悲鳴が、大神殿全体に、響き渡った。
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「――今日ハ、コレマデダ。ジャガ、覚エテオケ」
その、言葉を、最後に、十二使徒は、黒い、靄と共に、姿を、消していった。
戦いが、終わった後、零は、すぐに、聖の、元へと、駆け寄った。
「聖、大丈夫か」
「ええ、大丈夫。エルナが、痛みを、和らげてくれたから」
聖の、言葉に、零は、静かに、安堵の、息を、吐いた。
「――エルナ、ありがとう」
零の、感謝に、エルナは、静かに、頷いた。
「――聖ヲ、守レテ、良カッタ」
見知らぬ、砂漠の国の、古都で、零たちの、絆は、また一つ、確かな、試練を、乗り越えながら、深まっていくのだった。




